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【近刊紹介】『データ指向型PID制御』(山本透ほか著)

化学プラントの操業や製品製造などにたずさわる方々にはおなじみのPID制御は、制御構造が簡単であることや制御対象のモデルが不要であることから、世の中の制御ループの8割を占めるともいわれています。

しかし、そのPIDパラメータを一発で決定する方法はなく、チューニングはかなり骨が折れる作業です 。なんとなく、勘で設計しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 線形システムならまだしも、非線形・時変システムともなると、そのパラメータ設計の難易度は飛躍的に上がります。

職人技のように思われるPID制御器設計問題に、一つの解決策を示すのが、2020年6月発行予定の新刊『データ指向型PID制御』です。

データ指向型PID制御とはその名のとおり、実験データ(入出力データ)を利用して、直接的にPIDパラメータを算出する手法です。

PIDチューニングの代表的な手法である限界感度法などでは、「一つのパラメータを固定し、別のパラメータを少しずつ変更して応答を確かめていく……」といった作業が必要ですが、データ指向PID制御ではこの試行錯誤を劇的に減らし、簡単に所望の応答を示すパラメータを求めることができます。

本書では、一回の実験データをもとにPIDパラメータを決定する「FRIT法」、非線形システムにも対応できる「データベース駆動型PID制御」や「小脳演算モデルを用いたPID制御」、制御対象の特性変化に対応する「制御性能評価に基づくPID制御」を詳しく解説します。

PID制御にかかわるすべての方々に役立つ一冊です。ぜひ一度手に取ってみてください。

ヘッダ

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『データ指向型PID制御』
山本透(編著)
金子修、脇谷伸、木下拓矢、大西義浩、久下本秀和、小岩井一茂(共著)

【近年注目を集める「データ指向型制御」初の解説書】

データ指向型PID制御は、容易に得られる操業データを使って、直接PIDパラメータを調整します。
チューニングで経験則や勘頼りの試行錯誤を繰り返す必要がないため、熟練者か否かにかかわらず、所望の応答を達成するPID制御器を設計できるのが特長です。
線形時不変システムはもちろん、制御対象の特性が変化したり、非線形性があったりする場合も、対象に合わせた手法を用いて、従来の方法よりも簡単に望ましい制御性能を得られます。

本書では、データ指向型PID制御の各種手法を、理論的な枠組みから応用例まで、丁寧に解説します。
それぞれの手法に数値例もあるので、お手元のシミュレーション環境で、実際どのようにチューニングを行うのかを試すことができます。

【目次】
第1章 データ指向型PID制御とは
第2章 実験データを用いたPID 制御系の直接的設計法
第3章 データベース駆動型PID制御
第4章 制御性能評価に基づくPID制御
第5章 小脳演算モデルを用いたPID制御

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