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『ふるさと納税自販機が急増。NFTとの共通点』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.12.9

■ふるさと納税 手軽にできる自販機の設置相次ぐ その理由は?

自販機での「ふるさと納税」…返礼品 “すぐに使える”

神奈川県相模原市は、去年8月から市内にある遊園地やキャンプ場などを備えたレジャー施設にふるさと納税ができる自動販売機を設置しました。
(中略)
寄付の返礼品として3割にあたる金額分のクーポン券を受け取り、施設内の利用料などとしてすぐに使える仕組みになっています。

ふるさと納税の自販機が全国に広がっています。
神奈川県相模原市、茨城県常総市、和歌山県高野町、栃木県鹿沼市など、ちょっとググっただけでも実施自治体がたくさん出てきます。

ふるさと納税の経験率は15.7%という統計があります。裏返すとまだ8割以上の人がふるさと納税未経験です。

旅先にふるさと納税自販機が設置されていて、その場ですぐに使える割引や返礼品などが手に入るなら、その8割のふるさと納税未経験者も「この旅行がお得になるならやってみようか」となりそうです。


■ふるさと納税自販機にはNFT普及のヒントがいっぱい

このふるさと納税自販機を開発・販売しているグローキーアップの鍵和田社長のインタビュー記事を読むにつけ、NFTとの共通点や応用できるポイントが非常に多いなと感じました。


未経験者がとても多い

前述のふるさと納税未経験者が8割以上いるというのもNFTとの共通点です。
NFTはもっともっと未経験者が多く日本では98.5%くらい(1億2600万人のうち2万人程度)ではないかと思います。

未経験者が多い中で、自販機で初めて経験する人が増えるというストーリーはNFTでも作れると思います。


スマホではなく自販機の特別感

鍵和田:でも、QRコードを読んでからはスマホで操作するので、「スマホのネット通販」と変わらないですし、面倒くさくて。
──たしかに。
鍵和田:それを自販機だけで完結できるようにして、さらに「ふるさと納税」ができるようにしたのが今の形ですね。

ふるさと納税はわざわざ現地に赴いて自販機で手続きしなければならないものではありません。手元のスマホで全国の返礼品を比較検討して選ぶ方が合理的でしょうし、スマホならいつでもどこでもできます。

ふるさと納税自販機は「縁を作る」という機能が最も大きな効能です。スマホでいつでもできるのにやらないのは縁がないから。旅先の自販機で縁を作り、お得というユーティリティを提供します。

NFTも縁さえあれば買う人は実は多そうです。最近ではCNP OwnersのようにNFTを持っていると割引になるというユーティリティもありますので、自販機のようなわかりやすく特別な縁を提供するのは相性がよいはずです。


観光スポットPOAPやご当地NFTなどと相性がよさそう

──そんなふるさと納税自販機が、とくにニーズを感じるのは?
鍵和田:やはり観光地ですね。旅館・ホテルやみやげ店、道の駅。そのほか空港やレジャー施設とか。とくに打診を受けるのはゴルフ場です。

ふるさと納税自販機が設置されるのは観光地が多いとのこと。県外の人が納税するのがふるさと納税なので、県外の人が訪れることが多い観光地に設置されるのは当然と言えば当然です。

POAPと呼ばれる参加証明書NFTなら、観光地を訪れたことを証明することと相性が良さそうです。全国のダムに訪れるともらえるダムカードもNFTでデジタル配布するのはアリじゃないかと思います。

道の駅ごとにご当地NFTが用意されていると、全国の道の駅を制覇してNFTをコンプリートしたくなります。ドラクエウォークの全国お土産スポットもそうですね。

ランドマーク×NFTを現地の自販機でのみ販売するのは記念品として欲しいなと思います。季節限定販売を組み合わせると観光誘致にも強力に働きそうです。


都市部との相性もいい

鍵和田:たとえば渋谷に自販機がある場合。渋谷って各地から仕事や観光、買い物で来ますから、渋谷に親しみがある千葉県民が ふるさと納税しやすくなりますよね。

ふるさと納税というと地方都市というイメージがありますがそうではありません。県外の人が多く集まる場所で最大なのは東京です。

NFTに関心を持っている人も大都市の人が比較的多い印象です。全国のランドマーク×NFTを先に挙げましたが、実は東京にNFT自販機を設置するのが一番売れそうです。

東京の人だけでなく地方からの観光上京の人も買いやすいですし。


お金持ち&若者と相性がいい

──ゴルフをやる人がお金持ちっていうこともありますかね?
鍵和田:その通りです。若者にも反応がいいので、彼らにアプローチする予定です。

節税に興味がある人はお金持ちの方が多く、またふるさと納税自販機のような見慣れない新規サービスを試してみるイノベーティブな姿勢は若者と相性がよいはず。

NFTもクリプトネイティブな人は可処分所得が高く、調査統計によるとNFT購入者の中心は20代・30代です。


各種手続きを意識させないことの重要性も共通

鍵和田:ふるさと納税によっておこなわれる、各所への動きを連携させるところです。うちの基幹システムはいろいろな作業を自動的におこないますから。
自治体への入金連絡
・返礼品業者への出荷指示
・配送業者への連絡
・いろいろな事務処理 など
これらを連動させるのが大変でしたが、完成して特許も取っています。あとは自販機の機能や免許証の読み取りの精度を上げることも難儀でした。

NFTの場合は物流や自治体への報告などは必要ありませんが、もし初めてNFTを購入する場合、暗号資産取引所への口座開設のための本人確認(KYC)、日本円の入金、ウォレット設定などの手続きが必要になります。

これらを可能な限り省略するか、むしろ自販機をきっかけにすべての手続きを丁寧にレクチャーしながらクリアさせてしまえるUXができれば、2回目以降のNFT購入はスムーズにできます。

鍵和田:ええ、パスワードを設定すれば、次回以降はすぐに納税できる設計ですから。

NFT自販機も2回目以降はウォレット接続だけで買えればいいですね。

自販機の向こう側でさまざまな手続きを処理すること、例えば交換業免許を持っている暗号資産取引所とタッグを組んで日本円やクレジットカード決済でETH建てのNFTを時価で購入できる自販機なら非常にお手軽です。

500円ガチャガチャ自販機でワンコインNFTを買うくらいお手軽、だけど裏側では事務処理をやってくれている、のは最高のUXです。


大きな液晶を使って仕組みの説明ができる

鍵和田:かんたんに使えるよう、気を配りました。ボタンを押すと限度額の表が出てきたり、ふるさと納税の仕組みの説明が出てきたり。設置場所の店員さんも使い方を教えてくれますよ。

仕組みの説明からやってくれるとNFTの理解促進にもつながります。初めてのNFT購入者向けのレクチャーからNFTクリエイターの情報プレゼンまで自販機でできると作品の魅力がより伝わります。


■NFT自販機は流行の予感

ふるさと納税自販機とNFTの共通点を探してみましたが、NFTと自販機は相性が非常によさそうに感じます。

ご当地NFT、POAP NFT、旅先のお土産にNFT、現地でしか買えない季節限定NFTなどなど、リアルとNFTをつなげることで新しい展開の仕方もできそうですし、自販機で初めてNFTに触れる人が増えるのも良い効果だと思います。

既に設置されているところもありますし、来年にはふるさと納税自販機の数くらい本格的に増えるといいなと期待しています。

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