ライラックをあなたに
開け放たれた窓から風にのって
ライラックの花の香りが
どこからか運ばれてくる
どこで咲いているのかも分からないのに
香りがその花の存在を感じさせる
私の住む国に梅雨はなく
6月といえば短い夏のはじまりで
ライラックが咲きほこる季節だ
ライラックは強い芳香を放ち
その花の匂いは
この国の言葉では”魔酔”という表現をする
”魔酔”とは熱中して酔う
陶酔させるという意味がある
春馬くんが演じた
「ラストシンデレラ」の広斗は
匂い立つような色気のある男性だった
広斗を一目見た時から
私はその美しさに幻惑されたんだ
春馬くんへの”魔酔”
それは今も続いている
人の五感の中で
最後まで記憶に残るのは匂いだという
ライラックの薫る季節が訪れるたびに
貴方のいたあの夏が
近づく気配を感じるのだろうか
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