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『スマートロック・デジタルキーに標準規格「Aliro」アップル・グーグルも参加はすべての「鍵」統一の布石』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.11.14


■スマートロック・デジタルキーに標準規格「Aliro」 アップル・グーグルも参加

Connectivity Standards Alliance (CSA)は9日(米国時間)、デジタルキーの相互運用性を高める新規格「Aliro」を発表した。ドアや鍵などを手掛けるAllegion、ASSA ABLOY、スマートロックのLast Lockなどのほか、AppleやGoogle、Infineon、Qualcomm、サムスン、STMicroelectronicらも参画する。

ドアの鍵をスマホなどで解錠するデジタルキーの規格を統一しましょう、という話がアメリカで進んでいるそうです。

デジタルキーはいろんなメーカーがそれぞれ展開しています。

LIXILが「顔認証玄関ドア」を発表したことを以前ご紹介しました。
我が家も「SwitchBotロック+指紋認証パッド」を導入して超快適です。

しかし、鍵は本来、ドアと鍵で一対であればよく、他のドアとの共通性はいらないはずです。

玄関ドアの鍵の規格を統一する意味と狙いは一体何でしょう?
それはきっと、「幅広い認証IDのデファクトスタンダードを獲ること」ではないかと思います。


自宅・オフィス・ホテルなどの鍵をアプリで共通化

Ariloでは、NFC、Bluetooth Low Energy(BLE)、Ultra Wideband(UWB)、非対称暗号などを採用し、クレデンシャル・データを定義。相互運用可能でシンプル、安全なソリューションを確立し、デジタル利用できるカードリーダの設置を加速していく。自宅や企業オフィス・施設、倉庫、ホテルの部屋など様々な場所での採用を見込めるという。

自宅だけでなく、企業オフィス、施設、倉庫、ホテルなどのドアでも共通化を図っていくとしています。

オフィスに入る時ための専用のIDカードを持っている方も多くいると思いますが、自宅のドアを解錠するアプリひとつでオフィスにも入れると便利だと思いませんか?

また、出張や旅行で宿泊するホテルも、自宅用の鍵アプリだけで開けられたら、鍵をなくす心配がなくなって安心ですよね。

オフィスやホテル側も、権限を付与するだけなので設備投資が少なくて済み、運用も楽になります。

このように、物理的なドアの鍵を共通アプリひとつにまとめることで、とても便利になります。


ドアの鍵=幅広く使える個人認証キー

物理的なドアを開ける鍵というだけでなく、メタ的に「鍵」を共通化すると捉えるとどうでしょう?

各種Webサービスにログインするための「鍵」、お店で支払いする時に財布を開ける「鍵」、自分の過去の経歴書にアクセスするための「鍵」。

これらが「家の玄関の鍵」で開けられるようになったらどうでしょう?

いまWeb3界隈で「暗号資産ウォレット」というものに期待されている機能や役割、そして分散型ID、通称DID(Decentralized ID)と呼ばれるIDはその発想に近いように思います。

鍵束やキーケースのようなイメージで、「鍵」の中に自分の顔・目の虹彩・指紋などの生体情報をぶら下げておけば、サービスごとに顔認証の登録をする必要がなくなり、このサービスに顔情報を使用するかどうかをユーザーが決めればいい、という使い方ができるようになります。

さらにマイナンバーなど国民番号を自分の鍵束の「下」にぶら下げることで、行政サービスや納税などでマイナンバーを使うかどうかをユーザーが決めればよくなります。


AppleとGoogleは「鍵」を狙う

こんな構想の「鍵」のデファクトスタンダードはいろんなメーカーが狙っています。最有力はやはりiPhoneのAppleとAndroidのGoogleでしょうか。

玄関ドアのキーレス化の技術仕様を標準化しよう、という話ではありますが、ここまで狙ってるかもね?という妄想でした。でもきっとAppleやGoogleは狙っていると思うんですよね。

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