見出し画像

#471 直接謝れないからここで供養する放送

穴があったら入りたかったが、運転中なので無理だった。

昨日の通勤中の話。朝は少し雨が降っていたせいか、道はいつもより少し混んでいた。普段通る交差点、信号前には赤信号で停車する車の列。ざっと10台ぐらいは並んでいただろうか。大きめの通りに出る道なので、信号が青の時間は短い。一回で抜けるのは難しいだろう。

出勤時間まで、そこまで余裕があるわけではなかった。なので、少し焦っていたところもあるだろう。信号が一度青になる。車が少し進む。案の定、一度目の青では交差点を抜けることはできなかった。これは想定の範囲内。前に並ぶ車は5台ほどに減った。次の青で抜けられそうだ。

少し待って、信号がまた青に変わった。先頭の車から順次交差点を抜けていく。ところが、僕の車の前で停車している白のミニバンが全く動かない。信号が変わったことに気づいていないのだろうか。そういうことは誰しもある。ただ、こちらも急いでいる。発進を促すため、クラクションを軽く2度ほど鳴らした。

その直後である。ミニバンの前に、道路横の民家から別の車が出てきた。そう、ミニバンの運転手は民家から出ようとしている車が入れるように待っていたのだ。素晴らしい譲り合いの精神である。そして出来上がったのは、それに気づかずクラクションを鳴らして急かすせっかちおじさん。それが僕である。めちゃくちゃ恥ずかしい。

言い訳をすると、僕の視点からは民家から出ようとしている車は見えなかった。なので、前のミニバンがなぜ発進しないのかがわからなかったのだ。そして、さすがに民家から出てくる車を待っているとまでは想像が及ばなかった。

過ちに気づいたなら、できればすぐに謝罪したいところ。しかしこのときは運転中、それはできない。このミニバンを運転していた方ご本人に届くことはきっとないだろうけれど、それでも一言謝罪したい。

あのとき、あなたの親切心に気づくことができず、急かしてしまってすみませんでした。

中村天風さんの言葉に、自分の周りには悪人ばかりだからくだらない争いが”起こらない”というものがあった。どういうことか。相手の落ち度を探す前に自分の落ち度について省みる人ばかりだから、お互いに譲り合い認め合うことができている、というのである。

間違えることはある。大事なのは、それを認めて素直な態度で在ることなのだと思う。

(了)

○この内容をもとにお話したstand.fmの放送は、こちらから聞くことができます


よろしければ、サポートお願いいたします!いただいたサポートは、プレーヤーとしての活動や選手指導の活動に使用させていただきますm(__)m