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盛岡の「モンタン」は、新宿の「どん底」を真似た店から始まった


 その日、昨日からランチは桜山の「モンタン」で、「ア・ラ・モンタン」と決めていた。

モンタンの「ア・ラ・モンタン」のL

 コクのあるスープはピリ辛で、やみつきになる味。ふりかけられた、たっぷりのチーズ。
 太めの麺のスパゲッティ。


 今や盛岡のソウルフードの一つと言われる。ベーコンがアクセントになりまた美味しい。あと一杯、そして一杯と止まらないスプーン。 
 今日は、ことさら美味しい!Lサイズなのに、あっという間に無くなり、まだ名残り惜しい。

いい雰囲気の螺旋階段

 会計しながらオーナーの小川さんに、昨日、花巻市で「CAFÉモンタン展」に行って来たと話すとニコニコして「どうでした」
「ワクワクしてきました!今日はア・ラ・モンタンと決めてました。」

 昨日、花巻市の東和町の萬鉄五郎記念美術館に行って来た。開催中の1960年代の盛岡を舞台にした「CAFÉモンタン展」。

 花巻出身の小瀬川了平氏は、東大を中退し、新宿の「どん底」を真似た酒場を盛岡に開いた。場所は、大通り。
 地元や東京で活躍していたアーティストの展覧会などが開催され、「どん底」には多くの芸術家などが集った。
 昭和30年代の半ばに「CAFÉモンタン」もオープン。

<※館内、展示等の撮影許可とブログ掲載について了解済みです。>

 撮影と掲載の承諾をいただいた。しかし、数々の作品を見て回ってもカメラを持つ手が動かない。写真より、ここで観てもらう方がいいと思った。

イラストは、モンタンの看板ロゴなども手掛けた「鈴木英一郎氏」

 小瀬川氏は、味覚にも優れ、こだわりの珈琲やソフトクリームを、
そして昭和44年にはスープスパゲッティを考案。
 当時、勤めていた今のモンタンの小川さんが完成させ「ア・ラ・モンタン」が始まった。
 展示には、その足跡とゆかりのアーティストの作品が並ぶ。



 昭和の後半、何度かモンタンに行った。洒落た白い椅子のカフェレストランのような記憶が残っている。

 ゆっくり巡り、ロビーに戻る頃、身体の中にシャンソンが流れていた。
 午後になって花巻辺りは突然の雪。しかし、美術館に着く頃には青空が顔を出した。
 「CAFÉモンタン展」を見て弾む心の盛岡への帰り道。
 今のオーナー小川さんが、受け継いだ「モンタン」。
 桜山という場所にあるのも、「いいのです!」 
 そして決めた、「明日は、ア・ラ・モンタンを食べに行こう!」


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