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炎で命を繋ぐ、「火の鳥」ならぬ「火の虎」!『ウルトラマンアーク』第7話「満月の応え」

うだるような暑さにSKIP所員たちは我慢の限界!でもそんな時に怪獣が出現し、ガスを吸収し始めた。アークのエネルギーをも吸収してしまう怪獣に為す術もない。しかも怪獣大爆発の可能性も出てきて星元市は消滅の危機に!!謎の少女の言葉を胸に立ち向かおうとするユウマ…。だが、怪獣は一体なぜ現れたのだろうか?
(「TSUBURAYA IMAGINATION」より転載)

本稿はタイトルに記載された作品のネタバレを含む感想です。
事前情報をほとんど入れず、作品を見ただけで書いておりますので、多少の間違いは笑ってご容赦ください。


総集編を挟んで通常ターンが戻ってきた第7話。
脚本は『ウルトラマンX』の名編「ともだちは怪獣」で辻󠄀本貴則監督とタッグを組んだ勝冶京子氏、監督は『ウルトラマンブレーザー』の大傑作「オトノホシ」を手がけた越知靖氏です。
冒頭、月に向かってヒーローの絵を描く幼いユウマ。
左腕の黄色い腕時計から、すでに両親はこの世にいないことがわかります。
そこに現れる母の思い出。いやあ切ない。
そして現れる「つきのちから」。


うだるようなどころではない暑さの星元市。
気温が45度でもクーラーが壊れていても出勤するSKIP。偉い。
石堂が認めるうまさのユピーのアイスコーヒー、飲んでみたい。
星元市のふるさと納税で出たら買います。
前作でアオベ・エミ隊員を演じた山田姫奈さん率いるWHITE MONKEYのライバル出現ですね。


市街地に突如湧いた温泉。
硫化水素の匂いがしたり、噴出口に湯の花がついていたりと芸が細かい。
のちに怪獣が出現したところを見ると、怪獣は地下水脈の熱水噴出孔から湧き出る硫黄分を分解するバクテリアと共生し、エネルギーを得ていたのでしょう。
温泉の噴出がこのまま続いていけば、「星元温泉郷」として、地域経済の発展に繋がるかも。
気温48度、むちゃくちゃヤバいですが、世界のあちこちで発生しているようですね。。


温泉の調査をするユウマに、現場から離れるよう警告する謎の女性。しかし次の瞬間、その姿はなく、ついで地面を破り、灼熱怪獣ホムガーが現れます。
赤地に黒の虎縞、顔も虎、トゲトゲの背中とどこかユーモラスなデザインです。
ポケモンに出てきそう
膝をつかない4足怪獣、ステゴンの系譜ですね。
虎モチーフの怪獣は、ウルトラマンガイアにイザク、ティグリスがいますが、どちらも虎という絶滅危惧種が元となっているせいか、お話が悲劇的です。

現れたホムガーは「星元ガス」のタンクに孔を開け、ガスを吸収します。
液化天然ガスの主成分はメタン。
ホムガーは地下では硫黄の他、メタンもエネルギー源にしていたのかもしれません。


そしてアークが登場、ホムガー背部の鋭い棘に手を焼きます。
硬い岩盤を掘り進むホムガーの棘は、金属成分で補強されているのかもしれません。
攻めあぐねるアーク、エネルギーは吸い取られるわ、炎で炙られるわ、散々な目に遭って敗北してしまいます。
ウルトラマンがAパートで出て来ると大抵ロクな目に合わない


分所に戻ったSKIP一同、ユーによる怪獣のスキャニングで、怪獣の体内に蠢く謎の部位と二つの心音が確認されますが、詳細は謎。
ちなみに我々が食べているタコは、全身の筋肉を効率よく動かすために心臓が3つあります。
いきなり記憶力が解き放たれ、ホムガー伝説を思い出すユウマ。
ホムガーは火山の爆発に伴って現れる。
ホムガーの熱量上昇速度から、臨界点を超えると大爆発が起こる事が推定され、星元市に避難命令が発令されます。


避難を誘導するユウマのもとに現れる謎の女性、怪獣の声を聞けと無茶振り。
おねーさん明らかに説明不足です
出産と同時に自爆し、そのエネルギーを子に与えるという、ホムガーの繁殖方法を知ったユウマは、アークに変身、初の夜の戦いです。
アークはホムガーを市街地から誘導しようとしますがうまく行きません。
満を持して登場するルーナアーマー。
アーマーによる高速移動でホムガーの火炎をかわすアーク、ヒロシ所長は「質量残像」と評していましたが、私にはシュレディンガー式の確率分布をしているようにも見えました。マクロでの確率分布スゲェ。

風による防爆バリアの中で、アークに寄り添われ、いよいよ出産、臨界、そして最期を迎えるホムガー。
爆発の影響は最小限に抑えられ、母の願い通り、人々も、怪獣も守ることができたのでした。
棘の短いホムガーの幼体?を抱きしめたあの女性。正体は精霊なのか、ホムガー親子がユウマに見せた幻影なのか。
その正体は謎のまま、物語は終わります。


今回のお話、シリーズをずっと見てきたファンには、あれはあの、これはこのエピソードから?と元ネタを深読みしたくなる要素がいっぱいです。
太陽と月のアーマーといい、今作の裏テーマは令和版「ウルトラマンコスモス」か、と深読みしたくもあります。
皆さんにおかれましても、これは!という思いつきがあれば、ぜひ過去のエピソードにも目を向けていただきたいと思います。

四国の田舎からエールを送ります。


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