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『AIで「聞きたい声だけ」聞ける、ノイズキャンセリング新技術の実物が登場。真正面に見つめるのがちょいキツ。』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.6.1

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■会話相手を数秒見つめて声を登録するだけでその人の声だけを聞くことができるAIヘッドホンシステムが開発される

ワシントン大学の研究チームが、「ヘッドホンを装着したユーザーが会話相手を数秒見つめて登録するだけで会話相手の音だけを拾うシステム」を開発したと発表しました。

このタイトルを見て、前に見たことがあるぞ?と思った方はモリプト通。

つい先日ご紹介したコレのプロダクト版がもうできていたぞ、というニュースです。

より具体的な使い方や特徴などが、デモ機を実際に使っている動画などで分かりやすく説明されています。想像通りだったところもあれば、この仕様だとアレは無理だな・・・と思う部分もありました。概念実証の理論がデモ機として出てきて感じたことを整理してみます。


ヘッドフォン、かー。

まず、デモ機がヘッドフォン型だということに驚きました。

「ターゲット・スピーチ・ヒアリング」システムは、ヘッドフォン装着者がボタンを数秒押しながら、ターゲットとなる人の方を向いて話すと作動し始める。

前回ご紹介した元記事にもちゃんと「ヘッドフォン」と書いてありますし、小型化は後からになるのもわかりますが、写真でヘッドフォンを目の当たりにするとちょっと残念な印象・・・ヘッドフォンと書いてあっても脳内でイヤフォンに変換してしまっていました。

イヤフォンをした人と話すのも壁を感じるのに、ヘッドフォンをしている相手と話すのは、相手をかなり躊躇させてしまいますね。


会話相手を真正面に見つめなきゃダメかー

このヘッドフォンは「聞きたい人の声だけを残して、周囲のノイズだけを消す」というところが画期的なのです。

残したい、聞きたい人の声を事前に登録することが必要なのですが、その手続き作業もちょっとハードルが高い場合がありそうに感じました。

まずは会話相手を真正面に見つめます。
会話相手を見つめたまま、イヤーカップにとりつけられたボタンを押します。声の登録はこれでOK。
両耳のマイクから等しい距離で発している声を「会話相手の声」と断定

両耳のマイクから等しい距離で発している声を「会話相手の声」と断定するという仕組みから、「会話相手を真正面に見つめる」必要があったのです。

貴方の声をAIに学習させます。の許可を取るという意味でもよいのかもしれませんが、この「真正面に見つめる」がやりづらいシチュエーションは多くありそうです。


挙げたアイディア、ことごとく潰れるw

「会話相手を真正面に見つめる」事前学習手続きのおかげで、前回の記事に挙げたアイディアがことごとく潰れましたw

「VIVANT」5話、屋上からの監視シーンなどスパイ用途のようにコッソリと声を聞くこともできません。

観光地で同時通訳するにも毎回「真正面に見つめる」をやって声を学習させてからになります。お店で買い物する時に毎回店員さんの声を学習させるのは手間だし現実的ではありません。

旅行先でガイドさんの声を聞きやすくするにも、ガイドさんを一度「真正面に見つめる」必要があります。

気恥ずかしいのももちろん、ツアー客ひとりひとりとこの作業をするとしたら、ガイドさんにマイクをつけて、ツアー客全員にワイヤレスイヤホンを配って直接ガイドさんの声を届けても同じことができます。

舞台や映画などで、セリフや解説を聞く用途では、舞台中を動き回る役者の声を学習させるのは無理でしょうし、スピーカーなど音響設備から学習させようにも劇場や映画館のあちこちのスピーカーから音が出ていては学習できません。

目の前の人の声をリアルタイムに学習させるのではなく、駅ホームでのアナウンスなどあらかじめ学習済みの声があると対応できるシーンはあるかもしれません。

しかし友だちと一緒に旅行に行った先が賑やかで声が聴き取れないシチュエーションなら、近くで大きい声で話すか、トランシーバーアプリ+ノイズキャンセリングイヤホンの方が手軽でしょう。

「会話相手を真正面に見つめる」ではない、狙った人の声を選べるような仕組みが実現できないと、案外使い道がないかもしれません。。

AirPodsくらいの小さな完全ワイヤレスイヤホンで、昔のスパイ映画でダイヤルを回していたような操作性でどの声を聞きたいのかを選べるようになれば、イメージ通り・理想通りの使い方ができるんですけどねぇ。

やっぱり概念企画と実際に製品化して使ってみるのとではイメージと大きなズレが起きがち。難しい!!

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