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モデリング・アセンブリの高効率化テクニックとコツを紹介――近刊『SOLIDWORKS アドバンストテクニック55』はじめに公開
2022年9月下旬発行予定の新刊書籍、『SOLIDWORKS アドバンストテクニック55』のご紹介です。
同書の「はじめに」を、発行に先駆けて公開します。
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はじめに
現在、3次元CADであるSOLIDWORKSはものづくりの現場において広く活用されており、もはや欠かせないといっても過言ではありません。
このように広く利用されているソフトウェアですが、機能が多い一方で操作が煩雑であり、ある一定レベルまでの習得には時間がかかります。SOLIDWORKSの基本操作は身につけたものの、実務での効率的な活用ができなくて困っている人も多いでしょう。
本書は、入門書や教育機関での講義ではほとんど触れられることのない、スケッチ、フィーチャー、アセンブリを素早く、効率的に行うためのテクニックをまとめています。ほかにも、形状の正しいコピー方法や、素早くコマンドにアクセスするためのショートカットキーなども紹介していますので、これまでよりもスピーディに3次元形状を作成できるようになります。今後の
業務において、よりSOLIDWORKSを活用した効率的な設計業務が行えるようになるでしょう。
SOLIDWORKSの習熟のためには、まずは書籍を読みながらソフトウェアを操作し、そのとおりになるかどうかを確認しながら進めることが重要になってきます。ぜひ本書を活用し、レベルアップを図ってください。
なお、本書で紹介するテクニックはSOLIDWORKSの初級段階の資格試験であるCSWA(Certified SolidWorks Associate)の受験、合格を意識したものになっています。初級段階とはいえ、合格のために必要な事項は非常に多岐にわたり、きちんとした知識が必要とされます。一通りテクニックが身についたら、自身の実力を確かめるためにCSWAに挑戦してみるのもよいでしょう。
本書は、一関工業高等専門学校の学生を対象に行っているCSWA対策講座の内容に基づいています。この講座により、毎年多くの学生がCSWAに合格し、ものづくりの現場へと巣立っていっています。本書を活用して、より多くの方がSOLIDWORKSを利用したより効率的な業務や創作活動を行っていただければと願っています。
なお、本書のChapter0および「演習問題にチャレンジ!」に掲載している問題を実際にSOLIDWORKSで作成したファイル、追加の演習問題をこちらからダウンロードできます。ぜひご自身でもやってみましょう。
また、本書では中級・上級テクニックを主にまとめていますが、操作に不安のある読者のために、初級者向けの内容をまとめたファイルも用意しています。こちらもここからダウンロードできますので、必要に応じて参考にしてください。
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監修:小原 照記(いわてデジタルエンジニア育成センター)
著: 八戸 俊貴(一関高専)
著: 藤原 康宣(一関高専)
脱・初心者! 設計業務をより効率的に!
「エンティティ変換」「参照ジオメトリ」「干渉認識」「スケッチ平面編集」「フルラウンドフィレット」…
あなたはどれだけ知っていますか? 使いこなせているでしょうか?
入門書ではあまり触れられることはありませんが、知っていれば便利な機能・使い方が多く存在します。
これらのテクニックを身につけ、実務に活かしましょう。
・できるだけ少ない手順でスピーディな作業
・シンプルで読みやすい図面
・設計変更にもすぐに対応 etc.
本書で紹介するテクニックは、SOLIDWORKSの資格試験であるCSWAを意識したものになっています。
試験勉強や対策にもおすすめの一冊です。
【目次】
Chapter 0 本書の読み方
【中級テクニック】
Chapter 1 スケッチの中級テクニック
テクニック1 「幾何拘束」に注意する
テクニック2 円を作図線として利用する
テクニック3 寸法の記入で「半径」と「直径」を使い分ける
テクニック4 原点/スケッチと円との距離を使い分ける
テクニック5 「中点」を設定する
テクニック6 「対称寸法」を活用する
テクニック7 キー溝には「スロット」を利用する
テクニック8 類似の形状を作成する:エンティティ変換
テクニック9 一回り大きい/小さい形状を作成する:エンティティオフセット
テクニック10 素早く修正する:スケッチ編集
Chapter 2 フィーチャーの中級テクニック
テクニック11 厚みをもたせつつ押し出す:薄板フィーチャー
テクニック12 規則的な部分は「パターン」で作成する
テクニック13 対称な形状はコピーして作成する:ミラー
テクニック14 パターンやミラー,抜き勾配において形状を忠実にコピーする
テクニック15 任意の位置に面を作成してスケッチに利用する:参照ジオメトリ
テクニック16 厚みのある箱を作成する:シェル
テクニック17 素早く修正する:フィーチャー編集
Chapter 3 アセンブリの中級テクニック
テクニック18 「合致」の種類を知る
テクニック19 合致の状態を細かく指定する
テクニック20 合致の注意点を理解する
テクニック21 部品の重なりを確認する:干渉認識
テクニック22 アセンブリの履歴を確認する
テクニック23 隠れた部分を表示させる
テクニック24 アセンブリを素早く修正する
テクニック25 アセンブリファイル一式をまとめて出力する:Pack and Go
【上級テクニック】
Chapter 4 スケッチの上級テクニック
テクニック26 幾何拘束を積極的に利用する
テクニック27 中心線を用いて対称設定する
テクニック28 一筆書きでスケッチする
テクニック29 「トリム」時の注意点を理解する
テクニック30 水平,鉛直な直線を引く
テクニック31 交点をスケッチに利用する
テクニック32 スケッチ面を修正する:スケッチ平面編集
Chapter 5 フィーチャーの上級テクニック
テクニック33 「中間平面」で押し出し,ミラーを利用する
テクニック34 「押し出しカット」を使い分ける
テクニック35 「抜き勾配」を活用する
テクニック36 厚みを一定に保つ:オフセット
テクニック37 フィーチャーで丸い形状を作成する:フルラウンドフィレット
【重要なコツ】
Chapter 6 作業効率化のコツ
テクニック38 寸法に変数を利用する:グローバル変数,関係式
テクニック39 用途に合わせて単位系を変更する
テクニック40 モデルの材料を指定する
テクニック41 モデルの質量や各部の長さを求める:評価
テクニック42 キーボードショートカットを使いこなす
Chapter 7 モデリングのコツ
テクニック43 モデリング前に考えをめぐらせる
テクニック44 モデリングを効率的に行う
テクニック45 座標原点の位置に注意する
テクニック46 ソフトウェア特有の注意点を理解する
Chapter 8 アセンブリのコツ
テクニック47 アセンブリの要点を把握する
テクニック48 部品の原点とアセンブリ原点を一致させる
テクニック49 アセンブリ原点を新規作成する
テクニック50 アセンブリ原点の位置の違いを理解する
テクニック51 軸を一時的に表示させる
テクニック52 断面を表示する
テクニック53 読み込みずみの部品をコピーする
テクニック54 合致を使いこなす:距離合致,角度合致
テクニック55 補助線を追加して測定に利用する
演習問題にチャレンジ!
索引