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『「AI後付け」とAIネイティブ社会の未来』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.7.17

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■パレット積載ロボに「AI後付け」、物流改革に挑むスタートアップ

倉庫のパレット積載作業にAIを後付けする技術が注目を集めています。
米国のスタートアップ、ジャコビ・ロボティクス(Jacobi Robotics)は、既存のロボットアームにAIを後付けするソフトウェアを開発しました。

このソフトウェアは、深層学習と最適化手法を組み合わせて、ロボットアームの動作を迅速かつ安全に計画し、訓練期間を短縮しつつ動作計算を高速化します。

既存の設備やシステムにAIを追加することで、新たな価値を生み出すという発想はとても現実的です。既存のスマホにChatGPTアプリをインストールすることでAIスマホにするという捉え方というと分かりやすいでしょうか。

では、他にどのようなものにAIを後付けすることができるのでしょうか?


「AIを後付け」できそうなもの

農業機械
例えば、トラクターや収穫機にAIを後付けすることが考えられます。AIカメラやセンサーを装備することで、作物の状態や土壌の条件をリアルタイムで監視し、最適な作業スケジュールや経路を計算して自動運転や精密農業を実現します。

家電製品
冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの家電製品にAIセンサーとクラウド接続を追加することで、ユーザーの使用パターンを学習し、エネルギー効率を最適化できます。例えば、冷蔵庫なら食品の在庫管理を行い、賞味期限が近いものを通知したり、洗濯機なら最適な洗濯コースを自動で選択・提案することができます。

都市インフラ
もっと大きく捉えてみましょう。街灯や信号機にAIカメラとセンサーを設置することで、交通量や歩行者の動きをリアルタイムで監視し、AIアルゴリズムを使って信号のタイミングを最適化します。これにより、交通渋滞が軽減され、エネルギー消費が削減されます。また、異常な動きを検知して安全性を向上させることもできます。


後付けの次に登場する「AIネイティブデバイス」

AIを後付けすることで多くの既存製品が進化させられることは間違いありませんが、後付けでは限界もあります。

後付けの次には、AIが初めから組み込まれ、AIを前提として設計された「AIネイティブデバイス」が登場してくるでしょう。

AIネイティブ住宅
AIが建物全体に組み込まれた住宅では、エネルギー管理、セキュリティ、照明、温度調整がすべて自動化されます。住人の行動パターンを学習し、最適な環境を提供することで、従来のスマートホームよりも高度な自動化と最適化が実現します。

AIネイティブ車両
完全自動運転を実現するAIネイティブ車両では、リアルタイムで道路状況を分析し、予防保守を行います。また、車内エンターテインメントやナビゲーションもAIが最適化し、人間の運転よりも安全で効率的な交通システムが構築されます。

AIネイティブウェアラブルデバイス
AIが組み込まれたウェアラブルデバイスは、リアルタイムで健康状態をモニタリングし、異常を検知します。運動プランや食事管理を提供し、自己学習機能でパーソナライズされたフィードバックを行います。これにより、個別化された健康管理が可能となり、生活習慣病の予防や管理が飛躍的に向上します。


AIネイティブ社会の展望と課題

各種デバイスにAIが後付けされ、さらにAIネイティブデバイスに置き換わっていくことが予想されますが、その終着点は、社会OSにAIがインストールされた「AIネイティブ社会」です。

AIネイティブ社会では、効率的で快適な生活が実現します。例えば、スマートシティは交通やエネルギー管理を最適化し、住民の生活の質を向上させます。医療分野では、AIが個々の健康状態をモニタリングし、予防医療を推進します。教育分野では、AIが学習進捗を分析し、パーソナライズされた教育を提供します。

一方で、AIネイティブ社会には課題もあります。
まず、プライバシーの問題です。常時監視というと言葉が強すぎますが、AIを駆動させるためにセンサーなどでモニタリングされる社会では、個人情報の保護の範囲や仕方が課題になります。

また、技術格差が広がる可能性もあります。先進的なAI技術を享受できる人々とそうでない人々との間に格差が生じることが懸念されます。さらに、AIの決定が人間に与える影響についての倫理的な問題もあります。

AIの後付けから始まり、AIネイティブデバイスへ移行するに従って、生活が便利で快適になるのは間違いありません。これは産業革命や自動車の発明、パソコンやスマホの普及など何度も人類が経験してきたことです。

そして、その時々で課題が発見され、解決したり折り合いをつけたりしてきたのも経験済みです。そういう意味で私は前向きで楽観的に捉えています。

AIの進化スピードが速いといっても、AIネイティブ社会に完全移行するにはそれなりの年月がかかるだろうと思います。その間にできるだけ早くAIネイティブなOSを手に入れた人は生きやすいだろうと思います。

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