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島日記 温かい飲み物が欲しくなった朝

お彼岸の中日、秋分の日。
お墓参りにも行けない遠い土地に住んでいれば、行事も何もない。
諸々を捨て見知らぬ島にやってきたから当然のこと。
もうしばらくしたら、父の前に座らされるだろうな。

日の出が遅くなってきた。
今朝はコーヒーが飲みたくなくて、鉄瓶を久々取り出した。
しばらく沸騰させ、少し鉄の色がついた白湯を飲む。

鳥の声も虫の声もしない静かな朝である。
鳥たちも先祖を偲んでいるのだろうかと思ってしまうような。

何もしたくない、動きたくない朝である。
早く一日が過ぎ熱燗で一杯やりたくなるような。

中秋の名月はまだだが、井伏鱒二の逸題を載せる。

今宵は中秋名月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあわせ
よしの屋で独り酒をのむ

春さん蛸のぶつ切りをくれえ
それも塩でくれえ
酒はあついのがよい
それから枝豆を一皿

ああ蛸のぶつ切りはへそみたいだ
われら先ず腰かけに坐りなほし
静かに酒をつぐ
枝豆から湯気がたつ

今宵は中秋名月
初恋を偲ぶ夜
われら万障くりあわせ
よしの屋で独り酒をのむ   (新橋よしの屋にて)


井伏鱒二全詩集はなんとなくもの寂しくなった時に開く詩集。
漢詩の書き下ろし詩もある、お酒が飲みたくなる詩集。
厄除け詩集だから憂いをはらってくれる詩集。

夕焼けの後に上弦のおぼろ月
朝焼けオレンジから
ピンクへ
ツルムラサキの花
赤ジソの花
青ジソの花
アメジストセージ


キンカン
極楽鳥花
今日のお昼
野菜は高いのにキノコ類は変わらないのでうれしい


今日もお付き合いくださってありがとうございます。

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