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『ポケモンカードをNFTに、Courtyardがポリゴンでデジタル収集品市場をスタート。RWA NFT』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.8.21


■ポケモンカードをNFTに、Courtyardがポリゴンでデジタル収集品市場をスタート

ポケモンカードなどのコレクターズアイテムをNFT(非代替性トークン)に変換し、暗号資産(仮想通貨)で購入可能にする新サービスが始まった。このサービスを提供するのは、ポリゴン(MATIC)ブロックチェーンを基盤とする「Courtyard」というプロジェクトだ。

OpenSeaに正式なIPの許可なく勝手にポケモンなどの有名キャラクターをNFTアートにして販売する不正ビジネスの話ではありませんよ。

RWA(Real World Assets)トークナイゼーションの話題です。


実物資産をNFTにして売買しやすくするRWA NFT

「Courtyard」は、収集品をトークン化したNFTを自身のマーケットプレイスで取り扱っている。そして、実物の収集品の安全な保管のため、歴史あるカストディサービス企業「Brink’s」との連携を果たしている。Brink’sは1859年の創業以来、ダイヤモンドやオークション品などの貴重品の保管と輸送を手掛けてきた。

Courtyardが最初に焦点を当てているのはトレーディングカード。公式サイトのマーケットには、ポケモンや各種スポーツの収集カードのNFTが並ぶ。

RWA NFTは実物を売買するため、実物資産の安全な保管、真贋鑑定の精度、手元に欲しい人に向けた輸送技術など、NFTマーケットプレイスの構築と運営以外のところに難しさがあります。だからこそ一朝一夕に参入できない「地盤の堅さ」があります。


ポケモンカードが1枚4億3900万円

NFTアートが何千万円で売買されると聞いて意味が分からないと感じた人が多かったと思いますが、ポケモンカードも最高取引額はリザードンの1枚4億3900万円なのだそうです。これも多くの人にとって理解しがたいと思います。

欲しい人がいれば値段が付く、欲しい人が多ければ億の値段がつくことがある。これはトレーディングカードもNFTアートも本来は同じ仕組みです。NFTやFTそのものにも価値がついて然るべきなのは理解しつつも、多くの人にとっては理解しがたいのも現実です。

またその難しさを悪用して無価値なものにさも価値があるように見せかける「錬金術」「詐欺」が横行しているのも現実です。

RWA NFTは多くの人にとってのNFTのわかりづらさ・怪しさ・意味のなさを解消する重要なユースケースだと考えています。


RWA NFTが解消するもの

RWA NFTの場合、
・多くの人にとって理解ができる実物資産があり、
・その売買をしやすくするために所有者証をNFTで発行し、
・オンライン上で売買する。
・世界中で売買するために世界共通通貨として暗号資産を用いることで安全確実スピーディーに売買を確定させる。
というかたちになります。

これらはNFTである意味や、NFT自体に値段がついている理由がわかりやすいものです。


RWA NFTの市場規模は拡大する

Courtyardの特徴として、実物の収集品をNFTにした場合、そのアイテムが再販される際に1%のキャッシュバックが支払われる。そして、2024年まで、NFTの変換や保管に関連する手数料は無料。近い将来、CourtyardのNFTを担保に、低金利の融資を受けることも考えられている。

Market Decipherによると、切手、レアコイン、トレカ、スニーカーなどを含む世界の収集品市場の規模は2021年に4,120億ドル、2032年までに7,000億ドルに達すると予想される。トークン化の普及により、地域的な制約や輸送コスト、破損リスクが軽減され、より多くの人々が市場に参入しやすくなるだろう。

さらにRWA NFTの売買に信用が得られれば、RWA NFTを担保にした融資や、まったく種類の違う収集品同士の交換、所有権の細分化による少額投資商品化などに発展することも予想されています。

先述の通り、コレクターズアイテム系のRWA NFTは、鑑定と保管をしっかりできる事業者しか手が出せない参入障壁の高いジャンルではあります。

不動産や株式などのRWA NFTは、登記簿や株券などオフラインまたはオフチェーンで管理されているものとどうやって連動するのかの仕組みと法律の課題はあります。

しかし大きい流れとしては実物資産のオンライン売買の手法としてRWA NFTは今後メジャーなものになっていくと考えられています。そうなれば「NFTは怪しい」と一律に否定されていたNFTが広く普及するきっかけにもなりますし、NFTというものを意識せずに「トレカをオンラインで売買する」だけの意識になる、真のマスアダプションが実現するのだろうと思います。

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