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#425 実践をもって練習する

#422で触れた熊田先生の著書、三回目を読み終えた。今回はその中からまた一つ、項目をピックアップしてお話する。

「練習したことはすぐにゲームで使うべし。それが上達への早道である」という旨のことが記載されていたのだが、それがまさに僕がここ最近子どもたちに説いていることと同じで少し嬉しくなった。不思議なもので、この本を読み始めるしばらく前から積極的に伝えるようにしている。

練習のための練習にならないように、とはよく言われることである。これは、練習中に試合を想定して、意識して練習するようにという意味合いが強い言葉だが、その先にあることを考えると、試合中に練習でやったことを意識できなければ、結局ここはつながらない。練習中の意識が先か、試合中の意識が先か。卵が先か鶏が先か、のような話である。

選手本人の話で言えば、試合中に練習で取り組んだ技術などを試す意識、意欲が見られるかどうかは、試合に対する意識レベルに左右されるところが大きい。もっと強くなりたい、勝ち上がりたいという意識がある人は、積極的に試していく。反対に、そこまでの意識がない人、あるいは、勝ち上がりたいが裏返って負けるのが嫌だ、というネガティブ意識が先にきている人は、なかなかチャレンジをしない、できない。

我々コーチの役割はどこにあるか。一つは、試合中にチャレンジしていくように促すことでもあるが、もう一つ大切なのは練習と試合をつなげる仕組みの構築だろう。例えば、ボレーの練習をした、試合で使ってみよう、どのタイミングで?という思考の流れになる子どもは多い。中には自分でそれを見つけ出していく子もいるが、練習でやったことをいつ使えばいいのかわからないというパターンも意外と多いのだ。

試合の中でこういう状況ができるから、この場面で使ってみよう、と試合形式練習などで決め事を作ってやってみるのが効果的だろう。擬似的な試合中の状況を作って、こういう状況になったらこのプレーをやってみる、という橋渡しを行うことができれば、多くの選手が状況を理解できるようになる。

(了)

○この内容をもとにお話したstand.fmの放送は、こちらから聞くことができます


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