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卒論・修論はこれ1冊で攻略!――近刊『卒論・修論研究の攻略本-有意義な研究室生活を送るための実践ガイド-』まえがき公開

2021年10月下旬発行予定の新刊書籍、『卒論・修論研究の攻略本-有意義な研究室生活を送るための実践ガイド-』のご紹介です。
同書の「まえがき」を、発行に先駆けて公開します。

書影配置用

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まえがき

研究とは、大変に迷いやすく、また何が起こるかわからない未知の世界への冒険です。やみくもに挑むだけでは、苦労の割に成果をあげることはおろか、貴重な時間を無駄にしてしまいかねません。本書は、卒業研究や修士研究という冒険で活躍するために必要な、世界を見通す「眼」と、困難を乗り越える「術」を体得する方法を、「攻略法」という形でわかりやすく解説したものです。たとえば、次のような内容を紹介しています。

・研究における世界の捉え方
・研究テーマの設計法
・研究のステージと攻略のためのスキル
・研究を円滑に進めるための準備方法
・成果の積み重ね方
・結論の導き出し方
・論文とスライドを効率的に作成する手順

本書では、これらの内容を、「研究フィールドマップ」「課題展開図」といったツールを使い、実践的に攻略していきます。これらの図には★マークが付いており、以下で作成用のひな形をダウンロードすることができます。

https://www.morikita.co.jp/books/mid/094361

本書の狙いは、卒業研究や修士研究への挑戦を通じて、「戦略思考に基づく問題解決能力」とよばれる、一生役立つスキルを体得してもらうことです。そのため、将来、研究者を目指すか否かにかかわらず、すべての大学生・大学院生の皆さんを読者として想定しています。はじめて研究に挑む学生さんが最初に読むべき、これまでになかった体系的な研究の入門書として利用されることを期待しています。

本書で紹介する攻略法は、研究の世界に飛び込んだ著者自身がどうにかうまく攻略しようともがくなかで、多くの先輩研究者達から教えを受けて学びとり、そのうえで実際に役立つことを確認してきた考え方や進め方を、独自の観点から体系的に整理したものです。あくまで工学の一研究者である著者の経験に基づいてまとめたものであるため、すべての研究分野にそっくりそのまま通用する保証はありません。

とはいえ、1つでも攻略法を学んでから研究を始めるのと、何も知らずに始めるのとでは、研究で得られるものは大きく違ったものになるでしょう。この本をうまく活用してもらうことで、より多くの学生の皆さんが本来の才能を発揮させる実力を身につけて、生涯にわたってさまざまな場面で活躍されることを強く願っています。

著:石原 尚(大阪大)


・研究室に配属されたけど、研究って難しそうで不安…
研究テーマは決まったけど、どこから手を付けたらいいのかわからない…
論文や発表資料をうまく作れない…

そんな卒論・修論の不安や悩みを解決する、「学生生活のラスボス」の倒しかたを伝授!

本書では、研究を4つのステージにわけ、研究を戦略的に進めていく方法・研究における問題解決の方法を、やさしく解説しています。
研究テーマの選択からアプローチの選びかた、論文や発表スライドの書きかた・作りかたまで、つまずきやすいところをすみずみまでフォローします。

実践的なワークシートで手を動かしながら、自分にあった「研究の攻略法」を身につけよう!

【目次】
Chapter1 研究攻略を始める前に
 1.1 研究の捉え方
  1.1.1 研究は「冒険ゲーム」
  1.1.2 研究の世界観と用語
  1.1.3 研究テーマ決めは「世界観の設計」
  1.1.4 世界観を設計できるメリット
 1.2 研究への挑み方
  1.2.1 ひととおりの攻略法を先に学んでおこう
  1.2.2 攻略のヒント集を活用しよう
  1.2.3 楽しみながら達成感を味わおう
  1.2.4 ゲーム経験者と協力プレイをしよう
 1.3 研究のステージ
  1.3.1 研究は4ステージ×3フェイズ
  1.3.2 各ステージの概要
 1.4 研究攻略に必要なスキル
  1.4.1 「俯瞰の視点」と「論理思考」
  1.4.2 「先読み」と「段取り」
  1.4.3 「真理追及」と「報告相談」
  1.4.4 「企画構成」と「論述表現」

Chapter2 作戦の立案…第1ステージの攻略
 2.1 フェイズ1「世界観の設計」の攻略
  2.1.1 地図をもって旅立とう
  2.1.2 研究世界の地図
  2.1.3 マップづくりのルール
  2.1.4 マップの作成手順
  2.1.5 現状把握の方法
  2.1.6 理想掲示の方法
  2.1.7 課題設定の方法
  2.1.8 問題推定の方法
 2.2 フェイズ2「道筋の選択」の攻略
  2.2.1 アプローチ選びは慎重に
  2.2.2 選ぶべきアプローチ
  2.2.3 極力避けるべきアプローチ
  2.2.4 アプローチ選択の実例
 2.3 フェイズ3「作戦の具体化」の攻略
  2.3.1 目標と手段の違い
  2.3.2 よい目標の条件
  2.3.3 よい手段の条件
 2.4 第1ステージのまとめ
  2.4.1 俯瞰しつつ論理の鎖を伝って作戦詳細を詰める
  2.4.2 途中で行きづまったら論理の鎖の一段上から見直す

Chapter3 作戦の準備…第2ステージの攻略
 3.1 フェイズ1「準備項目の列挙」の攻略
  3.1.1 準備の手際の重要性
  3.1.2 3種類の準備
  3.1.3 準備項目リストの作成方法
 3.2 フェイズ2「順序の決定」の攻略
  3.2.1 準備の順序が進捗を大きく左右する
  3.2.2 最優先すべき準備
  3.2.3 実施時期に応じた準備方針
  3.2.4 最上流を見きわめる
 3.3 フェイズ3「締切の設定」の攻略
  3.3.1 準備の進捗は締切で管理
  3.3.2 締切の種類
  3.3.3 締切の使い分けで進捗を管理する
 3.4 第2ステージのまとめ

Chapter4 作戦の実施…第3ステージの攻略
 4.1 フェイズ1「証拠の収集」の攻略
  4.1.1 仮説検証の積み重ねが研究成果になる
  4.1.2 仮説検証の流れ
  4.1.3 無意識の前提を見逃さない
  4.1.4 生データを集める
 4.2 フェイズ2「分析と推理」の攻略
  4.2.1 分析と推理の流れ
  4.2.2 「分割抽出」と「特徴可視化」で丁寧に分析
  4.2.3 分析方針も仮説駆動で決める
  4.2.4 知見×知識で考察を得る
 4.3 フェイズ3「協力の要請」の攻略
  4.3.1 明確な要請なしには協力を得られない
  4.3.2 うまく協力を得るには認識の共有から
  4.3.3 進捗発表は4項目構成
  4.3.4 相手の発言の背後から学びを得る
 4.4 第3ステージのまとめ

Chapter5 作戦の引継…第4ステージの攻略
 5.1 ステージの概要
  5.1.1 論文・スライド資料は1つの物語作品
  5.1.2 ステージ攻略の流れ
 5.2 フェイズ1「企画と脚本」の攻略
  5.2.1 話の筋を組み立てる
  5.2.2 結論の決め方
  5.2.3 リサーチキャンバスで企画を練る
  5.2.4 アウトラインの基本構成
  5.2.5 アウトラインの節区分
  5.2.6 アウトライン構成のポイント
  5.2.7 納得感とインパクト
 5.3 フェイズ2「原稿の作成」の攻略
  5.3.1 論文とスライドの役割と基本構成
  5.3.2 論文のパラグラフの作り方
  5.3.3 スライドのページの作り方
 5.4 フェイズ3「全体の推敲」の攻略
  5.4.1 なぜ推敲が必要なのか
  5.4.2 推敲は戦略的に
  5.4.3 推敲は3ステップ
  5.4.4 推敲の「構造改良」
  5.4.5 推敲の「整理整頓」
  5.4.6 推敲の「意味確定」
 5.5 第4ステージのまとめ

あとがき
さくいん

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