らくがきノート表紙

「青い夜」

青い夜がやってきて
きがつけば飲み込まれてた。

青い夜のおなかの中は
たくさんの星がまたたいて
色とりどりの魚が泳いでいる。

すわりごこちのいい星にこしかけて
しばらくそれを眺めていた。

青い夜は何も語らず
いつもいつも
そうやって
こころをくすぐるんだ。

だから
どうしようもなくなって
落とした小さな涙を
100均で買ったビンに入れて
おなかの中から出ていくんだ。

その時いつも
扉があるよね。
青い夜の真ん中にある赤い扉。
ぼくが出ていこうとすると
あらわれる赤い扉。

だから
ぼくはそこから
青い夜のおなかから
赤い扉をあけて
飛び出していく。

手にもったビンには
どれだけの涙がたまってる?
部屋の電球に透かしてみても
それはただ空っぽのビン。

明日もやってくるかな青い夜。
楽しみにしているような
そうでもないような。

そのとき空っぽのビンが
コロンと鳴いた。







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