『自民党web3PTが「DAOルールメイクハッカソン」を開催』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.11.3
■自民党web3PTが「DAOルールメイクハッカソン」を開催
DAOといえば、昨年末に【NFT・トークン・暗号資産と法務】をお題に、AZX総合法律事務所の原 悠弥弁護士、web3会計士の水地 一彰さんとウェビナーに登壇させていただいた時に、ウェビナー開始直前まで3人それぞれの「DAOとは?」を話していたことを思い出します。
あれからもう1年かー。時間が経つのは早いですね。
昨日、おなじく自民党web3PTが主催で、事業者から法改正のポイントのヒアリング会も開かれました。「DAOルールメイクハッカソン」も含めてweb3、ブロックチェーン、DAOを実際に社会に実装することに本気なようです。
原先生、水地先生と3人で話した「DAOってなんだろう?」
原先生、水地先生と3人で「DAOってなんだろう?」について話していたときに出たのは、
・DAOはスマートコントラクトを信じる人の集まり。
・支払いの自動化が重要。ガバナンストークンや投票がDAOじゃない。
・DAOを法人格にすることはできるのか?法人格にする必要性は?LLCじゃダメなのか?
・DAOが法人でないと、特に大企業が契約できない。大企業が契約できないとDAOが普及しない。
・企業内DAOとはどういう法的存在になるのか?
・DAOに代表者は存在し得るのか?
・DAOメンバーに善管注意義務は負わせられるのか?
・DAOメンバーの匿名性は認められるのか?
こんなことを話していたように思います。もう1年前のことなのではっきりとは覚えていませんが。
ある程度DAOがどんなものなのかをご存じの方じゃないと上記は何を言っているのかわからないですね。今回はそのあたりの説明は端折ります。
モリプトのDAO観
私が興味があるのは、DAOの法人格化です。
大企業との契約ができるようになることが、DAOそのものやDAOで収入を得ることが一般化するのに重要だと考えます。
発注者と受注者というある意味主従の関係ではなく、トレジャーハンター・バウンティハンターという、転がっている案件をクリアした人が報酬を獲得するのがDAOという感覚があります。
請負契約のように、私が・あなたに発注します。というかたちではなく、やってほしいことはコレです・条件はこうです。を提示し、事前契約なしでもクリアした人が報酬をもらえます。
ガバナンストークンやNFTなどを持っている人がメンバーとして認められ、投票によってトレジャリー(DAOの予算)の使途を決める部分は、あまり機能しないんじゃないかと思っています。リーダーがいるDAOだとある程度同質化して投票結果がリーダーの意見に引っ張られ、リーダーがいなければDAOのポリシーとは無関係にマネーハック的な意見に振り回される気もします。
非上場株式会社よりは資本参加しやすい仕組み、という点はおもしろそうだと感じます。「推し活」ではともすると搾取する側と貢ぐ側の二項になりますが、貢ぐ側も推しが成功すると金銭的リターンが得られる仕組みに改善できます。
トークンやブロックチェーンは必要・・・なのか?まだわかりません。透明性は必要でしょうが、約束をある程度果たされる実績があれば、ウーバーイーツに代表される株式会社でのギグワーカーの仕組みや、クラウドワークス・ランサーズのような単発案件仲介の仕組みでも、かなり近いことが実現できます。企業の信用に依拠するか、ブロックチェーンの透明性に依拠するかの違いで、プライベートチェーンを使うと意味がなくなります。
他にも論点はたくさんあると思います。
株式会社の発明以来の革新が起きるか?
法整備のポイントを洗い出すことも、日本だけでなく国際的な共通ルールにすることも必要です。これができれば「株式会社の発明以来の革新」が起きると期待する向きもあります。
かたや正社員雇用が減り、案件単位の受発注やフリーランスの割合やジョブ型雇用、期間の定めのある雇用など不安定な働き方が増えることをDAOが後押しするかもしれません。
人材の流動性を高めるにはリスキリングの支援やセーフティネットを社会的に実装することを同時にやらないと、将来不安から投資が減る恐れもありますので、バランスは大事です。
大きな流れとしてはDAOも含めた個人単位・案件単位で複数の収入先を持つことが増えてはいくと思います。これが時代の流れなら、逆らうより波乗りできた方が幸せになれると思います。
いい会社に就職すると安泰なんて時代は当の昔に終わっていますが、これから就職する若い人も、いわゆる転職はもう厳しいベテランも、DAOのような新しい働き方が皆を幸せにする方向で機能してほしいと思います。間違っても資本家の搾取の道具に使われませんように。
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