結婚の挨拶

クリスマスにプロポーズをされ、とうとう私の両親に挨拶する日がきた。

森井は前日デパートで靴を新調したり、二日前には正座しながら丁寧にアイロンをかけていた。
正座しながら丸腰でちょこまかとアイロンしている姿はいつ見ても可愛い。


私が手伝ったろか?というと「ほんまに大丈夫です、ほんまにです。」というので腕の見せ所を惜しみつつおとなしく引き下がっている。

話は逸れたが森井は手土産を何にしようかと悩み、色々調べた結果日持ちのするものにしようとしていたがマドレーヌとか心底いらんのよ!フルーツタルトにせぇ!と図々しくデパ地下で叫んだ記憶がある。

こうして買い物も済んで、私と森井は夕方に解散しそのまま私は飲み会へ出かけた。


飲み会という名の合コンだった。

結婚の挨拶の前の日になにしてんだ!という考えが特に浮かばない人間であるのは前々から自覚あったのだが、私の友人たちも似たような人類なので、明日親に挨拶なんだよねと伝えたにも関わらず、一分後にはそんなことも忘れて今回の合コンもしこたま飲もうな!とか言うので毎回最高だなと思っている。


九州料理のお店で4:4。

何回も女子会や合コンで使ったお店。思い出たくさん。
よきよきと向かった。

男性陣が先に揃っていたのだが、

上座に座っていた。

あぁ、この人たちは仕事が出来ないんだろうなぁ。と思った。


堀ごたつで下座。ガラガラ~式の扉。
背もたれが欲しい。の一言に尽きる。

そしてもちろんのこと、4人ともとてつもなく服装が中学生の野球部みたいな恰好だった。

社会人7年目。29歳。
服装なんてどうでもよくない!?と言えるほど大人にはなっていないことに気づけてよかった。

要は、理系の子豚ちゃんの集まり。
女の子に優しい子豚ちゃんたち。ぶぅぶぅ~!!!

が、しかし。

一人の子豚ちゃんがめちゃくちゃひねくれタイプで女とかうぜぇし??とかいうタイプで可愛くない子豚ちゃんがわぁ!!ビール飲んでる!!という記憶しか残らなかった。


あ、一つだけ覚えていたことがある。

途中からゲームをすることになり、初めて聞いたゲームに女子一同盛り上がったのに「香川県と静岡県を噛んだら負け」というマジで意味の分からないゲームでゲーム終了


ゲーム終了????????



お会計も割り勘だったんじゃないか。まぁそれはどうでもいい。

私たちは脱力感のまま女子だけで2軒目のお店へ行った。

恐っっろしい合コンだったなぁwwwwwwwwwwwwwwwwww
と女子一同、浴びるほどの酒を飲んだ。あぁ、楽しい。



翌朝、私の両親へ挨拶に行った。

結婚のあいさつに行くなんて一言も言ってないのにお母さんが張り切ってご飯をたくさん作ってくれていた。


名古屋で一人暮らししてる妹には内緒で伝えていたのでおもしろがって実家に来ていた。


弟に関しては昼なのにまだ寝ており、なんで森井おんの?と言いながらすごい寝ぐせで登場したくらいだ。


緊張感のない実家での結婚の挨拶。


机の上にはたくさんのお酒が置いてあった。


家族みんなでぐびぐび飲んだ。


食べた。


飲んだ。


気づいたら寝てた。


森井に怒られた。


起きた。


森井が土下座した。


私の両親に結婚の許しを頼んでた。


土下座なんてドラマの世界かと思った。


私はなんて素敵な人と結婚したんだろうと思った。


母親と妹と弟はダチョウ俱楽部かのようにどうぞどうぞと流し込んできた。

すると、寡黙な父親が唯一声を出した。

「こいつ、めんどくさいっすよ、、」と。

なんて失礼な父親なんだと思った。


「知ってます、とてもめんどくさいです!!!」


なんて失礼な彼氏なんだと思った。


ありがとう。めんどくさい女をもらってくれて。


帰る前に家の前で父、母、森井、私の4人で写真を撮った。

前日の合コンによるむくみと一切抜けきれてないアルコールのせいだろう。


仕事できなさそうなアホ面に
服装ダサい子豚ちゃんが写ってました。ぶぅぶぅ~!!!!







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