『チェイスチェイスジョーカーズ』レビュー。ゲームセンターで遊べる鬼ごっこ! 3対3でヒトとオニが交互に入れ替わる、ラウンド制の追跡劇!



2022年12月21日より全国のゲームセンターで稼働中の『チェイスチェイスジョーカーズ』。コナミアミューズメントの手掛ける本作は、3対3のチーム戦で行う鬼ごっこをモチーフにしたアクションゲーム。スリリングで本格的な追跡劇と、可愛らしいキャラクターのイラストが魅力だ。

カジュアルな見た目での追って追われてのチェイス(追跡戦)は、1プレイ100円の手軽さながらもガッツリ遊べ満足感のあるプレイが楽しめた。本記事では、そんな『チェイスチェイスジョーカーズ』のプレイレビューをお届けする。

オニに3回捕まったら交代! 攻守を入れ替えながらデグチを目指して逃げ抜けろ!

子どもの頃に、誰もが一度はやったことがあるであろう鬼ごっこ。この『チェイスチェイスジョーカーズ』はそんな鬼ごっこを題材としたアーケードゲームだ。
ルールは至ってシンプル。”ヒト”と”オニ”の2チームに別れ、逃げ役のヒトがマップ中央の”デグチ”から脱出すると勝利となる。一方、オニ側はヒトを3回攻撃して”ヒトダマ”を奪い、ヒトとオニの交代を目指していく。ゲームに勝利するにはデグチからの脱出が必要となるため、オニ側はなんとしてもヒトと交代を目指していく。


左手側のスティックで移動、右手で各種アクションボタンとトラックボールによるカメラ移動を行う。スティックの裏にはトリガーがあり、押すことでダッシュができる。
ヒトの姿とオニの姿。オニのターンでは、画像の様に武器を振り回して攻撃することで敵の”タマシイ”を奪い、攻守交代を目指す。

一見すると「ヒトはただオニから逃げてデグチを目指せばいい」と思われるかもしれないが、当然そう簡単に脱出はさせてくれない。ゲーム開始序盤ではデグチは閉じられおり、触れたところで脱出することは出来ないためだ。デグチを解放するには、まずマップに散らばる”キー”を入手し、それを”キーパワーハツデンキ(以下、KPH)”へと集める必要がある。

KPHに”キーパワー”が集まり、チーム全体の”ジュウデン”が100%になることで初めてデグチが開かれる。もちろんオニは、それを見越してキーやKPH周辺でヒトを待ち受けている。これをうまく掻い潜り、素早くジュウデンを100%にしていくのが本作のポイントだ。

キーの位置はマップによって固定されている。キャラクターのキーゲージが溜まっていく。
奥の光が差しているポイントがKPH。ジュウデン中は移動が出来ない無防備な時間となるため、マップで敵チームの位置をしっかり確認し、オニの居ぬ間にジュウデンをしていく。

このジュウデンがゲームのキモで、一度のラウンドで100%になることはほとんど無く、敵チームと攻守を交代しながら少しずつジュウデンを進めなければならない。じわじわと進んでいくジュウデンに目を向けてゲーム全体の動きを俯瞰しつつ、目の前の相手との一対一にも集中するというバランスが、”試合としての鬼ごっこ”を成立させているように感じた。

そしてこの『チェイスチェイスジョーカーズ』で最もアツくなるのは、デグチ解放後のオニとヒトとの頭脳戦だ。デグチが解放された後、解放前とはまた別の戦いが発生する。それはマップ中央のデグチに少しも触れさせまいとするオニが、デグチ周辺に陣取るためだ。

マップ中央にあるデグチ。現在遊べる『ウラシブヤ』『ウラオオサカ』『ウラオオサカ2』のいずれのステージでも、360°全方位からデグチへ向かうことができる。

こうなると、それまで追う追われるの関係だったヒトとオニの立場が完全に逆転する。デグチを必死に守るオニに対し、何とかデグチに入りたいヒト側による揺さぶりで、ゲームの緊張感は一気に高まる。
そんな頭脳戦を制した際の喜びはかなり気持ちよく、リザルト画面で喜んでいるキャラクター以上にテンションが上がることは間違いないだろう。

アイテムとスキルを駆使した頭脳のチェイス。ラウンド制の鬼ごっこで、より高まる競技性

オニから逃げ回る上で重要なのがマップに配置されたアイテムと障害物だ。本作ではヒト・オニのいずれも使える操作として、ダッシュ、ジャンプ、スライディングが存在する。ジャンプやスライディングでマップを駆使して低い柵や障害物の隙間を駆け抜ける追跡劇は、ヒトとオニのプレイヤースキルが発揮されるギリギリの戦いが楽しめた。

ヒトの逃げたルートにピッタリと合わせながら相手に追いつけるかに、オニ側のプレイングが試される。

また、通路の途中に配置されている”シャッター”はヒトのみが使用できる障害物だ。シャッターの周囲でアクションボタンを押すとシャッターが閉じ、前後にいるオニは数秒スタンをしてしまう。ヒトのオニに対する唯一の攻撃手段となるため逃げる際には積極的に使っていきたいが、タイミングを誤ると自分も通過できなくなり袋小路になる諸刃の剣でもある。特に追われている中では気持ちが焦ってしまいがちなので、心に余裕を持って使いたいところだ。

シャッターがうまく決まると、音やエフェクトも相まってかなり気持ちがいい。この周囲ではオニとの駆け引きも多く、重要な障害物となっている。

アイテムはマップ上にあちこち出現する。こちらもヒトのみが使用でき、”アイテムカプセル”を拾うとランダムでアイテムを1つ獲得可能。ダッシュ時に消費する”ダッシュゲージ”の回復や一定時間のダッシュスピード増加、ジャンプ高度の上昇など、逃げる際には非常にありがたいものばかりだ。アイテムカプセルは様々な場所に置かれているため、常にひとつは確保しておきたいところだ。

アイテムカプセルはそこそこの量が配置されている。密集している箇所もあり、そこを待ち伏せするオニ側の戦法もありそうだ。
拾ったアイテムは、キャラクターが右手の右手から確認できる。画像は1枚目が”ハイジャンプフェザー”、2枚目が”スピードアップシューズ”だ。

一方でオニ側には、キャラクター固有のメインスキルが用意されている。範囲攻撃のスタンや行動阻害など、どのスキルもヒトの使えるアイテムやギミックと比べるとかなり強力なものばかり。ちょこまかと逃げ回るヒトに対して「あと一歩!」というところで使用することで確実に捕らえることができる優れものだ。

キャラクターにもよるが、いずれもかなり広い範囲で強力なものばかり。発動間隔はオニのターンが来るごとに一回打てるかどうかといったところ。

メインスキルの使用には、時間経過で溜まるスキルゲージを消費する必要はあるが、そのデメリットを引き換えにしても基本的にはヒトよりもオニのほうが優位に立っている。そのため1ラウンドの試合時間は大体1~2分ほどで、攻守の交代はかなり早いと感じた。

交代の際にはキャラクターのカットインとボイスが入る。ここでしか見られない泣き顔に、心の奥の何かがくすぐられる。

本作は普通の鬼ごっこのように「捕まったら終わり」ではなく、全員がスタート位置から再び始めるラウンド制のため、次へ次へと気軽に挑めるテンポ感がかなり楽しい。オニとの1対1の勝負に負けてチームが交代に追い込まれた際も、「次の戦略を試してみよう!」とすぐに切り替えやすさは、5分ほどのゲーム時間でもオニとのチェイスに何度も挑めて試合にアツくなれる面白さがあった。

そんなカロリーの高さから、2,3戦すると「やりきった……」という感覚になるが、その分の満足感や達成感も非常に高いゲームとなっていた。

ヒト・オニ両方の姿を持ち、明るくも少し闇を感じる魅力的なキャラクターたち

そんな『チェイスチェイスジョーカーズ』だが、KONAMIによる他のアーケードゲームと同様、ガッツリ遊べるゲーム性に加えて多数の可愛らしいキャラクターが登場する。各キャラクターには普通の状態であるヒトと、性格が変化し禍々しい姿となったオニ状態の2パターンが用意されている。

ここではゲームを始めてすぐの状態から使用できる、4人のキャラクターを紹介しよう。

赤鬼カギコ(アカギ カギコ)  声:金本 寿子(かねもと ひさこ)

走る事に青春を燃やす女子高生・赤鬼カギコ。陸上で世界一になるという彼女の夢はある事故によって砕け散る。絶望の淵にあるカギコの心の歪みを奴は見逃さなかった。

本作の主人公ポジションである”赤鬼カギコ”。「鬼ごっこで負けたことがない」と豪語するほどの鬼ごっこ好きで、公式Twitterに投稿された漫画で「カギコ走りたすぎ問題」とまで言われてしまうほど。走ることへの異常なまでの執着は、ある意味で本作のメインキャラクターらしい性格だ。

オニ状態でのメインスキルは”羅生岩”。発動すると前方へ向けて岩の攻撃が地面を伝っていくスキルだ。射程は長いが範囲が短く敵の動きを読んで撃つ必要はあるが、障害物をすり抜けるため壁越しからの攻撃が効果的だ。

悪亜チノン(アクア チノン)  声:大空 直美(おおぞら なおみ)

吸血鬼一族の末裔であるお嬢様・悪亜チノン。自身の呪われた血を忌み嫌い生きてきた彼女にとって、勝てば人間に成れるという奴の誘いは正に甘い誘惑だった。

真面目な性格から公式マンガではツッコミ役に回りがちな彼女だが、他キャラクターと同様オニ状態になると性格が一変する。お嬢様口調で過激な言葉を口走るその姿は、ヒトの状態の淑やかな彼女からは想像できない、ギャップの激しいキャラクターとなっている。

オニ状態でのメインスキルは”Ailes Maudites”。フランス語で「呪われた翼」を意味するこのスキルは、発動すると的に向かって一直線に突進をするスキルだ。相手との距離を一気に詰められる反面、方向転換に若干難があるため、障害物のない一直線の通路で使いたいスキルだ。

不死ミヨミ(フシ ミヨミ)   声:山本 希望(やまもと のぞみ)

中央国から雑技団の特待生としてやってきた少女・不死ミヨミ。自分を育ててくれた祖母が亡くなった時、彼女は自分を呪う。祖母が生き返るなら何でもする…そんな魂を奴に魅入られる。

大人しめな性格で公式マンガでも常に汗が出ているような彼女だが、カンフー部所属で雑技団の出身という意外な経歴の持ち主。公開されたデザイン画でも足技が得意と紹介されており、オニ状態の立ち絵で見事なI字バランスを披露している。

オニ状態でのメインスキルは”勅令”。スキルを発動すると敵プレイヤーの足元に大きな印が出現し、一定時間後に印上にいるプレイヤーをピョンピョンと飛び跳ねるキョンシーにしてしまう。この状態でも逃げることは出来るが行動がかなり制限されるため、スキルが発動されたら印の外へと素早く逃れよう。

首塚ボタン(クビヅカ ボタン) 声:木野 日菜(きの ひな)

名家首塚家。その白の巫女であるボタンは常に悩んでいた。狂気に侵された姉を救うにはあまりに自分の力は弱すぎる。最愛の姉を狂わせた怪異を倒すには同等の怪異と契約しなければ……。
狂気に侵された姉を救うため、自らも怪異と契約した首塚ボタン。彼女が契約したのは最凶の妖怪「花子さん」。オニ状態になるとボタンは花子さんと入れ替わることとなる。白巫女と紹介されているがその反面自らの腕っぷしに自信があるようで、公式マンガでは修行と称して他のキャラクターと突きの練習をしていたり、キャラクター紹介の3Dでも拳を前に突き出しているなど、独特の性格をしている。

オニ状態でのメインスキルは”呪霊ノ展”。キャラクターを中心に数秒間、円形の範囲攻撃を展開する。この攻撃範囲にふれると敵を捕まえることができ、また障害物の裏側でも攻撃が届くため、壁越しでも相手を捕まえることが可能だ。

この他にも、ゲーム内のガチャやイベントでキャラクターの欠片を10個入手することで手に入れられる。中には『ボンバーガール』の人気キャラクター”パイン”や『SOUND VOLTEX』の”紅刃”といった、KONAMIの他アーケードタイトルとのコラボや、あのホラー映画『リング』から”貞子”が参戦するなど、多数のキャラクターが登場する。なお、紅刃と貞子については期間限定キャラクターのため、現在は入手が不可能となっている。入手したい場合はガチャやイベントでの復刻を待とう。

ボンバーガールでお馴染みのパイン。地面に落としたアイスを無かったことにするためにタイムマシンを作った結果、この世界に迷い込んでしまったようだ。

また本作では、前述の『ボンバーガール』や『麻雀ファイトガール』などKONAMIと同様、各キャラクターのビジュアルを変更できるカスタマイズも用意されている。キャラクターを着せ替えられる衣装やアクセサリーは、期間限定イベントでの交換やガチャ等で入手可能だ。

ショップではオリジナルのドレスアップアイテムや、アビリティなどが手に入る。交換に必要なギアは、期間限定のログインボーナスやイベントなどで手に入れられる。

本作のガチャは1回100円。1プレイに一回おまけガチャがついてくる『ボンバーガール』とは違い、こちらはプレイ用のクレジットに追加で100円が必要だ。その代わり500円を投入することで5連ガチャが引け、その場合はキャラクターの欠片か、ガチャで入手できるスキルやアビリティのおまけがランダムでついてくる。

ガチャからは、期間限定のキャラクターのかけらも出現する。かけらはイベントでも入手できるが、キャラクターの入手にはかけらを10個集める必要があるため、ガチャでそのステップを早められるというわけだ。

他のプレイヤーとはマッチング待ち中にエモートやチャットでコミュニケーションが取れるが、そこで気合の入った着せかえを見ると、そのプレイヤーのキャラクターに対する愛情を感じられるものだ。気になるアイテムがラインナップされていたら。欠かさず入手しておこう。

『チェイスチェイスジョーカーズ』は2022年12月21日より全国のアーケードゲームで稼働中だ。追って追われての手に汗握る緊張感と、やりごたえのあるハイテンポな鬼ごっこを是非ゲームセンターで楽しんでほしい。

(C)2023 Konami Amusement

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