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ボビーチャールズ と ザ・バンド

私、こんなに音楽好きなくせに、まったく楽器ができません。昔、会社の人達と行ったカラオケでマラカスを振っていたら酔ってる女子社員に「下手過ぎですよぉー」と笑顔で言われて「やっぱりそうか」と心の中で思いました笑。小学生の頃から音楽の授業は苦手で、リズム感が悪いしよくやらされていたリコーダーとかも、ド下手でした。指が短いし不器用なので弦楽器はとても無理だと思います。

演奏する才能がないのは確かなんですけど、自分ではぜんぜん残念ではなくて、得意なのは体育の方でしたから「やるのはサッカー、聴くのは音楽」って割りきっていて、音楽ど素人上等!と思っています。

そこで、ボビーチャールズです。なぜって、彼は楽器がほとんど出来ないらしいのです。音感だけでコードとか全て理解してるらしいです。そんな才能で「See you later alligater」等のスタンダードな曲をいくつも作るソングライターであり、しかも彼の声は心温まるハートフルヴォイスです。

ヘッダー写真の1stアルバムは、その声にシンプルなスワンプ調の演奏が重なり、初めて聞いた時は「これこそ私の求めていた世界だ」なんて思いました。
このアルバムの一曲目↓の入りがもう引き込まれます。ハイハットを刻む音で始まり、レボンのドラムがズドンって落ちてきて、だんだんとテンポがあがってきて、もう痺れる〜!この曲で、完全にレボンヘルムが好きになりました。

この一曲目は、ザ・バンドの1stの一曲目「Tears of Rage」の私の印象と似ています。曲は似てないかもしれませんがドラムのテンポがすごく遅く重く、レボンヘルムのセンスがどちらも私には同じ味わいで刺さってきます。そもそもこのアルバムにはザ・バンドのメンバーが揃ってますし、プロデューサーがザ・バンドの1stと同じジョンサイモンですから当たり前なんですけど。

私的には、ザ・バンドをゆる〜くして、曲にお化粧するガースハドソンを外して、ギターもキレキレのロビーさんでなく、とろけるエイモスさんにして、ピンのヴォーカルにしたのが、このボビーチャールズの1stです。違うかな?笑。

3曲目がこれ↓これこそ長閑。エイモスギャレットのソロが、ジャケット写真そのものです。緑と水辺と犬と、人生の余暇はこんなふうに木陰で寝転がっていたいですね。

一番有名な曲は↓ですね。導入部の口笛がなんともこの長閑なアルバムを象徴しています。1979年のエイモスギャレットとジョフマルダーの来日ライブを聴くと、この曲で一番大きな歓声があがり、ジョフが思わず「ボビーがここにいてくれたら!この歓声を聞かせたい!」と言ってますね。

↓は、2ndの「Better Days」このアルバムのラスト3曲が素晴らしいです。ボーディドリーがカヴァーした「Homemade Songs」ポールバターフィールドベターデイズで取り上げた「Done a lot of Wrong things 」そしてラスト、私が好きな↓「You were there」このラスト3曲は、私には極上のお昼寝ソングです。ほんとにスローで飾り気がない、音楽のための音楽という感じです。

↓は、1stから23年後、1995年の編集アルバムで、1stに比べたら全然知られていないですけど粒揃いの好盤です。また何といっても、ソニーランドレスのギターが光ります。

ザ・バンドの映画「ラストワルツ」では、当時の大物ミュージシャンが集結しましたけど、ボビーチャールズもかつてのウッドストック仲間として参加し一曲歌いました。ラストワルツの後は、レボンヘルムのRCOオールスターズの一員として来日しており、その音源を聴くと、とても元気で明るいおじさんです。

彼は寡作ですし、本人も音楽活動にはあまり積極的ではなく、静かな生活を望んでいたようです。名盤である1stのヘッダー写真のイメージは「See you later alligater」の印税で田舎でのんびり過ごしているようなかんじですけど、実際には、ハリケーンで家が流されたり、その前には火事で焼失したり、離婚や癌治療もあり、不運続きだったようです。彼の歌からは、そうした悲壮感はまったく感じられません。

いつも、私を癒してくれるハートウォームな歌声の子守唄。沢山癒されてきましたし、これからも、穏やかな眠りに誘ってくれる歌声です。

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