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1980年代、「就職しないで生きるには」に登場する人達が活き活きと働いていた

 学生の時は、田舎で無垢の家具を作りながら自給自足の暮らしをする事に憧れていた。北欧の家具デザイナーやアメリカ在住で世界的に活躍していたジョージナカヤマの仕事に魅かれていた。

 大学を卒業して、1年間基礎的な木工技術を職業訓練校で学んだ後、当時吉祥寺でオークビレッジの様な無垢の家具を作っていた小さな木工所に就職した。本格的な木工技術を習得する為だった。職人から木工技術を学び、給料まで貰えるのが魅力だった。

 その木工所の展示場のある建物には当時、就職しないで生きる若者たちが活躍するお店が入っていた。

 リヤカーで花を売り歩く花屋さん、着心地の良い普段着のブティック、行列の絶えないフランス料理のビストロなどが入っていた。どれも「就職しないで生きるには」という本で紹介された店だ。そんな店が入る建物のオーナーが僕が入った会社の社長だった。

 そんな店が集まった建物の周りには個性的な店が集まり、一帯は既成概念に囚われない自由な雰囲気を醸し出していた。そんな処で働くのは楽しかったし、誇りでもあった。

 

 

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