『PSVR2条件付きで予約開始。転売しない人証明NFTが流行する?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.11.23
■PSVR2、予約開始 条件は「PS5・PS4で20時間以上ゲームをプレイ」
PSVR2の予約受付が始まりました。せっかくPS5を持っているので「当たればご縁」と申し込みはしました。
PSVR2は7万4,980円(税込)と非常に高額なうえPS5本体も必要で、動くようにするまでに約12万5,000円かかりますが、おそらく発売からしばらくは売り切れ状態が続くんだろうと思います。
そうなると転売が増えるわけですが、転売対策として今回の予約で「PS5・PS4で20時間以上ゲームをプレイ」しているPSNアカウントからの予約のみを受け付けるという方針を打ち出しました。
PSVR2きっかけでPS5とセットで初めて買う人は入手できないなど弊害もあると思いますが、転売対策に加えて「古参のファンを大切にする」というニュアンスで今後はこの販売方法がもっと増えるんじゃないかと思います。
「古参のファンを大切にする販売戦略」+「転売ヤー対策」の事例をいくつか挙げていきましょう。
■PlayStation5初期発売時のヨドバシカメラの対応
ヨドバシカメラも、予約方法の発表より前の日付までで「利用履歴がある」人だけを予約対象としました。
これは転売対策の方がメインだと思いますが「自社顧客を優遇しますよ」という姿勢でもあります。
■CryptoNinja Partners(CNP)などNFT
「自社顧客を優先しますよ」の文脈だとCNPホルダーがCNPJなどCNPシリーズのNFTを優先購入できる、という仕組みはそれに当たります。
CNPの場合はCNPシリーズ以外の優先購入権が配布されることも多いため「自社顧客を優先」に留まらないですが、NFTプロジェクトでは「次のNFTコレクションの優先販売権」というのは多く実施されています。
転売ヤー対策というより転売屋の呼び込み施策になっているように見えなくもありませんが、ウォレットを見れば売買履歴がわかりALを渡す相手を審査することもNFTは簡単ですからNFTプロジェクトの運営方針次第です。
パジさんが実験的にやられているCC0のNFTをAIアートでジェネラティブ化する通称「dシリーズ」も、過去作をたくさん持っている人が優先で次のコレクションを入手できる仕組みを採っています。
「dシリーズ」の場合は販売ではなくフリーミントですが、熱量が高くしっかり長期間応援してくれるファンに持ってもらいたいという狙いがはっきりした展開の仕方です。
■新車の納車が5年待ち?自動車転売ヤーも登場
新車の納車が長期化していることもニュースになっています。長い車種だとトヨタランドクルーザーが4年~5年、他の車種でも納車まで1年以上待つ車種が数多くあります。
半導体不足など原因はともかく、新車が手に入りにいと中古車の値段が上がり、中には新車価格を大きく超える高値で取引されるケースもあります。そうなると転売ヤーも登場します。高級車だと100万円単位で利益が出せますし、動産価値がもともとあるので損しづらいというのも転売される理由でしょう。
今は「自社顧客を優先」という方針は採っていないのではないかと思いますが、転売が問題になるなら「トヨタ車オーナー、ランクルオーナー優先」という対応も今後あり得るんじゃないかと思います。
■善良な購入者であることを証明するNFT活用で転売防止もあるか
アルファロメオのSUV「トナーレ」は履歴管理にNFTを活用した世界初の自動車だとされています。
メンテナンス履歴を車両情報にきちんと記録するためにNFTを活用し、NFTを参照することできちんとディーラーでメンテナンスされている優良個体だということが改竄不可能なかたちで証明される、というNFTらしい使い方が想定されています。
さらに加えて購入者の履歴もNFTで管理するようにすれば、「このオーナーは転売せずにアルファロメオを長く愛してくれる人だ」や「アルファロメオブランドから浮気しない人だ」というオーナー側のふるまいを証明できるようになりそうです。
冒頭のPSVR2の販売方法もPS4/5をきちんとプレイしている人に限るとしていますが、20時間プレイはハードルが低く、また転売が発覚した場合も予約取り消しのみ、転売目的であることが事前に発覚するとは思えませんので実効性は低そうです。
より濃いファンから優先して販売します、もし転売が後から発覚したらPSNアカウントをBANします、だと抑止力は超強力だったと思います。転売ヤーは今後のためにPSNアカウントを育成する抜け道を考えるのかもしれませんが。
将来は善良な購入者であることをNFT/SBTで証明する、という時代が来るような気がします。クレジットスコアのような考え方ですが、データ化社会は広まっていく方向。
しかもNFTならメーカーごとに中央集権的に発行する必要もなければ自動車に限る必要もなく、広く共通化することも可能になるはずです。転売ヤーではないぞ!の善良さをNFTで証明する時代は必ず来る、はず。
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