リレイヤーⅢ

巡り巡って再び手に入ったDVD、第三舞台「リレイヤーⅢ」。
上演は1995年。
私のバイブルである。

ずっと前に友人に貸したまま戻ってこなくて、もう諦めてたのが再び手に入った。
約15年ぶり。舞台の記録映像に当然字幕なんか付いてないので戯曲片手にみたけれど、昔それこそ丸覚えするくらい何度も何度も観てたから、今でもかなり覚えてた。

「サラリーマンやって中途半端に人生棒に振るくらいなら、役者やって力一杯棒に振ろうって思ったんだ」
この台詞は今でも私の座右の銘のひとつ。
子供時代、母親の歪んだ正義に牽制され、常に親の求める正解を出し続けなきゃ生きていることすら許されないほどに圧迫されて育ち、大人になっても「”正しい”人生を送らねばならない」という強迫観念に追われながら生きていた私にとって、
好きなことをやってもいいんだ、私には自分の人生を力一杯棒に振る権利があるんだと気付かせてくれたのが、この台詞だった。
おかげさまでいまやいい感じに人生棒に振りながら、というかむしろ棒持って人生振り回しながら楽しく生きている。

台詞の主である小須田さんはこの芝居の記憶がほとんどないらしいが、私はこの芝居に出会ってなかったら、いまだに趣味の一つもなく、潰れていたかもしれないなあ…。
よかったよかった。

リレイヤーで一番印象的なのが、ジョンレノンのNobody told me。鴻上さんが台本の中で「悲しくて明るくて絶望していて、名曲」と書いていたけれどまさに至言。
朝日のthe end of asiaといい、スナフキンの手紙の39といい、第三舞台の選曲はほんとに秀逸。

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