2024年1月下旬発行予定の新刊書籍、『ロケットシステム』のご紹介です。
同書の一部を、発行に先駆けて公開します。
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まえがき
ロケットの機能向上は、要素技術の進歩に合わせて、今後も進められて行くであろう。しかし、ロケットの開発・運用に係わる基幹技術は、すでに確立されたと言ってよい。したがって、いま、ロケットに関する技術を先端技術と呼ぶことは適当ではない。
しかしながら、ロケットの開発・運用には、非常に広い分野の技術、それも高度な技術が利用されていること、また、ロケットの飛行が非常にダイナミックであること、さらに、ロケットは魅惑にみちた宇宙への輸送手段であることから、今後も、ロケットは多くの若者達を魅了していくことと思われる。
ところが、残念なことに、ロケットについて、若者達の知識欲や好奇心を満足させるような本は、あまり見あたらない。
たとえば、
ロケットはどのように飛行して、人工衛星を目指す軌道に投入するのか?
ロケットの構造や推進システムの仕組みはどのようになっているのか?
ロケットの姿勢の制御や飛行経路の修正はどのように行われているのか?
といった疑問に対して、難しい理論は抜きにして、基本的に大切なことや本質に係わることをわかりやすく紹介した書物はほとんどない。
ロケットに関する本と言えば、全体について浅く紹介した解説書か技術分野別の専門書があるにすぎない。
このことは、ロケットのことを基本から学びたいと思っている若者達や新たにロケットの仕事に従事しようとしている人々にとって、大変不幸なことである。もし、よい書物に恵まれるならば、若者のロケットへの関心は一層高まるし、また、現実にロケットの開発に携わる人たちの大きな助けになるに違いない。
(中略)
本書の記述にあたっては、専門的な基礎知識がなくても理解してもらえるように、極力やさしく丁寧に説明することを心がけた。一部の記述については、その理解に専門知識を要するが、本書の大半は、高等学校の数学と物理の初歩を身につけていれば、理解出来るものと考える。
なお、「やさしく説明する」と述べたが、このことはいい加減に扱ったということではない。ロケットに関する本質的なこと、基本的に大切なことは全て網羅した積もりである。
このようなわけで、本書は、これから航空宇宙工学科でロケットを基礎から学ぼうとする人々にも、趣味としてロケットのことを深く知りたいと願っている人々にも、また、企業等でロケットの開発に従事している人々にも、大いに役立つものと確信している。
(後略)
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元ロケットエンジニアによる、ロケットシステムの全体をカバーした本格的な入門書。
・飛行経路と軌道への投入
・ロケットの構造と推進システムの仕組み
・姿勢の制御と飛行経路の修正
…など、ロケットに関する本質的な内容、重要な内容を網羅しつつ、丁寧に説明。