見出し画像

音に過敏な私と音との付き合いかた

私と音との付き合い

結論から言うと、
ボルダリングで、掴みたい石の方見ない方が、手が伸びて掴みやすい、みたいな。

トイレの床掃除で、狭いところの埃を見ない方が、手が伸びて奥まで拭ける、みたいなことだと思う。


いつもの私と音。
大人数が話す場では、会話の内容が聞き取れない。大人数のディスカッションとかあるイベントでは途中から静かに微笑む置物になってる。

お母さんのみるテレビの音はうるさく聞こえるのに、自分が見てる時はちょっとした生活音で番組の内容が聞こえない。
字幕・テロップに感謝しかない。
自分の興味のある話を聞いてるのに、隣グループで別の話題がはじまると、その内容が入って来てしまう。

難聴検査ではまったく引っかからないのに、日常では聴くことが難しい。


そんな私が、ブラインドウォークを体験して掴みかけてること。

それは、聴こうとするから聴けないのではないか?という可能性


今週月曜日、12/16に田中直子さんのサウンドスケープの講義に出席しました。

癒しをはじめとする音の効果だけでなく、
実際にはない音が町の人に共有されている現象や、
レインメイカーという民族楽器の音色に耳を澄ましたり、
愉しい時間でした。

座学の後、ブラインドウォーク(サウンドウォーク)という実践を二人一組ですることに。

目隠しをつけて、相方にアシストしてもらいながら、一番遠くの音、印象的な音を探しながら15分ほど緑の多い敷地を歩く。

相方は、危険があっても危ない!とか声で伝えるのではなく、添えている手で伝えていく。
歩く人を引っ張っていくのではなく、その人が行きたいように歩ける手伝いをするイメージ。

どんな体験ができるんだろう!わくわく!
と思って歩き始めたのだが、

周りの学生のキャーキャー言う声(楽しいし、怖いよね。)
トラックの後進音声 ピーッピーッ
飛行機のエンジン音?
小学生たちの叫び声(昼食前って楽しいよね)
時々鳥の声
ホウキで掃く音
自分の靴音

あれ?なんだこれ
こんなに緑の多いところで(7000本の樹木)
川のあるところも通ったのに
私が聴いたのこれ?
水の音したっけ?

みたいな状態になりました。
もちろん、歩いてる時は足裏の感覚や皮膚の暖かさ、風にも鋭敏になったけど。
自然のステキな音!!っていうのを期待してたので驚いた。

帰りは私がアシストする番。
柵の付いてない橋や急な下り坂(その先も柵なし小橋)もあったので、安全には気を遣ったけど、

川の水の流れる音。
風が通る時の葉っぱの擦れる音。
鳥の声。
初等部のピアニカ。

景色も、なんだか鮮やかだ。
そんな感じで、スタート地点に戻ってきた。

この、音に集中するために目隠しをした時は聞きたくもない音が入って来て、
目を開けて隣の人の安全に集中していると、心地よい音が入ってくる、現象。

これはむしろ、とても天邪鬼な私らしい結果。

その後も、庭の落ち葉を掃いてると、マンホールの下の水の流れが聞こえてくることに気づいた。

ああ、そうか。
なんでメモを取りながら人の話を聴くと楽なのか。
なんで似顔絵描きながら聴くと楽なのか。

それは、聴こうと集中すればするほど、ほかのノイズも拾ってしまうから。
メモやイラストっていう、注意を逸らすものを挟むことで、ノイズを拾えない程度に集中を緩めることができるから。

これ、課題や人間関係にも通じてるかもしれないな。
100%の完成度を目指すと、手をつけられなくなる。
この人の期待に応えたいって先生の単位ほど、落とす。

わたしには、集中すべきものと、敢えて逆方向を見るための、気を散らすツールが必要なのかもしれないな、と学んだのでした。


田中直子さんのワークショップに興味がある方は、こちら。https://www.facebook.com/%E3%82%AA%E3%83%88%E3%83%85%E3%83%AC%E9%9F%B3%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB-335092420407720/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?