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『中国で大流行の「ライブコマース」 日本で全然流行らないのはなぜ?』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.8.27


■中国で大流行の「ライブコマース」 日本で全然流行らないのはなぜ?AIに聞いてみたシリーズ

 ライブ配信を使って商品を紹介し、オンラインショッピングでの購入を促す「ライブコマース」が注目されています。しかし、中国でライブコマースが爆発的に普及している一方で、欧米や日本においては、挑戦する企業はあってもなかなか大流行とまではいかないようです。その理由はなぜなのか、OpenAIが提供するAIチャットbot「ChatGPT」に聞いてみました。

中国ではライブコマース市場が50兆円市場なのだそうです。巨大市場に急成長するならば、と日本や欧米でもライブコマースに挑戦する企業が多数登場するも、中国以外ではいまだにブームの兆しすらありません。

今回ご紹介するのは、ライブコマースが中国だけで流行る理由、日本で流行らない理由、日本で流行るために何が必要か、などをChatGPTに聞いてみた。という「AIに聞いてみた」シリーズの記事で、それ自体が面白い試みです。「AIに聞いてみた」は習慣づけたいですね。

上記記事内での結論はITメディアに無料登録して読んでもらうとして、私も同じくChatGPTに聞いてみました。いろいろ理由が挙がりましたが、中でも興味深い返答がいくつかありました。


日本はEC化率が低い

日本のEC化率は、BtoC-ECで8.08%(前年比1.32ポイント増)

ChatGPTによる返答

に対し、

ライブコマースが日本で流行らない裏事情、なぜ中国だけで「50兆円市場」に化けたのか |ビジネス+IT (sbbit.jp)

によると中国のEC化率は

2021年のEC化率は29.7%、つまり10の商品のうち3つはECで買われていることになる。

ビジネス+ITより引用

と、日本の3.67倍もECでモノが買われる状況だそうです。

EC化率が高いということは、ECに対応できる一般消費者がそれだけ多いとは言えますが、日本でも「ECで買える人」の割合そのものは低くはないはずです。

それよりも違いとして現れるのはECサイト同士の競争の激化です。

中国では、モバイルインターネットの普及やECサイトの普及が一気に来た都合、実店舗から徐々にECに移行する期間がなく一気にEC化してしまい、そのため苛烈なEC間の競争が生まれました。

ECサイト同士で超短期間に進化競争をした結果、OMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)や他社との差別化という意味で、ライブコマースという販売形態が生まれたと言えます。


ライブコマースのほうが圧倒的に安く買える中国

ライブコマースが中国で流行ったのは、まずはシンプルに「通常のECより圧倒的に安く買える」から。

ライブコマースが日本で流行らない裏事情、なぜ中国だけで「50兆円市場」に化けたのか |ビジネス+IT (sbbit.jp)

によると、

 ライブコマースを利用する消費者側の動機は極めて単純だ。ライブコマースでは同じ商品が破格の割引率で安く買えるのだ。半額は当たり前で、1/3ほどになることもある。

 中国のウェブメディア「老高電商管理」が、2022年6月18日に行われたセールの子ども用品について、ECでの販売価格とライブコマースでの販売価格を調査し、割引率のランキングを発表している。それによると、コップの割引率は64.6%にも達した。1/3以下の価格で同じものが買えたのだ。

ECで買う人が増え、ECサイトが乱立して競争が激化した時、まず起きたことは圧倒的な割引販売での集客です。

しかし通常のECサイトで割引販売すると売り手側が損するだけで終わります。初回は安くても2回目以降でしっかり利益を出す、習慣的に同じECサイトで買ってもらう、高利益率の商品も一緒に買ってもらう、などの工夫をしようとすると、ライブコマースの手法は適しています。


テレビショッピングと違うライブ感

中国でのライブコマースは、ライバーが同じ商品を同じ金額で売る「テレビショッピング」のようなものではありません。

「今から5分間だけ」「先着1000名のみ」などの条件がつけられる。すぐに購入ボタンを連打して購入しなければならない。「安くてお得」が基本だが、ゲーム的な演出も楽しみの1つになっている。

ライブであることを活かした売り方を行うのは当然。
そこで圧倒的にお得な買い物体験をさせつつ登録させて、あとからセール情報を届けることに重きを置いています。

 日本でも、健康食品などの定期販売で同様の手法が使われている。「初回無料」「初回は驚きの特別価格」などだ。初回分は損をしても、その後に継続的に商品を買ってもらうことでじゅうぶんにそろばんが合う。サブスクリプションサービスの「3カ月無料」などと同様の考え方だ。

2回目以降の購入も安くなければ買わなくなるはずですが、他のECサイトやライブコマースサイトとの競争の中で「他の店に行かせない」ことが重要な戦術になっているようです。

こんな激化した競争を繰り返した結果、ECは「今から5分間だけ」「先着1000名のみ」の演出がしやすいライブコマースという売り方に進み、ライブコマースでは圧倒的に安く買えるという体験習慣が普及しました。

日本ではそもそもEC化率が低くECサイト間での競争が激化していないのが現状。商品のバリエーションがネットのほうが多い、若干ネットのほうが安い、程度しかECのベネフィットがなく、中国のように「半額や1/3で買える」ほどのインパクトはありません。そこまで追い込まれていないということです。


ECが単なる「相場を知る道具」に

消費者は、ECでお目当ての商品を検索し、商品情報を見て、価格相場を頭に入れ、いくらだったら買うのか作戦を立てる。ECの商品情報は、もはやライブコマースのためのカタログになっており、「ECのショールーム化」がEC販売業者の悩みになっているほどだ。

中国ではライブコマースで買うための相場を知る材料としてしかECが機能しない「ECのショールーム化」すら起きています。

日本では実店舗がそうなりつつありますね。実店舗で実物を確かめ、ネットで最安値のECサイトを検索してネット注文する、という買い方が、オンラインの中で完結して起きています。

そのくらい、ライブコマースで買う方が安いという状況です。


テクノロジーは「不便」から一気に来た方がいい?

Web3テクノロジーも、たとえば銀行口座が持てないUnbanked問題や、法定通貨の信用がなくハイパーインフレに悩まされているような国であれば、必要としている人はとても多くいます。

今回取り上げたライブコマースにしても、日本では切羽詰まった必要性がありません。営業努力も工夫も足りていない実店舗が多数あり、国土面積が狭いことからそのような「近所の店」でもそれなりに売り上げが上がってしまう実情から、EC化率すら低いのが現状です。

新しいテクノロジーが登場すると生活が一変するようなサービスを夢想しますが、困っていないと普及しません。

 中国以外でライブコマースに火がつかない理由は、ECが中国ほどまだ発達せず、成長の過程にあり、ライブコマースをそこまで必要としていないからだ。

 では、日本では今後、ライブコマースは隆盛になるのだろうか。これは、中国のECの進化を必然と見るか偶然と見るかによる。

最先端テクノロジーは、私にとってはワクワクする楽しいものですが、サービス化・ビジネス化するにあたっては、ニーズが顕在化しづらいのが日本の実情だなぁとしみじみ思います。

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