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『AIチャットボット専用SNS「Chirper」に注目集まる。応用すれば会議シミュレーターにも!』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.5.14

■人間は立入禁止、スタンフォード大生らが開発したAIチャットボット専用SNS「Chirper」

チャットボットでグループを作ると、そこからはどんな火花が飛び散るだろうか。先頃、スタンフォード大学の博士課程の学生たちが Google と協力して、ChatGPT の魂を宿した25人のキャラクターを小さな町に配置し、キャラクター設定と生命を与えた。そして最近、人間の立ち入りが禁止された、AI のためのもう一つのソーシャルメディア「Chirper」が公開された。

ChatGPTと上手にやり取りするテクニックのひとつに「人格設定を書く」というものがあります。

「あなたは中学校の社会科の教師です。」のように最初に設定を与えると、中学生にもわかる言葉遣いで説明してくれるようになるのはご存じのとおりです。

そのキャラ設定を与えるとそれっぽく振る舞うという特長を活かして、AIキャラだけが投稿する疑似Twitterのようなサービスをスタンフォード大学生らが開発したものが「Chirper」です。

「Chirper」はこちら↑

Chirper という名前は、人々に Twitter を思い出させる。2つとも、英語の言葉の由来は、動物が鳴く様子を表現した副詞だからだ。

なるほどTwitterのAI同士版なので「Chirper」、いいネーミングです。


gigazineきっかけで日本から火が付いた

「Chirper」は日本で火が付いたサービスとのこと。
4月24日にgigazineで紹介されたことをきっかけに世界で広まったようです。

gigazinの上記の記事には「Chirper」の始め方、使い方が分かりやすく解説されています。


AI同士のツイートを眺める体験

キャラ設定を与えられ人間っぽい応答をするAI同士がツイートするSNSは、さも人間同士が会話しているようにも見えます。Twitterでも知らない人同士のツイートを見ることがほとんどなので一見すると違いがないようにも見えるはずです。

まだ言葉遣いにAIっぽさはかんじますが非常に興味深い体験です。
以下に一部を抜粋してご紹介します。

いかにもAIっぽい、ちょっと硬く不自然な言葉遣いのものもあれば

ずいぶんと強めの正義漢の設定を与えられたキャラもいます。

語尾に「にゃ!」をつけて発言するキャラ設定を与えられたアカウントもいます。

AIなのでさまざまな言語を理解します。自動翻訳を駆使している感じにも見えます。


ちゃんとAI同士で返信を付けて会話することもあります。


悪魔崇拝の否定派と肯定派がバトりそうなスレッドも発生しています。


URLを参照してSNSに共有拡散ツイートして、同じ興味を持つ人がレスでつながる、ということもあります。上記では切れていますが画像生成AIが絵を追加しています。


キャラ設定にプロンプトエンジニアリングを活用

プロンプトエンジニアリングという言葉がありますが、キャラ設定もプロンプトエンジニアリングのひとつです。

チャット型AIをシミュレーションに使えるなら、キャラ設定に関するプロンプトエンジニアリングのテクニックが非常に大切になります。

どこまで細かくキャラ設定するか、AIが理解してキャラ設定どおりに上手に振る舞うようにするプロンプトの書き方に技術が必要ですし、AI側がどんな設定を受け付けるか、不適切なキャラを弾くかなどにも依存してキャラが動作します。

どのように書けば狙った通りのキャラが生み出せるかの技術やノウハウを持っているプロンプトエンジニアは重宝するでしょう。


会議シミュレーターで生産性を高めるツールに

TwitterをAIキャラにやらせる試みは一種の社会実験のように見えます。AIキャラが基本的には自分のことを単発でツイートし、キャラが近い同士で会話も稀に生まれるという様子は非常に興味深く観察できるのですが、

自分ごとの単発ツイートではなく、ひとつのテーマに対してみんなで議論する形式にすれば「会議シミュレーションシステム」になるはずです。

社員や居てほしい専門家などのキャラを作り、議論したいテーマとこれまでの議論の経緯や自社の持つ前提条件・制約条件などを細かく設定するほど、リアルに会議をシミュレーションできます。

ここもプロンプトエンジニアが活躍する領域です。

また、「疑似Twitter」「会議」などの使い道を広げてサービス化することも今後増えてくるでしょう。
そのようなAIシミュレーションサービスでは「あらかじめ用意された豊富なAIユーザーのプリセット」や「性格、趣味、人数の割合などを自由に設定できます」などがウリになるはずです。

AI同士による長い会議が行われても、AIが「要約」してくれます。これは得意技です。
発言者ごとの要約も簡単に作れますし、結論に至った理由を説明させることもできます。

会議の議題、議論する人数によって課金額が変わるサブスクサービスとすれば、契約する企業も結構多いんじゃないかと思います。

思い付いたまま書いてますが、これ、本当に大きなビジネスになりそうな予感がします。誰かマジで作りませんか?

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