見出し画像

#479 大人の方から、明るい朝を

数日前の話である。

朝、通勤のために家を出て、通りを自転車で走っていく。僕とは逆方向に、中学生や高校生が歩いていく。もう引っ越したけど、その時の自宅は県立の中高一貫校の眼の前だったから、たくさんの学生とすれ違うのは日常の風景だ。

複数人で塊を作って歩いているグループもいれば、一人で歩いている子もいる。この日はたまたま、一人で歩いている子の様子がなんだか目に留まった。背中を丸めて気だるそうに歩く女子生徒、おそらく高校生だと思うが、体調が悪そうなわけではなくとも、その顔はなんだか眠そうだ。

今でこそ、僕も朝からそれなりに元気に過ごせるようにはなってきたが、もともと朝には弱く、目覚めたては機嫌の悪い人間だった。今でも日によっては調子が出ないけれども、朝から明るい方が良いと理解しているから心がけてはいる。ともかく、思春期の子の朝なんてそんなもんかなとも思って見ていたが、でもみんながみんなそうでもないし、そもそも何故「そんなもん」と思ったのだろうか。自分がそうだったからだろうか。だとすると、一般化が過ぎる。

思えば、ドラマや漫画・アニメなどで描かれる朝の通勤・通学風景というのも、満員電車に揺られてしんどそうな描写などがよくある。明るい朝を描くシーンもたくさんあるけれど、なぜわざわざ「しんどい朝」を描くのだろう。いつからそんな朝のイメージが定着した?

結局は、そんなしんどい朝はその時代の大人たちが子どもたちに見せてきた風景なのだろう。思い返せば、我が実家の朝はあまり明るくなかった。この日すれ違ったあの子の家の朝も、もしかしたらちょっとしんどい感じなのかな。それとも、歩いてきているということは電車通学で、混んでて大変なのかな。その理由は想像でしかないけれど。

今、僕が子どもたちに見せる姿は、その子たちの抱く大人のイメージの一部になる。たとえ眠くとも、朝の挨拶は明るくやろう。望む姿は、まずこちらから。

なお、我が家の4歳息子の朝は、いつも機嫌が悪い。

(了)

○この内容をもとにお話したstand.fmの放送は、こちらから聞くことができます


よろしければ、サポートお願いいたします!いただいたサポートは、プレーヤーとしての活動や選手指導の活動に使用させていただきますm(__)m