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盛岡市の老舗洋食屋「むら八」の深いコクあり、デミグラスソースのハヤシライス

 もう十数年前になる。
 霞が関に通っては、仕事が終わると日比谷公園の松本楼でランチ。
テラス席で、雀の鳴き声を聞きながら「オムレツライスハヤシソース」。
 盛岡では、よく茶廊「車門」で、「ハヤシビーフライス」。ふわっとした卵がご飯にのる。ソースを絡めて「美味しい~!」。蔵を活かした落ち着いた雰囲気の店に今も通う。

 <写真は2020年11月撮影>

茶廊「車門」の「ハヤシビーフライス」

 食べながら、あの忙しい頃が浮かんでくる。
盛岡から朝1番の新幹線。多い時は週に2度3度。
平日の早朝はネクタイ族が目立つ。
珈琲を飲みながら資料を片手に打合せ。東京駅からタクシーに乗り込むと皆の顔も引き締まる。
 いつも一緒に行った人は、数年前に逝ってしまった。スプーン一杯ごと、思い出が湧いてくる。 

茶廊「車門」の「ハヤシビーフライス」

 2年ほど前、敲太楼(こたろう)山荘で、美味しいハッシュドビーフと出逢った。

<2021年12月撮影>

敲太楼(こたろう)山荘のハッシュドビーフ

 その時、ハッシュドビーフとハヤシライスの違いを思った。どちらも肉、玉ねぎなどの野菜を煮込んで作るデミグラスソース。調べても明確な違いがない。しいて言えば、ハヤシライスにはトマトソースなども加えたり。親しみやすい味という事らしい。 
 その日、どうしてもハヤシライスが食べたくなり、トンカツで有名な昭和12年創業、老舗の洋食屋「むら八」へ。
 前に料理長さんに話を聞いた。季節やその日の天候など熟考して味を作るそうだ。伝統の味を基本に日々、美味しいものを目指す。鋭い眼差しで、食材選びや炒めたり煮込んだりと調理する姿が浮かんだ。
 何代も続く老舗は、美味しさを進化させているのだと思った。そうして時代の波を越え、お客さんに愛される。 

老舗の洋食屋「むら八」のハヤシライス

 ソースをご飯にかける。白米を艶々の黄金色が包む。コクがあり、まろやかなデミグラスを味わう喜び。目が細くなる。 

老舗の洋食屋「むら八」のハヤシライス

  ところで、「コク」の二文字。甘み、旨味、苦味、塩加減と酸味などに香り、それに食感。濃厚で、深い味わいなどと言われる。人に寄って「コク」の好みもあるだろう。
 だから自分としては「美味しい!」で、ほぼ完結!(笑) 

老舗の洋食屋「むら八」のハヤシライス

 おかわり自由のご飯、味噌汁にキャベツも嬉しい。
サービスも進化するのだろう。

おかわり自由のキャベツ

 ふと思い出した玉ねぎ。この間、三戸町で買ってきた。乾燥も機械に頼らないこだわりの甘い玉ねぎ。これでカレーやハヤシを作ってみようかな? 

乾燥も機械に頼らないこだわりの甘い玉ねぎ

 美味しくできるかは自信がない。(笑)
色々な事を思わせてくれるデミグラスソース。
いつか自分も深いコクを伝えられる文章が書けたらいい・・・

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