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頭のいいやつ、悪いやつ

頭がいい人はいる

 世の中には頭がいいと言われる人がいる。何を基準に頭がいいと言えるのか曖昧だが、相手に「頭がいい人だなあ」と思わせる人がいるのは事実だ。機転が利くとか、計算が早いとか、知識が豊富だとか、いろいろ要因はあるのだろうが、学歴だけで頭がいいと判断するのはどうかとも思う。
 確かに有名な国立大学を出ているような人は話をしていれば、頭がいい人だなあと思わせることもある。豊富な知識と、それを元にした興味深い話などを聞いていると、「やっぱり自分とは違うなあ。うらやましいなあ」と思うこともある。

高性能PCのような頭の持ち主

 パソコンを使うようになって30年くらいになるが、自分で一からパーツを集め、何台も組み立て、システムを入れて仕組みもわかって来た頃、人間の脳と似ていると思った。よく言われることだが、人間の長期記憶を担っている部分は大脳皮質でHDDSSD、短期記憶を担っている海馬はメモリー、演算処理はCPU,目はカメラやスキャナ、口はスピーカーで出力、耳はマイクなど入力で、似ているようにも感じる。知識が豊富な人に出会うと「この人の頭の中にあるHDDは2TB(テラバイト)くらいあるんじゃないか?」とか、素早く計算できたり、考えて早く答えを出す人は「コアが4つくらいあって、二次キャッシュもたくさんある高性能のCPUが入っているなあ」と思わせる。

 そんな時に自分自身を振り返ると自分のHDDはショボいなあとか、メモリも古いタイプで数ギガバイト、CPUにいたっては数世代前のモデルというように感じてしまう。ましてや加齢による認知力、記憶力、体力の衰えも感じ、劣等感しかない。

劣等感ばかりだった

 思えば、子供の頃からそんな劣等感ばかりでやってきたように思う。中間テストや期末テストで順位を見るたび、限りなく平凡というか、フツーというか平均的なところにばかりいた。もっと優秀だったら、今頃、違った道を歩んできたかもしれないとも思ったこともある。しかし、老い先も見え、競争とか成績とか、立場とかから、解放された今となっては「もう怖いものもないし、やりたいと思ったことをやればいいじゃないか」とも思うようになった。端的に言えば、優越感も劣等感も、そんなもの、どうでもいい。どちらも持つ必要なし!という感じだろうか。

 話が逸れたが、機転が利き、計算が早くて、知識が豊富な人が必ずしも「頭がいい人」とは限らない。なぜなら、それだけ高性能なパソコンのような頭を持っていても、それがために優越感に浸り、人を見下げるような人もいるからだ。長く生きて、たくさんの人と会ってきた中で、少なからずそういう人もいた。「本当に頭がいい」のなら、知識をひけらかしたりはせず、人の話にも謙虚に耳を傾け、人を見下げるようなことは、決してしないからである。中途半端に頭がいい人が一番やっかいなのかもしれない。

頭の悪い人もいる

 逆に「頭の悪い人」というのは、機転が利かず、計算も遅く、知識も貧弱ということになるが、上記の例と同じく、必ずしも「頭が悪い人」とは限らない。遅くはあっても豊かな感性を持ち、頭の回転が速い人が気づかないことにも気づいたりすることもある。最悪なのは「どうせ自分は頭が悪いし…」と居直って、努力もしなかったり、自分のことは振り返らず、悪いことは人のせいにばかりすることである。そんな人を見ると「本当に頭の悪い人だなあ」と思ってしまう。

ないものねだり

 人間は「ないものねだり」ばかりするものなのかとも思うが、それは不幸なことだと本当に思う。逆にあるもの、自分にできることに気づいて、それを活かして生きていければ、最高に幸せなのかもしれないと、今の歳になって思う。老婆心ながら、読者の方で若い方がいたら言いたい。友達や同僚とか、まわりの人に自分の「いいところ、わるいところ」を聞いてみてほしい。本人は気づかないことが、けっこうあるもので、良いところはそれを自覚し、悪いところは気を付けていかなきゃと思えばいい。今の時代、パソコン、スマホもあり、知識はいくらでも増やせるし、調べたくなったら、すぐに調べられる。一人の人間の知識量など、機械に比べれば微々たるものでしかない。だったら共有できるネットワーク、人脈、そして協調、協働ができる人に優位性があると思う。「無いものをねだる」よりは「有るものを活かす」路線に切り替える方がいい。

 どうせ人間は死ぬ時にあの世には何も持って行けないのだから、生きている間は有るモノに感謝し、大事に使い、人々の役に立つことをすればいい。それが幸せにも通じると思うからである。
 話があちらこちらに飛んでしまったが、結局、頭がいいやつも、悪いやつも努力を惜しまず、腐らずに前向きにいこうということが言いたかっただけなのかもしれない…。

 もっと頭がよければ、もっといい文が書けるのだろうが、所詮、この程度でしかない。駄文を読んでくださり、感謝する次第である。


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