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ビジョンは「何を言わないか」問題

今日は何の話かというと、ビジョン策定のプロセスでたいていぶつかる分岐点があるよ、みたいな話です。

まず大前提として、ビジョンなんて本来、経営者+ボードメンバーがただ素直にやりたいことを、まっすぐ大声で叫べば良いだけです。

誰かの目なんて気にすること自体がナンセンスです。

従業員、顧客、株主からの見え方とか、いろいろ気にしだすからビジョンづくりが迷走します。

めちゃくちゃ偏った、主観的な、本音全開の大風呂敷を最初に広げて、広げてしまってから後で各方面からの理解を得るための伝え方を考えればいいだけです。

だって、誰に何と言われようと、本気でそれやりたいんですよね?

そのはずなんですけど、いちいち周りからの見え方を気にして、ビビりながら考えるから、無味無臭な、角のとれまくってどこにも刺さらないステートメントが生まれてしまう、というオチです。

誰にも(何なら自分の心にも)刺さらないビジョンって、わざわざ言葉にする意味ありますか?

それってもはや、存在していないのも同じです。

でも、各方面からの見え方、伝わり方を気にしてしまう心理も正直よく分かります。

できることなら波風立てなくないよね、という。

ちなみに、一番最悪なのが、作りかけのビジョン(複数案)を各方面に配って、「どれがいいと思います?」「どこらへんに共感しますか?」みたいなアンケートを取ること。

アンケートで一番人気の案をガン無視して、「絶対コレで行くんや!」という意思決定ができるハートの強さがない限りは、「意見聞いたからには反映しなくては・・」に、どう考えたってなります。

そして、あらゆる要素をてんこ盛りにした、ツギハギだらけのビジョンが出来上がる、という未来にまっしぐらです。

なので、もしアンケート取ろうとしてる人がいたら、全力で止めてあげてくださいw

自分の首を絞めるだけなので。

では、そういう各方面に配慮しすぎたビジョン策定をせずに、本音100%のキレっキレのビジョンを設定するために、どうしたら良いか?

一言で言うと、ビジョンで「何を言うか」ではなく、「何を言わないか」に全神経を注ぐことです。

マジでこれ大事です。

あえて、この事業には触れない。

あえて、この顧客層は無視する。

あえて、創業者がつくった『創業の精神』は見なかったことにするw

「言わないこと」を決められたら、良いビジョンにぐっと近づくと思います。

もちろんビジョンで言ったことを本当にやる覚悟とセットですが。

良いビジョンは可能性を広げるというより、可能性を切り捨てて、残したものに全力を集中させるものだと思います。

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