見出し画像

聖者ラマナ・マハルシの「真我」と、脳科学者ジル・ボルト・テイラー博士の右脳意識(ラ・ラ・ランド)と、「悟り」の共通点

聖者ラマナ・マハルシ

ラマナ・マハルシ(1879~1950年)は、インドの大聖者です。
近代以降、唯一 覚醒(真我)に到達した真の聖者であると言われています。

解放に到達するための直接的な道として『真我探求』を推奨した。
アートマンは「真我」を、ヴィチャーラは「探求」を意味する。
1896年7月中ごろ、16歳の頃に突如として起こった死の体験に触発された内的探求から、完全な、無限の、不死の、実在かつ意識かつ至福である真我アートマン)、または真実真理)こそが『私』であると悟る
1896年の夏、まだ17歳にもなっていなかったある日、彼は叔父の家の二階の部屋に一人で座っていました。健康状態はいつものように良好でした。しかし、突然まがうことなき死の恐怖が彼を襲ったのです。彼は死のうとしているのだと感じました。 なぜこの感覚が現れたのか、彼には分かりませんでした。しかし切迫した死の感覚が彼を落胆させることはありませんでした。彼は静かに何をすべきかと考えました。そして自分自身に言いました。「今、死が訪れた。それはどういう意味だろうか? 死にゆくものとは何なのだろうか? この身体が死ぬのだ」。即座に横たわると、彼はあたかも死後硬直が起こったかのように手足を伸ばして硬直させました。それから唇を硬く閉じ、息を止めました。こうして彼は身体を死体と同じようにさせたのです。
さて、何が起こったのでしょうか? これが彼の考えたことです。
『これでこの身体は死んだ。それは硬直したまま火葬場に運ばれ、そこで燃やされて灰と化すのだ。だがこの身体の死とともに私は死ぬのだろうか? 果たして身体が「私」なのだろうか? 身体は沈黙し、それ自体に生命力はない。だが私は自分の人格の完全な力を感じているし、それとは別に、私の内側で「私」という声さえ感じる。それゆえ、私は身体を超越した霊性なのだ。身体は死ぬ。だが、それを超越した霊性は死によって触れられることはない。それゆえ、私は不滅の霊性なのだ』。

ラマナ・マハルシは、わずか16歳で、宗教頼ることなく、自らの驚くべき集中力で臨死を体験し、内観することのみで覚醒(真我に到達)してしまうという稀有な聖者です。

右脳と悟り〔脳科学者ジル・ボルト・テイラー博士の気づき〕

ジル・ボルト・テイラー博士に関する記事をお読みください!

ラマナ・マハルシの『臨死体験』と、ジル・ボルト・テイラー博士の『脳卒中』との共通点

聖者ラマナ・マハルシ真我実現(覚醒)してから、ちょうど100年後1996年12月の朝、ジル・ボルト・テイラー博士は、自らが脳卒中を起こし、左脳の機能が完全に停止した中で、右脳だけの世界ラ・ラ・ランド)を体験し、それを脳科学者として内側から観察し、後に報告をしてくれました。

ラマナ・マハルシ臨死体験能動的であり、テイラー博士脳卒中左脳の臨死)は受動的に起こったという違いがあります。
また、それにより両者にもたらされた気づきの度合いも、聖者の永遠の覚醒と、脳科学者が瞬間 かいま見た右脳の世界ラ・ラ・ランド)という差異はありますが、両者の体験(『真我』と『右脳意識』)の共通性には、興味深いものがあります。

『真我』と『右脳意識』(ラ・ラ・ランド)の共通点

真我(アートマン)は、「という想いが絶対にないところに あるものである。 (ラマナ・マハルシ)

【右脳意識】  今 ここで この瞬間 私は 右脳の意識へと寄ることが出来ます。そこでは 私は宇宙の生命力です。 私を作り上げる 50兆もの 美しい分子が一体となった 生命力の塊です。
【左脳意識】 あるいは 左脳の意識へと寄って 1人の堅実な個人としてあることを選べます。 大きな流れや 他の人とは 別個の存在です。 私はジル・ ボルト・テイラー博士、理知的な神経解剖学者です。 (テイラー博士)

【右脳意識】 腕を見ると もはや自分の体の境界が 分からなくなっていることに気付きました。 自分がどこから始まり どこで終わるのか その境界が分かりませんでした。 腕の原子分子が 壁の原子分子と混じり合って 一緒になっているのです。 唯一感じ取れるのは エネルギーだけでした。
 (テイラー博士)

真我は、「沈黙」と呼ばれている。(ラマナ・マハルシ)
真我を実現するために必要なことのすべては、静かにあること
(ラマナ・マハルシ)

【左脳意識】 左脳は 言語で考えます継続的な脳のしゃべり声が、 内面の世界と外の世界とをつないでいます。 (テイラー博士)

【右脳意識】 その瞬間― 左脳のささやきが 完全に途絶えました。 まるで誰かが テレビのリモコンを取り ミュートボタンを押したかのように 全くの静寂になりました。 最初 頭の中の静寂に ショックを受けていましたが、それからすぐに 周囲の大きなエネルギーに魅了されました。 もはや 体の境界が分からない私は 自分が大きく広がるように感じました。 全てのエネルギーと一体となり、 それは 素晴らしいものでした。  (テイラー博士)

純粋な意識は、分割できないものであり、部分を持たないものである。
それは、姿も形も持たず内も外もない
ハートである純粋な意識は、すべてを含み何ものも その外にはなくそれを離れて存在しない。  (ラマナ・マハルシ)

【右脳意識】 体が大きく拡大するように感じランプから解放されたばかりの精霊のようでした。 私の魂は 大きなクジラのように自由に飛び 静かな幸福の海を滑るように進みました。 天国を 私は天国を見つけたのです。 この大きくなった自分を 再び小さな体の中に 押し込めるのは無理だろうなと思ったのを覚えています。  (テイラー博士)

悟りへの道

聖者ラマナ・マハルシの「真我」(アートマン)と、ジル・ボルト・テイラー博士の「右脳意識」は、どちらも「悟り」または 悟りに近い世界 を現しています。

ラマナ・マハルシのように、若くして、師の導きもなく突如として「悟る」ことは、一般人にはほぼ不可能ですが、テイラー博士が示してくれた「右脳意識」に、努力して近づくことは可能です。

テイラー博士が示してくれた「右脳意識」に近づく為、日常生活の中で、一般人でも実践できる方法を、今後引き続き、探っていきたいと思います。

*ラマナ・マハルシ 参考文献:
静寂の瞬間(とき) ラマナ・マハルシとともに山尾三省(訳)
ラマナ・マハルシの教え山尾三省(訳) 

最後まで読んで頂き、ありがとうございます!