人気家庭教師から個別指導塾のトップ講師へ、そしてコロナで失業

　長男の高校受験を機に40代になって始めた家庭教師。

　40代後半には日本ではまだ珍しかったオンライン授業も始めて、北は北海道から南は沖縄までの生徒の受験英語を指導していた。
　
　次男が東京の大学に合格し、東京へ引っ越したのを機に東京の実家に帰っ

た。一人で暮らす母が心配でもあったからだ。

　大手家庭教師派遣会社に登録し指導を始めるとすぐにトップ講師となり、その後独立。自分で始めた家庭教師業が軌道に乗り、年収1500万円超の家庭教師となる。
　　　
　60代になってからは介護疲れから外に出たくなって個別指導塾の講師となる。受験英語を指導し、人気・実力ともにトップ講師の一人となり、多くの合格者を輩出した。

　そこへコロナがやって来た。2020年、担当生徒数がトップだった僕の生徒

数が次第に減り始めた。塾全体の生徒数が減り、時間給の高いプロ講師の僕

にはあまり多くの生徒が紹介されなくなった。時間給の低い大学生講師に指

導させる方が利益率が高いからだ。

　2021年には担当の生徒数は、最盛期の半分くらいに減り、2022年、骨折で

3か月休職したのを機に担当生徒はゼロになった。

　元々、塾の指導方針には納得できない点も多々あり、2023年に正式に講師を辞めることにした。

　生まれて初めての失職である。

　疾病手当金と失業保険で何とか凌いできたがもはや僅かな年金だけが頼りという現状。

　どうやって生きていけば良いのか、分からない。