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本当の信仰

「本当の信仰」とは?

 本当の信仰とは何だろうか?皆が疑問を持ったり、どうすることが本来なのかと、一度や二度、考えたことがあるのではないだろうか。恐らく今、これを読んでくださっている方は何かしらの宗教に属している、或いは、家の信仰があり、代々受け継いできている方なのかと想像している。

 宗教二世問題なども取りざたされているが、生まれた時から親の信仰で、自然と信者になっていたとか、宗教は嫌いだと言っても、親族一同が信者なので、離れるに離れられないといったケースも多いのではないだろうか。

私自身は二世どころか、初代から数えて四代である。父方は皆、信者である。生まれた時から天理教で天理の学校にも通い、信条教育というものを受け続けてきた。知らない間にDNAに書き込まれているのだろうか?、思考にしろ、実際の行動規範にしろ、多くの影響を自分が受けているのだと自覚せざるを得ない。

これは何も天理教に限ったことではなく、エホバの証人、創価学会、旧統一教会などでも同じなのかと思っている。しかし、長い間、「人間」をやっていて、老い先も見え、怖い物もなくなった時、いったい「本当の信仰」とは何だろうと立ち止まって考えてしまうようにも思う。

新興宗教は教団維持が目的なのか?

 そんなこともあり、ここ十年弱、天理教のことについていろいろ調べたり、歴史的なことも調べてきた。まだまだ調べつくしたとも思えないし、知らないことも多々あると感じている。しかし、現時点で思うのは、新興宗教と言われるものは教団があり、それらを運営しているのは「人間」であり、信仰が目的というより、教団維持発展のためにやっているのではないかということだ。過度な献金とか、布教活動、奉仕活動など、嫌だと思ってもやるべきなのだと自分に言い聞かせたり、正しいことなんだと従ってきた部分もあるのではないだろうか。

「別火別鍋」

 話は少し逸れるが、「別火別鍋」という言葉をご存じだろうか。明治四年、教祖が仰ったことだが、食事を他の者と別にし、教祖が「月日のやしろ」であるということを示すためだと言われている。天理教教祖伝の第六章に出ている言葉だが、天理教の歴史を調べる上で、異端として分派した大道教、飯田岩次郎教祖略伝を読んだ時に驚いた。教祖中山みきとの出会いから、水のさづけをもらったことまで、驚くことばかりであったが、この別火別鍋まで岩次郎にするように教祖みきは岩次郎の両親に話していたのである。他に天理教の歴史上の人物で、教祖直々に「別火別鍋」にしろと言われた人物を私は知らない。

サアサアよく聞け、この者は神の社に貰い受けるぞ。神の人足社とさだめるのや、今日より別鍋を食べさせ、今日より心を濁すでないぞ。いかなることに迫るとも、決して腹を立ててはならぬ。ほかの者のごとく働かぬともよい。働こうと思うな……。腹を立てぬがなによりの働きや。此の者はこの道の目明しに神が遣うのや。神が貰い受けたとて、家の世継ぎには不自由ささん。今日の日より神が引き取るではない。神の方に用のある時、遣うばかりや。

大道教「教祖略伝」より

 歴史的にみると明治八年の頃のことだと思われるので、教祖が赤衣を着たり、ぢば定めを行っている頃かとも思われる。その時には高弟と言われるような人々も教祖のもとへ通っていただろうし、飯田岩次郎仲田儀三郎、山中忠七、辻忠作らと同じ頃からの信者で最古参の信者とも言える。(年齢的には岩次郎の方がずっと若いが…)
 教祖直々に赤衣をもらい、教祖手作りの犬のぬいぐるみももらい、どれ程、教祖にかわいがられ、神の社として貰い受けられたのに、分派してしまうことになったのかと思う。そのことを述べるのが、ここでの主旨ではないので、これ以上は書かないが、やはり教団維持、発展のために「信仰」が歪み始めたのかと思わざるをえない。

 この飯田岩次郎のことについては、以前に少しまとめた記事があるので、合わせて読んでもらえばいろいろと合点がいくものと思っている。

激動の明治30年頃 前橋事件と水屋敷事件について
https://note.com/morijirou/n/na0e37293f837
「耳うつし」について
https://note.com/morijirou/n/n2b3d46cae573


「ホンモノ」ではない

 過去の話を持ち出して、歴史をほじくり返して、信仰とは何なのかと考えることに意味があるのかとも思うのだが、教団が衰退していくのは、要は「ホンモノ」ではないの一言に尽きるのではないかとも思っている。「本当の信仰」とは何かと言えば、あまりに難しく、簡単にまとめられないものなのかと感じるが、この世に生を受け、生きている間、どう生きるべきか、何を基本とするのかという部分で、やはり信仰というものは大きいと思う。

 読者の方々と共に考えていければとも思っています。思いつくまま書き、推敲もしていない駄文を読んでくださり感謝する次第です。

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