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大注目テーマ「リチウムイオン電池」で爆進中!ダブル・スコープ 6619

明日(7/1)にダブル・スコープを再分析するにあたり、
1週間のみ、こちらの記事を無料公開します!
明日の分析の事前予習としてみてください!

個別銘柄をとことん分析するマガジン

今週は

ダブル・スコープ(6619)

を分析していきます!

ダブル・スコープは、今回の2021年9月発売の会社四季報で選出した銘柄の1つなのですが、今号では業績の変化を感じていました!

ただし、前期までの赤字続きだったり、財務指標に少し懸念があることから優先順位を上げてはいなかったのですが、

テーマとして「リチウムイオン電池」の強さを感じて、
急遽で調べていきました。

またチャートを見ると面白い位置につけています!

Wスコープ.003

今回は、ダブル・スコープの可能性はもちろん、リチウムイオン電池市場についても理解できる内容になっているのでぜひ最後まで御覧ください!


まずは総合評価!あまり大きく見えない?潜在性は?

Wスコープ.002

いつもの5角形による評価です。

過去のマガジン銘柄に比べると大きく見えないかもしれませんね。

低評価なのは、

・収益性(4点)
・安全性(4点)

です。

まだ低評価ありだからこそ、
潜在性を見極めて、
大化けする可能性を探っていきたいところです。


では、ダブル・スコープとともに、
リチウムイオン電池の可能性をじっくりと探っていきましょう!

分析の詳細はこちら↓

Wスコープ.004


ダブル・スコープの良い点5つと悪い点4つ

Wスコープ.025

では早速見ていきましょう!まずは業績から

良い点①業績の急成長と黒字転換へ

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まず最初に、今回目に止まった最大の理由は業績の変化!

・売上3期連続40%以上の増加
・黒字転換

が予想されています。

Wスコープ.006

会社四季報の予想では、今期だけではなく来期も黒字予想ですので、今後は黒字体質になれるのか?

実現できれば、株価の評価は高まっていくと予想されますね!


悪い点①業績の不安定さ

良い業績の変化は株価にとってポジティブなのですが、変化が激しいという点で安定性はないと言えそうです。

実際に同社は、事業も1つのみに集中しており、リチウムイオン電池の市況や海外の影響なども大きく受けるし、技術革新などで見通しがプラスにもマイナスにも触れる可能性があります。

リスク要因としては抑えておいてください!


悪い点②財務への不安

加えて、財務指標には不安を感じました!

Wスコープ.015

⬆平均が30%~40%と言われる自己資本比率が21.9%

Wスコープ.016

⬆営業キャッシュ・フローも前期は大幅な赤字を計上しています。

念の直近決算(2021年6月時点)為資金繰りを確認してみると⬇

Wスコープ.017
Wスコープ.018

現金(75億円)や流動資産全体(182.8億円)よりも、
短期借入金(1年以内に返さないと行けないお金)が多い状況です。

何か大きなリスクがあれば、資金繰り懸念が嫌気されてもおかしくはないかもしれません!


Wスコープ.019

前期の営業CFが赤字になってしまう原因は⬆
棚卸資産の増減額が影響しているようです。
(後ほど詳しくみていきます)

ただし、その一方で投資CFを見ると、この状況においても有形固定資産への投資を継続しています。⬇

Wスコープ.020

⬆資金調達をどうしているか?というと、今までは融資(借金)を活用していましたが、今期は株式発行による収入(公募増資)で資金調達を行っています。

財務懸念がある中で、融資は使いずらくなってきて、
増資による希薄化懸念がある!

財務面だけを見るならば、やはりリスクを意識せざるを得ない銘柄であることを認識しておきましょう!

ただ、ここで考えたいのは、

なぜここまでリスクを取ってでも投資を続けていくのか?

という点です!


良い面②市場の長期展望の明るさ

それはやはり、同社のメイン事業である「リチウムイオン電池」市場の成長があるからでしょう!

Wスコープ.026

ちなみにダブル・スコープのHPを見るとやっていることがなんとなくわかるかと思います。(むずかしいけどね)⬆

Wスコープ.027

要は、リチウムイオン電池の素材を作っているメーカーがダブル・スコープという会社であり、リチウムイオン電池の普及とともに急成長をしている会社です。

ところで、

Wスコープ.028

簡単にリチウムイオン電池の特徴を並べれば

・小型
・軽量
・大容量
・繰り返し使える(二次電池)
・様々な技術に使われ始めている

何に使う電池を作っているの?

Wスコープ.029

社長あいさつを見てみると、電気自動車が主要用途、メインターゲットとしているとの文言を発見!

・リチウムイオン電池市場
・EV(電気自動車)市場

の両市場を見ていくとヒントがあるかもしれませんので、

最新の会社四季報業界地図を見ていきます!⬇

Wスコープ.030

⬆業界地図(リチウムイオン電池のページ)にて、車載用リチウムイオン電池の成長率は6年で5倍!

Wスコープ.032

⬆業界地図(次世代自動車のページ)にて、2035年には車の半分はEV自動車になる予測が!


このあたりから車載用のリチウムイオン電池市場の潜在性は、

・成長率が高く
・成長期間も長いテーマ

であることがわかります。

あとはこの成長市場の中で、
どの程度強みを発揮できるか?
ということでしょうか?


良い点③主要顧客が大手

残念ながら、リチウムイオン電池市場におけるシェアなどが調べられなかったのですが、大きな強みだと思えたのがこちら

Wスコープ.033

会社四季報に載っていた「仕入先」「販売先」です!

こちらも業界地図の中では、
車載用リチウムイオン電池市場の中で、

車載用世界2位のSamsung SDI
車載用世界4位のLG

が入っているではありませんか!


しっかりと市場のメインプレーヤーを顧客にできている点は、
今後の大きな強みになっているのではないかと思います!


悪い点③韓国への依存

ただし、これはそのままリスクにもつながっています。

大手2社はどちらも韓国の会社です。
地域別売上を見ると⬇

Wスコープ.034

韓国への依存度がとても高いことがわかります。

海外ということで為替リスク、
地政学リスクなどは抑えておく必要がありそうです。

投資をする場合は常に業界地図で勢力関係などチェックする必要がありそうですね!⬇

Wスコープ.031


悪い点④2Qの赤字要因は?

さらに悪い点を続けます!

Wスコープ.035

最新の2Q決算は赤字決算となりました!⬆

1Qでは黒字、通期予想も黒字予想のなかで、
2Q時点での赤字計上はサプライズ感がありました⬇

Wスコープ.038

決算発表(8/12)後は株価が大きく下落していることから、市場の反応はネガティブだったことを捉えておいてください!

Wスコープ.036

赤字の主な原因は何でしょうか?

先程の営業CF赤字の原因にも出てきましたが、決算資料で大きな数字は

・棚卸変動による影響(約-17億円)
・原材料費の増加(約-8億円)
・その他製造費用の増加(約−5億円)

となっています。

Wスコープ.037

難しい項目ではありますが、会社側の説明を要約すると

・売上は増えたけど、新しい設備からの出荷がずれてしまった
・在庫が減った分の損益計算書上ではコスト計上

という部分が「棚卸変動による影響」です。

ポジティブに受け取るのであれば、一時的な要因と言えそうですが、

・コンテナ運賃の上昇

などは今も続いているので、強気な収益予想に対して期待を超える結果出てくるかにはいまだ不透明と言えそうです。


見通しでは、

・新しい設備がちゃんと動くし、最適化する
・でも初期費用が若干かかる
・詳しくは3Qにて

とあるので、次回決算(11/11予定)は、
注意の必要な決算となりそうです!


良い点④中期経営計画への期待

ただし前回決算で期待が増した点については、

Wスコープ.039

1Q決算時にはなかった「中期経営計画」を開示する見通しがあることが決算資料で確認できました!⬆

Wスコープ.040

急成長の市場で積極投資を継続する意思は示されており、業績の計画がどの様になるのか?

期待は高まっているために、決算の売り一巡後には株価が上昇しているのかもしれませんね!


良い点⑤レンジをうわ抜けると

そして最後にいいな!と思ったのは、チャートの状態です。

Wスコープ.041

上記は、ダブル・スコープの週足10年のチャートです。⬆

一時リチウムイオン電池の過度な期待からとてつもない大相場(2016年)を経験していますが、その後株価は長期の下降トレンドへ!

コロナショックのときには262円まで下落しましたが、その後は500円〜1000円のレンジで1年以上もみ合っています。

そんな中で、財務に懸念はあるものの

市場の成長とともに黒字への転換が実現され、持続性が確認できれば、
1000円のレンジ上限をうわ抜けてきても不思議ではないと感じました!

うわ抜けたとして、次に意識されるレンジとしては

1000円〜2000円のレンジ

今の予想通りの結果が出てくれば、株価の上昇が期待できそうだなとは感じています。


ダブル・スコープの買い時はどこだ?

最後にチャートを見て、私だったらここで買ってみたいというところをご紹介したいと思います!

その前にもう一度、リスク含めて今回の分析の要点をまとめておく

・業績の成長+黒字転換が予想されている
・ただし業績の安定性に不安あり
・財務懸念と増資による希薄化懸念もあり
・市場は、長期の急成長が続く市場
・主要顧客が業界2位と4位
・ただ韓国依存が強い
・前回決算が赤字計上(一時要因?)
・レンジを抜けてもおかしくはない?

といった内容です!

テーマ的に買いたいと思ってはいるものの、

ガンガン行こうぜ!!!

って感じじゃないです!

分割して購入したり、金額を抑えたりなどリスク管理を意識して購入を検討しています。

投資はあくまでも自己責任になるので、そのあたりはよろしくおねがいします。

Wスコープ.042

週足の一目均衡表で見てみると、⬆

三役好転を達成したばかりです!
そして2週間後には雲のねじれが発生します。

一目均衡表における雲のねじれは、

・トレンドの転換 or 加速

の可能性があり、ほぼ次回3Q決算(11/11予定)と重なります。

やはり次回決算はかなりキーになりそうですが、
2Qの状態から見るに大きく買うことは避けたいです。

・買いたいポイントは

決算前に850円〜900円の間で打診買い
決算を見て、上昇したとして1000円までであれば追加購入検討
(焦らず押し目買いが理想)

決算次第ではギャップダウンもあり得るとは思いますので、
雲割れ(800円前後)は一旦の損切り。


その場合再度決算をしっかりと見極めて、

メインストーリー(業績成長、市場成長)変わらず、
一時的な業績悪化による急落があれば、
前回安値(7/9)の568円〜600円の間で仕込み直し

ここまで下がらなければ一旦戦略を考え直す!

このようなストーリーを考えました!


決算まで少し時間があるので、じっくりと吟味して戦略を熟成させていきます(笑)


まとめ:ダブル・スコープを分析してみて

ということでここまでダブル・スコープを分析してみましたがいかがでしたでしょうか?

期待のテーマ「リチウムイオン電池」の銘柄でしたので、
新たな知識や発見が多かったです。

やっぱりリチウムイオン電池や次世代自動車については、長期的に有望なテーマですよね!他にもしっかり関連銘柄追っていきたいと思います!


また財務について懸念のある銘柄でしたので、
久々に資金繰りについても真剣に考えるいい機会になりました!

今回の財務のリスクが気になる方は、ぜひ棚卸額変動の財務への影響についても調べてみてくださいね!

参考サイト⬇


今週はこのあたりにしたいと思います。

来週もよろしくおねがいします\(^o^)/

森口


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