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山守から見る「ウッドショック」

ご覧いただきありがとうございます。創業1927年以来、林業と銘木をメインに事業を行う森庄銘木産業株式会社、専務の森本です。

いま日本の住宅業界を騒がせている「ウッドショック」について思うところがあり、noteを記します。少し先になると思いますが、ウッドショックが落ち着いてくると、流通の合理化が進み、国産材の安定供給に向けた取り組みが一気に進むと考えられます。

しかし、年輪は家にして成らず。年輪を重ね、地盤を保持し、地球環境に寄与している現場は「森」そのものであり、他にはありません。

その森は、誰が育てていくのでしょうか?
その森は持続可能なものなのでしょうか?

※ウッドショックとは住宅の構造に使われる松を中心とした構造材<柱・梁・土台など>の供給不足、そして、価格の高騰です。
<消費税がいきなり20%に上がったようなインパクトがあります>

原因はいくつかあるとされています。
1つ目は

アメリカにおいて低金利と高い株価を背景に住宅の需要が急激に増えています。

理由は、「密を避けましょう」という国としてのトレンドがあり都市部から郊外への移住のニーズが急速に高まっているからです。日本は移住したくても、そんな簡単にいきませんね。
要するにアメリカ国内での需要が大幅に高まっていて、日本向けに出荷するものなんてありませんという状態です。

2つ目は、貨物のコンテナ不足と貨物船の減便です。貿易のための物流には海運がてとも重要な役割を果たしています。しかし荷物を運びたい人の間で、コンテナの奪い合いが発生するほど需要が旺盛になっており、コロナの影響で船の便数も減便されているのが追い討ちをかけています。

3つ目は、日本の国際競争力低下により、海外の大手木材メーカーから見て、日本の優先順位が下がっていることです。
経済成長が鈍化している日本へ売らなくなったということですね
中国を初めとしたアジア諸国の経済成長には何年も大きく劣っていたので、いずれそうなるであろうと分かっていながら輸入材に頼り続けた大手メーカーのリスクヘッジ力が問われていますね。

輸入材が入らなくなり、この商機を逃すわけにはいかないと考えることも出来ますが、60年〜80年ほどの杉ヒノキの生命を絶ってしまうのは余りにも単純な解な気がします。

大切なのはきっと、使う流通ではなく「一緒に育てる流通を作ること」ではないでしょうか?


森と暮らしを繋いでいこう。
木の話は森の中でしましょう。

森庄ツアーのお時間作らせていただきます。

逆に家の話は、工務店さまにお伺いします。
流通の話は商社さま、材木屋さまにお伺いします。長々と失礼しました。木造住宅で家を建てようとしている皆様、
どうか日本の木のこと、森のことを嫌いにならないでくださいね。


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