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『清水亮 企業の不正が世間を騒がせた今年「AI」を社長にしてみた。AIの経営判断は<残酷>だがほとんどの場合<人間よりマシ>である』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2023.12.27


■清水亮 企業の不正が世間を騒がせた今年「AI」を社長にしてみた。AIの経営判断は<残酷>だがほとんどの場合<人間よりマシ>である

急速に進化を続ける人工知能。日本政府も戦略会議を立ち上げ、その活用や対策について議論を始めた。一方、プログラマーで起業家、そして人工知能の開発を専門とする清水亮氏は「信頼に値するAIを生み出せるかどうかで私たちの未来は変わる」と喝破する。その清水さんによる人工知能についての連載、今回のテーマは「AIを社長にしてみた」です。

「AIを社長にしてみた」とはとてもキャッチーですね。

AIの経営判断はほとんどの場合「人間よりマシ」だという課題認識も、社長だって人間だもの、感情や体調でブレるよなぁというのもよくわかります。

仕事をするうえで「人間関係の調整」にかなりの時間を費やしていますし、ストレスの原因のかなりの部分を占めていると思います。

社長がAIになった方がいいと感じる社員も実は多いかもしれませんし、社員を全員AIにしたいと思っている社長も多いかもしれません(笑)


AI社長の次はAI社員

清水亮と合わせて読むと真意や狙いがより分かりやすいように感じました。

中央公論の記事とnoteの記事の共通点が興味深いです。
こちらのnoteでの記述

理論上、投資家は1000の事業のうちの3つだけで他の投資が回収できればそれでいいだろう。しかし、997社の経営者は、そこに夢を乗せ、汗をかいた従業員たちに対して、「お前らが失敗することは織り込み済みだ」と後ろから嘲るのは、あまりに投資家として無責任ではないだろうか。

と、中央公論のほうの記事にある

社員は給料をもらうだけもらって働かないのが最適戦略で、会社は給料よりたくさん稼いでもらうよう社員をけしかけるのが最適戦略となり、この大いなる矛盾から雇用関係は出発することになる。

という会社と社員の行動バイアスの矛盾の指摘は、「AIを社長にしてみた」ことの目的や意義、未来に目指すべき会社や労働者のあり方を示唆しているように感じました。

踏まえると、AI社長の経営判断のほうが<残酷>だがマシ、社員も「1000みっつ」の不幸に見舞われないし、働かせるvs働かないバトルとも無縁にできますから、「AI社長+AI社員」の会社がベストってことではないでしょうか。


ウーバーイーツはAI上司+人間の従業員

ウーバーイーツでは既に、AIがどの配達員に仕事を振るかを判断する「AI上司」な状態です。

AI社長のほうが残酷だがマシな判断をするというのを実際にカタチにしたものだとも言えます。AI上司は「この配達員は来月子どもが生まれるって言ってたから、ちょっと多めに仕事を回そう」という温情的な判断をしません。

労働力が過剰にある状態なら合理的ですが、人手不足になってきたら「(人間が)働きやすい環境」をAI上司やAI社長が考え始めるのでしょうか。


AI部署から試して会社用ベーシックインカムにも?

エンジニア兼シリアルアントレプレナーとしてはなかなかの数と思うが、なぜこんなに会社を作ってきたのかといえば、事業ごとに会社を作る方が合理的だからだ。今の会社は資本金がかからない。1円でもいい。取締役も最小限でOK。資本の入れ方も分配も、かなり自由度が高くなっている。

なお、今年作ったそれぞれの会社のステークホルダーは異なり、全ての会社で筆者は社長を務めていない。それぞれのプロジェクト別で会社は動き、それぞれの会社の事業としてプロジェクトが進んでいる。

この仕組みによって、成果が出た時には利益を共有でき、出なかった時はそれぞれの有限責任をとるだけで済む。基本的に社員は雇わず、必要に応じて業務委託。社員がいないので、会社はいつでも解散できるというわけだ。

AI社長が経営する会社は今後あたりまえのように増えると思いますが、既存の会社が取り組むなら部門単位でトライするのも面白そうです。

従業員にかかるコストよりGPUにかかるコストが下回り、利益を上げられるようになるなら、人間関係の調整コストやストレスを生まないぶんだけ楽ですし、会社にとってのベーシックインカムのような機能を果たすようになるかもしれません。

もしAI部門が大成功したら人間の部署が縮小解体されるかもしれませんけれど。

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