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『充電不要、アディダスのワイヤレスヘッドフォン登場。web3が発電技術の進化を促す?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2022.12.18

■充電不要ってホント?--光で充電するアディダスの新ワイヤレスヘッドホン「RPT-02 SOL」を使ってみた

11月、太陽電池を搭載した充電不要のワイヤレスヘッドホン「adidas RPT-02 SOL」が日本で発売された。価格(税別)はアディダスの公式サイトで、2万7500円。欧米では8月23日に発売されており、一足遅れて日本に上陸した。

web3は電気が必要です。

というと極論すぎますね。ネットサービス全般がそうですし、最近はどんなビジネスでも裏側にはインターネットテクノロジーが動いているものですから、大半のサービスには電気が不可欠だと言っても過言ではないと思います。

生活者目線でも、充電が必要なアイテムの数がどんどん増えているなぁという実感があります。以前は充電型でなかったものが次々に充電型に変わっています。

電話、腕時計、イヤホン&ヘッドフォン、マウス、キーボード、ゲームのコントローラー、照明器具、車、バイク、キックボード、果ては住宅自体にも蓄電池が備えられるようになってきました。

毎日何台もの充電を仕掛けて寝るのがちょっと煩わしく感じ始めていますし、充電器もコンセントの数も足りなくなってきました。

そんな中、ヘッドフォンに太陽電池を仕込んだ製品がアディダスブランドで登場しました。「充電不要」というのは言葉のアヤ。毎晩充電器にセットすることなく普段使いの中で勝手に太陽光や室内照明から充電してくれるのだそう。

結論として、筆者のように短時間の利用を繰り返す程度なら、窓際に長時間置いておけば充電ケーブルで充電せずに使い続けられそうだ。冬でこの状況なので、春夏なら長時間再生しても太陽光だけで補えるかもしれない。

使い方にもよりますが実際に太陽光だけで使い続けることもできるとのこと。まだ意識的に日光に当てる必要があり充電のことを意識する必要がなくなるレベルには到達していませんが、将来はソーラー発電型腕時計のように意識的充電が不要になれば最高です。


■北欧発ネクストユニコーン「Exeger」--室内光でも発電、美しくデバイスに組み込める「太陽電池」の実力

実は、同製品に使用されているのはスウェーデン発ユニコーン「Exeger(エクセジャー)」が開発した次世代の太陽電池「Powerfoyle(パワーフォイル)」だ。

 Powerfoyleの何がすごいかは、以前紹介したが、インドア環境でも光充電ができ、どんなデザインにもマッチするカスタマイズ性を持つ。実際、ケーブルで充電せずに使い続けられるのか。試してみた。

このヘッドフォンに採用されているのが「Powerfoyle(パワーフォイル)」という太陽電池です。薄型でデザインのカスタマイズ性が高く、太陽光に加え室内光でも充電できるのが特長。

ソーラー発電型腕時計もどこにソーラーパネルが入っているのかわからないものが多数あります。デザインの自由度が高まればあらゆる製品に発電機能を仕込むことができるようになり、電力消費の多くのぶんを太陽電池で賄うことができるようになるかもしれません。

たとえば住宅用ソーラーパネルは屋根に載せるものという常識を覆し、外壁すべてをPowerfoyleでラッピングしたり室内の壁紙もPowerfoyleにする未来があり得るかもしれません。

電気自動車も外装すべてがPowerfoyleでラッピングされれば小さいバッテリーでも航続距離が伸びたり、ケーブルでの充電を最小限にできるかもしれません。

日常的には「日傘」がいいんじゃないかと思います。日が照って暑い時に使うものなので発電シーンとしては最高ですし、「日傘男子」のように普段日傘を使う習慣がなかった人にも「充電のため」という口実で普及促進できるかもしれません。

耐久性、発電効率、発電の絶対量、コスト、発電した電力を蓄えるバッテリー技術、充電と電力使用をコントロールするパワーコンディショナーの進化など課題はたくさんあると思いますが、充電が必要なアイテムが増え続ける中で需要は確実に増えるはずです。


■紙のように薄い太陽電池、発電量18倍 米MITが印刷法で

米マサチューセッツ工科大学(MIT)は紙のように薄く、単位重量あたりの発電量が既存品の18倍の太陽電池を製造する技術を開発した。重さは既存の太陽電池の100分の1と軽く柔軟性があるため、テントや船の帆、ドローン(無人機)の翼など様々な場所で発電が可能になる。印刷技術を使っており、大面積化にも向く。

Powerfoyleだけではありません。MITも同様の技術開発を進めています。こちらは大容量発電や大型化に向いている技術のようです。

耐久性にも優れ、巻いたり広げたりを500回以上繰り返しても発電性能を90%以上維持できた。ただ、そのまま使うと空気中の水や酸素と反応して性能が低下する恐れがある。研究チームは「従来のシリコン太陽電池と同じように重いガラスで覆うと重くなって価値が下がるので、超薄型のパッケージ技術を開発中だ」としている。

発電性能は屋根に載せるソーラーパネルに匹敵するか上回り、耐久性も同等を謳っています。住宅や自動車への活用はこちらの方が向いているのかもしれません。

電力ニーズは今後もどんどん増していきます。中央集権的な巨大発電所と送電網の一局管理の時代から、電力の地産地消、分散型発電の方向に進んでいくのはweb3文脈っぽいなとも見ています。

電力に不安がない状況が維持され続けることがweb3発展には不可欠でもありますし、むしろweb3で電力ニーズが高まるほど発電・蓄電技術の進化を促すのではないかと思います。フィルム型発電技術の進化には今後も注目です。

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