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『アニモカCEO「仮想通貨はAIのネイティブ通貨になる」web3×A2A×メタバースの世界線』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.6.21

■アニモカブランズCEO「仮想通貨はAIのネイティブ通貨になる」【独自】

AIはブロックチェーンと強い相互関係がある。(AIを使った)ブロックチェーンゲームの中の非プレイヤーキャラクターは、キャラクター同士で互いに取引を行うことになる」とユン氏は語った。

また、ブロックチェーンゲーム内の非プレイヤーキャラクター間の取引は、おそらく仮想通貨を使って行われるだろうとユン氏は指摘。「仮想通貨はAIのネイティブ通貨になる」。

AIが人間の仕事を奪う。AIは便利なツールとして習得すべき。
・・・と、人間にとってAIとは?という話題が多い中で、アニモカブランズのロビー・ユンCEOは「AIとAIによるコミュニケーション」のほうに注目しているというインタビュー内容です。


M2MのAI版「A2A」

M2M(Machine to Machine)という言葉があります。

M2M(Machine to Machine)とは、ネットワークに接続されたモノ同士が直接的に通信を行い、データの送受信および機器の自動制御などを行う技術を指します。

機械=マシン同士がネットワーク通信を行い相互連携などを行う、人間がタッチしなくても自動制御される技術をM2Mと呼びます。

まず、センサーやデバイスなどの「モノ」同士が有線・無線を通じて情報をやり取りします。インターネット接続もありますが、M2Mは閉じたネットワーク内での通信がメインとなります。一方、IoTはインターネットを介して情報のやり取りが行われます。センサーやデバイスから得られた情報は通常のSIMまたはMVNO SIMなどを通じてネットワークに送られます。

上記の説明のように、M2Mで想定されているのはハードウェア同士の通信コミュニケーションです。

対してユンCEOは、AIで作られたNPC(Non-Player Character)を例に挙げ、AI=ソフトウェア同士のコミュニケーションや取引が行われるようになるだろうと指摘しています。


超広義なメタバースはA2Aの世界

AI NPCは人間の見た目をしている必要はありません。メタバースで建物の形をしているAIが来場者をモニタリングしていてもいいですし、DeFiでトークン交換ログを分析するAIがGameFiと連携して交換レートを自動制御してもよい。

人間が操作するアバターが3D空間でうろつくワールドをメタバースだとイメージしますが、AI NPCで人間が操作していないアバターもいれば、犬になりきっている中身は人間もいれば、AIが制御する建物もあれば、空間的なサイズを持っていない概念だけのAIもいるのが超広義なメタバースだと捉えるとユン氏の考えるA2Aの世界観がイメージしやすいと思います。

AI同士が自律的にコミュニケーションし社会を形成し取引する世界がメタバースの究極の姿で、ゴーグルをかぶって人間同士が会話する世界がメタバースではなかった、と振り返る日が来るかもしれません。


A2Aの金銭取引には仮想通貨が適している

AI同士の取引に物理的な現金は当然使えませんし、銀行に記録保管されている法定通貨は人間のみが操作できるように設計されているためAIにとっては扱いづらいものです。やれて人間に代わって入力操作を代行する程度にとどまります。

そこで必要になるのが仮想通貨です。

非中央集権化され自由な取引が可能なDeFiで扱われる仮想通貨は、すでに自動取引の対象になっています。もっとも現物株式市場もFX市場もプログラム制御による自動取引が行われていますが、DeFiは取引市場自体が自由に作れるうえ、取引する対象のトークン自体も自由に作れます。

人間の代わりとしてのAIではなくAI同士の取引には仮想通貨の方が制約が低く扱いやすいのは間違いありません。


A2Aを人間が観察可能なブロックチェーンが必要

仮想通貨の取引はパブリックブロックチェーンによってすべての内容が可視化されるため、株式の自動取引よりも透明性が高く、かつ人間があとから「AIが何をしたのか」を確認することができます。

ソフトウェアワールドの中でAI同士が取引をして結果だけを伝えるA2Aは、人間にとっては非常にわかりづらくなります。クローズドな中央集権的サービスのログでは一般ユーザーは取引の結果だけ知らされても納得できないでしょうから、オープンなブロックチェーンで見えるところで取引してほしいと考えるはずです。


オープンなオンチェーンデータがA2Aの学習素材に

しかしオンチェーンデータはやはりAIのためにあると考えた方がよいように思います。人間が観察できるようにする目的よりも、誰もがオープンデータをもとにAIを学習させられる環境がブロックチェーンだと捉えた方が、今後のA2Aの世界線を理解するのに当を得ていると感じます。


AIを対象としたマーケティングも

SNSなどネット上の人間関係や趣味嗜好性を分析するソーシャルグラフマーケティングという考え方があります。これはあくまでも人間観察の方法で、マーケティングの対象は人間です。

A2Aでの取引額が大きくなってくれば、ソーシャルグラフマーケティングの対象はAIにシフトするはずです。AIの取引に対して上手に影響を与えたり、人間に雇われた執事AI NPCに対して上手にセール情報を持って帰ってもらいオーナーである人間を上手に動かそうとするようなアクションが想定されます。


そんな世界線で人間はどう過ごす?

A2Aの世界を構築すること自体はとても面白そうだと個人的には思いますが、構築に携わらない多くの人はこんな別世界=メタバースが作られた時どう過ごすものでしょうか。

寝ていてもAIがメタバースで稼いできてくれる、のもおそらく一部の人に限られるでしょう。これがベーシックインカムとして機能するかもしれませんが、富が富を生む偏在はおそらく今後も維持されるでしょう。

AIによる報酬がわずかでも生活できる物価や貨幣価値が低い発展途上国の方がA2Aメタバースの経済圏からの恩恵は大きいかもしれません。FIRE状態をAIで作れるとしたら今注目されているアフリカやグローバルサウスで、先進国は相変わらず人間関係にもまれながら馬車馬のように働く状態が続いているのかもしれません。

アニモカのユンCEOがどんな世界線を見ているのか、その一部が垣間見れたインタビュー記事でした。私自身はA2Aが実現した世界は面白いし興味深いと考える側です。生きているうちにどこまで実現されるか、どこまで自分自身が関与できるか楽しみです。

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