牛丼、エモい

モテキという映画で、麻生久美子が牛丼を食べるシーンがある。
もう随分前に観たのでうろ覚えなのだけど、確か作中の主人公にフラれて、大泣きして、吹っ切れた翌朝みたいなシチュエーションだったはず。
本当にただ麻生久美子が牛丼を食べているところを映していた数秒のシーンが、とても好きだった。とにかく美味しそうに食べる。そして朝日を浴びながら、周りの目も気にせず食べている姿に幸福感が伝わってくる。
牛丼を食べる時はいつも思い出す。
わたしにとって牛丼はそういう、幸福感のある食べ物だ。

でも実際に1人で食べる時は、周りが男性ばかりだから肩身の狭さと言うか、何となく気不味い感じになってしまう。自意識過剰だけど。

昨夜、恋人と夜中に牛丼を食べに行った。遅い時間だったけど、私たちの後にも仕事帰りのようなお客さんがぽつぽつと入ってくる。
牛丼の並ふたつ。ひとつは半熟卵、わたしは生卵。
カウンター席に並んで食べていた時に、麻生久美子を思い出していた。

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