島日記 木の芽流し
ハゴロモジャスミンの季節が来た。
金木犀のように、匂いが漂ってくるので探してしまう。
廃小屋を隠してしまうほど、生命力の強い蔓植物。
取り憑かれてもいいような妖しい香りをまき散らす。
雨の多い島だが、春を感じる今の雨のことを「木の芽流し」と呼ぶ。
生まれいずる植物を潤わせ、田んぼに水を張らせる恵みの雨だ。
今年は例年より雨が少なく、庭も乾いていたが、やっと降り出した。
普通「菜種梅雨」というが、樹木の多い島ならではの言葉である。
雨の表現も、バケツをひっくり返したようなとか、横から降る、下から降るなど激しく降るようすが多い。
人間にとって長雨は気の滅(木の芽)いることだが、梅雨ほど湿気がなく過ごしやすいので嫌いではない。
今の季節に島ラッキョウとフリージアをくれる友人がいる。
同じ頃に島に来て、同じ仕事を続けている子どもと同じ年頃の若い友人だ。
今年は白いフリージア。
いつもありがとう。
新玉ねぎは無人市で。
白い色のみずみずしい輝きに見とれてしまう。
ラッキョウは甘酢漬けが多いが私は塩漬けか醤油漬けにする。
梅酢に漬けてピンクのラッキョウもよい。
さて今日も恵みの雨に感謝して、原付カブにまたがり、雨粒を飛ばして仕事に行こう。
スリップしないように慎重に。
今日もお付き合いくださってありがとうございます。
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