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建設業の29業種と必要な資格を解説~ Vol3~

こんにちは。東京都八王子市にある行政書士MSオフィス代表の森本さやかです。

前回までは、建設業許可の全29業種のうち一式工事・専門工事合わせて19業種説明しました。

一式工事:2/2種業種(下記 Vol1参照)
専門工事:17/27業種(下記 Vol1:1~8、Vol2:9~17参照)

今回は建設業29業種の最終章です。

専門工事

◆2−18.機械器具設置工事業◆


機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取り付ける工事
※組立て等を要する機械器具の設置工事のみ。
※他工事業種と重複する種類のものは、原則として、その専門工事に分類される 。

例えば、
プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事(ガスタービンなど)、集塵機器設置工事、トンネル・地下道等の給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・技術士:機械部門、総合技術監理部門「機械」

〈一般建設業〉
特定建設業の資格と同様になります。

◆2−19.熱絶縁工事業◆

工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事

熱絶縁とは?
導体の間に絶縁体を入れて、熱の伝導を絶つことです。

例えば、冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級建築施工管理技士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級建築施工管理技士 種別:仕上げ
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):熱絶縁施工

◆2−20.電気通信工事業◆

有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事

例えば、電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防除設備工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級電気通信工事施工管理技士
・技術士:電気電子部門、総合技術監理部門「電気電子」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級電気通信工事施工管理技士
・電気通信主任技術者(資格者証交付後実務経験5年以上必要)

◆2−21.造園工事業◆

整地、樹木の植栽、景石の据付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事

例えば、植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事 、緑地育成工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級造園施工管理技士
・技術士:建設部門、総合技術監理部門「建設」
・技術士:森林部門「林業・林産」、「森林土木」、総合技術監理部門「森林(林業・林産)」、「森林(森林土木)」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級造園施工管理技士
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):造園

◆2−22.さく井工事業◆

さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事

さく井とは?
井戸を掘ることです。

例えば、さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・技術士:上下水道部門「上水道及び工業用水路」、総合技術監理部門「上下水道(上水道及び工業用水路)」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・地すべり防止工事(登録後工事に関し実務経験1年以上)
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):さく井

◆2−23.建具工事業◆

工作物に木製又は金属製の建具等を取り付ける工事

建具とは?
戸・障子・ふすまなど、建物と外部や建物の内部を仕切るためにもうけた開閉できる材料のことです。

例えば、金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級建築施工管理技士

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・2級建築士施工管理技士 種別:仕上げ
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):建具制作・建具工・木工「選択科目(建具制作作業)」・カーテンウォール施工・サッシ施工

◆2−24.水道施設工事業◆


上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事

例えば、取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級土木施工管理技士
・技術士:上下水道部門、総合技術監理部門「上下水道」
・技術士:衛生工学部門「水質管理」、「廃棄物・資源循環」又は「汚物処理」、総合技術監理部門「衛生工学(水質管理)、(廃棄物・資源循環)」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級土木施工管理技士 種別:土木


◆2−25.消防施設工事業◆


火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取り付ける工事

例えば、屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の
設置工事です。

専任技術者となる為の資格は?

※消防施設工事は他の業種と違い、無資格者の実務経験は認められません。必ず下記の資格で証明することになります。



〈特定建設業〉
特定建設業の資格は定められていない為、下記の要件で証明することになります。

一般建設業の専任技術者の要件を満たし、かつ、元請として4,500万円以上(税込み)の工事に関し2年以上の指導監督的な実務経験を有する者

指導監督的実務経験とは?
建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験です。

資格で一般建設業の専任技術者の要件を満たし、かつ指導監督的実務経験で証明することになります。
・甲種消防設備士+指導監督的実務経験2年以上
・乙種消防設備士+指導監督的実務経験2年以上

〈一般建設業〉
・甲種消防設備士
・乙種消防設備士

◆2−26.清掃施設工事業◆

し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事

し尿処理施設とは?
屎尿および浄化槽汚泥等を処理し、公共用水域へ放流するための施設のこと

例えば、ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事です。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・技術士:衛生工学部門「廃棄物・資源循環」又は「汚物処理」、総合技術監理部門「衛生工学(廃棄物・資源循環)」

〈一般建設業〉
特定建設業の資格と同様になります。

◆2−27.解体工事業◆

工作物の解体を行う工事
※それぞれの専門工事で建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。
※総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ土木一式工事や建築一式工事に該当する。

専任技術者となる為の資格は?
〈特定建設業〉

・一級土木施工管理技士(H27年度までの合格者は解体工事の実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要)
・一級建築施工管理技士(H27年度までの合格者は解体工事の実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要)
・技術士(合格年度に関わらず解体工事実務経験1年以上の証明又は登録解体工事講習の受講が必要):建設部門、総合技術監理部門「建設」

〈一般建設業〉
上記特定建設業の資格で一般建設業を受けることも可能です。
・二級土木施工管理技士 種別:土木(H27年度までの合格者は解体工事の実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要)
・二級建築施工管理技士 種別:建築、躯体(H27年度までの合格者は解体工事の実務経験1年以上又は登録解体工事講習の受講が必要)
・解体工事施工技士
・技能検定(2級は合格後3年以上の実務経験が必要):とび・とび工


以上になります。

上記の内容にかかわらず、建設業許可新規、更新、変更、決算変更届等でお困りの方は行政書士MSオフィスまでご連絡ください。

また、他士業様で行政書士をお探しの方がいらっしゃいましたら、是非当オフィスへご連絡いただけると幸いです。親身に対応させていただきます。

行政書士MSオフィス
森本さやか

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