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田舎での子育てと独立

 学生結婚していた僕は妻と共に山梨に引っ越した。暫くは新築の工房の事務所が僕たちの住まいになった。

 直ぐに会社で住宅を建ててくれ、そこに住む事になった。職人を1人雇い工房では注文家具を作った。僕は家具作りの他に北欧のログハウスメーカーとの交渉や設計、デザインなどで忙しくしていた。

 待望の子供が生まれたのは山梨に赴任した翌年だった。少し早目に生まれたのは、小さいが元気な男の子だった。自然豊かな田舎で子育てをしたいという僕の夢が叶ったのだった。住まいの横を流れる小川には夏になると蛍が盛んに飛び回っていた。

 家具やログハウスの受注を任されていた僕は次第に独立して自分の工房をもつという夢を抱いていた。

 それは2人目の子が難病を抱えて生まれて来た事がきっかけになる。サラリーマンの稼ぎでは難病の子を育てて行く自信が無かったからだ。
 
 山梨に移住して7年目に僕は会社を辞めて独立する。

 時はバブルが崩壊し経済はドン底だったが山梨県の北巨摩郡にバブル期に買っておいた土地があった。会社を辞めて直ぐに工房を建てる事になる。

 

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