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暴食との闘い

近年、スキー、スノーボードの性能が発達した事、海外渡航客からの要望から非圧雪を滑る「パウダー滑走」が人気を集めている。
また自然を身近に体感できる事から、バックカントリーと言われる。スキー場エリア以外で、スキー、スノーボードを楽しむ人も増えている。
人口的にはリフトによって登り、スキー場の非圧雪区域を楽しむ人の方が多いと思う。

パウダー滑走には独特の浮遊感があり、癖になる。(私も好きである)
その事から愛好家からは、「パウダーを喰う」という言葉が使われる。

滑るバーンのコンディションについては、前晩に降り積もった雪の上を滑っていくので、当然、回数を重ねていくとパウダーは踏み固められ、バーンはボコボコに変化していく。
やがてはモーグルに使用されるコブコブの斜面になっていくのだ。

その為に早朝からゴンドラに並び、我さきにとパウダー斜面をむさぼる事がメジャーなスキー場でよく見られる光景となった。
かく言う私も早起きして一番リフトを並んだりした。
その経験から言うとバーゲンセールに並び、我先にと買い物カゴに商品をいれる人に近い感覚があったのだと思う。

最近、様々なスキー、スノーボード愛好家を共に滑る機会に恵まれ、スキー談義をする中で「パウダー喰い」競争から抜けだす為にバックカントリースキーをしている人がいた。
ゆっくりと自然と滑走を楽しみたいのだと言う。
これを聞いた時、私がいかにパウダーの狂乱に漬かっていたかを知った。
そうだ。滑りを楽しむよりも、人よりも先に出て滑りたい気持ちがあったのだ。

キリスト教の教えの中に『七つの大罪』という言葉がある。
「傲慢、強欲、嫉妬、憤怒、色欲、暴食、怠惰」だ。

自制の効かない「パウダー喰い」は暴食だと思う。

それから私は、スキーヤー、スノーボーダーに取って
「目の前の雪がベストな雪」だと思うようにしている。
そこからはどんな雪質でも楽しめるようになった。

「暴食」を司る悪魔ベルセブブ。
しかし、太古はカナン人たちが崇拝していた最高神「バアル・ゼブル(至高の王)」であった。
自然界の水を征し、慈雨によって実りをもたらす神だったのだ。
暴食を制する事ができれば、悪魔ベルセブブも味方してくれる。
そう思いたい40代である。

あっ、ビールの呑みすぎも注意したい。


#スキーワックス #七つの大罪  #環境   #自然


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