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『実写ダンスをアニメ化するAIの爆速進化と生活インパクト』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.4.14

■実写をアニメ化するAIはここまで来た!

ChatGPTは多くの人にとって日常で実用的で、だからこそ注目を集めているわけですが、その前にAIブームの入り口を作った画像生成系AIも進化を続けています。

もう実写と見分けがつかないグラビアアイドルを描けるようになったりもしていますし、動画生成やアニメ生成の方向にも進化しています。

中でも衝撃的だったのがこのツイートの動画。

実写のダンス動画をアニメーション画風に変換しています。しかも背景と人間の境目を理解して輪郭もきちんと取れていますし、骨格を理解しているのでダンスでの顔の向きや肩の入り方なども自然、画風だけアニメになったような違和感もありません。

このAI技術でエンタメ業界が変われば、絵や動画を直接制作することがない多くの人にとっても日常触れるコンテンツの量と質が変わり、ひいては生活や価値観が大きく変わるはずです。


チェーンソーマンOPダンス「踊ってみた」も変わる

記憶に新しいところでは、大人気アニメ「チェーンソーマン」オープニングでデンジとパワーちゃんがダンスしているシーンが1:20頃にあります。(上記の動画は1:20のダンスシーンから再生されます。)

アニメ制作現場の作画技術とCG技術によって素晴らしいダンスをアニメーションで表現されています。

そしてこのアニメーションのダンスを見た人が「踊ってみた」動画を多数アップしています。

アニメをきっかけに「踊ってみた」で祭りが起きるのはもはや珍しくなくなっていますし、アニメ側も「踊ってみた」でバズることを期待して、狙って真似しやすいダンスを入れたりもしているはずです。

このダンスシーンが、モーショングラフィックスよりも簡単・安価に作れるようになるとすれば、もっと「元ネタ」が増えるはずです。

そして一般人にもこの技術が使えるようになれば、「踊ってみた」動画を撮った後にさらにキャラ変させたダンス動画にすることもできるようになります。


モーショングラフィックスとの違いは?

モーショングラフィックスと今回のAIアニメ化技術の違いは、あくまでも2Dの動画をアニメ画風にしているため、物体としての大きさや奥行などをデータとして持たない点です。

現代のアニメ制作現場でもフル3D CGで制作しているわけではなく、2Dアニメーションデータとして生成されたダンスシーンをそのまま平面動画として割り付ける方が実用的です。


アニメ画風以外、実物の人間やリアルなモンスターにも

今回はアニメ画風に自動変換していますが、実物の人間やリアルなモンスターなどアニメ以外の見た目にも変換することが期待されます。

「Shape of You」で有名な歌手、エド・シーランが『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にコッソリ出演していたというバズネタがありました。

上記のエイリアンがエドシーランなのだそうです。
ガッツリCGをかぶせてしまっていますのでエドシーランの面影はありません。

エドシーランの動きに合わせてエイリアンの見た目にする加工の予算と期間はものすごいものだったでしょう。

しかし今回のAI技術の発展で圧倒的に安価・短期に制作可能になります。そうすると『スターウォーズ』のような大作でなくても技術的には同じ表現が使えるようになります。

映画の制作者が採れる選択肢が広がり、ビジュアルクオリティのボーダーラインが上がれば、映画を見る視聴者の楽しみも広がり目も肥えます。


テレビCMや屋外広告など目にするビジュアルすべてAI化

テレビドラマなど映画と比べて短期制作の作品でも使えれば表現の幅が広がります。15秒のテレビCMや屋外広告、タクシー広告にも使われたり、平面画像に切り出してポスターに使われることもあるでしょう。

これだけのものがAI CGで量産可能になると、冒頭でお伝えした通り「絵や動画を直接制作することがない多くの人にとっても日常触れるコンテンツの量と質が変わり、ひいては生活や価値観が大きく変わるはず」です。


タレント業への影響は大きい、AI CG専門事務所も

タレントの在り方はかなり変わりそうです。
ビジュアル+人間性+パフォーマンスの総合力がタレント性だったはずが、他人の動き+CGビジュアルでも代替できるようになったり、初めから存在しないバーチャルタレントも登場しやすくなります。

既にタレントとして認知されている人はAI CG技術で稼働を下げつつ出演機会を増やしたり、老いをカバーしたり、演じる幅を広げるためにCGを使うなど前向きに使えそうです。

ダンサーなど一芸に秀でている人も、いろんなAI CGの「中の人」として活躍の場が広がりそうです。

ゲームやアニメなどIPのキャラクターの活躍の場も増えるでしょう。
IPキャラのタレント化が進めばAI CG専門事務所も作られるはず。ベンチャー的なAI CG専業事務所から、大手芸能事務所のAI CGタレント部門・IP管理部門の設立まで、数か月内に乱立するんじゃないかと思います。

かたやバーチャルタレントに代替されたり、ギャラ低減の圧力が高まることも予想されます。映像越しに活躍する人が最も影響が大きく、地方営業や舞台で生身に活躍する人は比較的影響が小さいと思いますが、フィジカル頼りになるため、これまで通り時代の変化と自身の健康寿命が勝負にもなります。

AI CGは文字通り「目に見える」変化を及ぼします。個人的には好意的に捉えていますが、影響を食らう当事者は死活問題です。いずれにせよ止められないなら、このAI時代の波を乗りこなす方が前向きなはず。波乗りを楽しみましょう。

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