地図読み登山の魅力
スマホの登山用のGPSアプリが普及し、道迷いのリスクも大幅に軽減され、今や地図読みなんてできなくたって安全に登山を楽しめる時代となりました
もはや登山をするなら、アプリ(以降便宜上アプリと表記させていただきます)はスマホに入っていて当たり前となり
私morinocotoも現在は、コンパスというアプリを使用しています
では、なぜ今さら地図読みなのでしょう
【登山アプリならではのデメリット】
もはや現代登山にとって必要不可欠なツールと言っても過言ではない登山用アプリ
そんな登山用アプリを活用する際にももちろんデメリットはあります
電子機器であるということ
これはもういうまでもないかもしれませんが、電子機器ということは、バッテリーが無くなれば全く使えなくなります
当然、故障することもあったり、場合によってはアプリやGPS不具合により、正確な測位ができなくなる場合もある
実際GPSの不具合は時々あるようで、僕自身初めて歩くバリエーションルートで、GPSが機能しなくなった経験があり、この時は同行者も同じ症状が発生し、複数のアプリで試してみましたが、結果はダメでした
登山スキルが身につきにくい
アプリというのは非常に便利なツールだと思います
最近では、コースタイムやペースの自動計算、道外れ警告、アプリによって様々な便利機能が搭載されています
しかしその分、自身で考え判断するスキルが身につきにくいというデメリットがあります
特にアプリが普及してからは、登山歴数年という方でも、地形図を見ても尾根と谷の区別がつかないという方が随分増えた様に思います
アプリがあれば大丈夫=アプリがないと山に行けない
にならない様に、最低限の地図読みスキルは身につけておきたい所です
冒頭でも述べましたが、僕自身も登山用アプリは使用しています
アプリの最大のメリットは、余分な作業を短縮化できるタイムパフォーマンスだと思います
その辺をうまく活用しつつ、アプリと地図の両方をうまくつかい分けていくことが、これからの登山のスタイルのひとつとなっていくのではないでしょうか
【地図読み登山の魅力について】
前置きが随分長くなってしまいましたが、ここから地図読みの魅力とデメリットも一緒に解説させていただこうと思います
事前の準備から楽しめる
山に行く際、事前に目的の山域の地図の準備が必要となります
アプリなら通常1分少々でダウンロードできてしまいますが、紙の地図を用意する場合
印刷(またはコピー) → 磁北線やルート、その他情報を書き込む → ビニールに入れるなどの防水加工
などの準備が必要となり、初めて登る山域に行く場合、色々調べたりすると軽く1時間はかかってしまうことも…
そうなんです
ものすごく手間なんです
しかし、その手間がとても大切なんです
特に地図にルートを書き込む時、分岐や等高線を細かく確認しながら線を引くので、ルートや分岐などが意識できる様になり、休憩場所やその日の行程がイメージできます
慣れてくると、ちょっとした仮想登山を楽しみながら地図を作成できる様になってくると思います
スマホのバッテリー節約になる
アプリで位置情報などを確認する際、多少なりともスマホのバッテリーを消費してしまいます
頻度が多ければ多いほど、その差は大きくなり、さらに写真撮影などにもスマホを使用していると、場合によっては山の中でバッテリーが切れてしまったという事態にもなりかねません
基本的には地図読みで歩き、少し迷った時や不安な時はアプリで確認する
などの使い分けをしていけば、大幅にバッテリーの節約になると思います
地図読みは冒険心をくすぐられる
地図読み登山の魅了はこれが一番なのでは?
と、実は僕自身そう思ってしまっています
登山で使用する地図は、一般的には国土地理院が
から発行されている、2万5千分の1の地形図がベースになってることがほとんどかと思います
2万5千分の1の地図って、どことなく海賊の財宝が隠された宝の地図に似ている気がしませんか?(ひょっとして僕だけかな)
地図1枚とコンパスで地形を読み、ルートを調べて山の中を歩く
もちろん財宝なんて隠されている訳ないんですが、子供の時よくやった(今でもやってますが)ロールプレイングゲームの様で少しワクワクします
実際、山座同定などがバッチリうまく行った時は、ちょっと嬉しくなってしまいます
ただし、これにはそれなりの経験と知識や技術が必要となってきます
例えば、コンパスと地形図を組み合わせて使用する山座同定などは、最初は「あれ?どうだったっけな?」と戸惑ってしまい、出発前に予習をしてきても、いざやろうとするとサッパリ分からなくなってしまう…
やり方については、ここでは詳しく説明はしませんが、山座同定についてはコツを覚えてしまえば実は案外簡単だったりします
どちらかと言えば、地形図と実際の地形との差をしっかり見極められることも地図読みでは重要であり、その為にはそれなりに経験が必要となってきます
いざという時の命綱になる
冒頭に説明させていただいた、登山アプリが電子機器であるということの項目と重複してしまう形となってしまいますが、登山アプリを使用して登山中、なにかしらのトラブルでアプリが使用できなくなってしまった場合、紙地図は非常に重要な装備のひとつとなってきます
山の中でなにも情報がない状態で、急にポツンと取り残された状態を想像してみて下さい
かなり心細いというか、場合によっては道迷い遭難に陥ってしまう可能性も十分にありえます
周りの他の登山者に道が聞けたり、ちょうど良く道案内の道標があれば、なんとかなるかもしれませんが、自然環境の中ではなかなかそんなタイミングの良い状態になるとは限りません
そんな時、地図とコンパスがあればとりあえずの方向性を見だすこともできるかと思います
いつか「地図読みやってて良かったー!!」と思える日が来るかもしれません
その為にも、普段から地図とコンパスの扱い方に慣れておきましょう
【まとめ】
近年では登山の世界もデジタル技術が普及してきて、便利で安全になってきました
しかしそんな時代だからこそ、地図読みの様なアナログな技術が貴重な存在となり、なによりかっこいいと思います
なかなかとっつきにくい地図読み登山ですが、登山用アプリとうまく使い分け、すこしづつ慣れていけば、いつの間にか普通に地図だけで山に登れる日がやってくると思います
しかしどうしても独学で勉強するには、不安だし難しそうという方もみえると思います
morinocotoでは、そんな方の為に地図読み講習登山を行っています
もし、この記事を読んで興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください
詳細は下記リンクの、自然ガイドオフィスmorinocotoのホームぺージらご確認できます