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読書録「保育士おとーちゃんの『叱らなくていい子育て』」

 現在、3歳の息子が大きな“反抗期”を迎えており、毎朝&毎夕、私は大きな声を張り上げています。

 大嵐が吹き荒れる度に(泣きわめく声のボリュームも大きい)お腹にグッと力を入れて堪えます。が、限界が来れば私の火山も噴火…。

 そんな毎日に…ヒントをくれそうな本を見つけたので、読んでみました。


『「叱らない子育て」とは「子どもを叱って育てていく」のか「一切叱らないで子どもの好きにさせる」のかといった問題ではなく、養育態度として安易に「叱る」を多用しない子育てなのだと知っておいてください。』

 …という事が冒頭に書いてあり、「お、これは普段の私ならできてるぞ」と少しだけ嬉しくなりました。でも、この小さな自信はすぐに打ち砕かれます(笑)それは記事の最後の方に。




 3歳を過ぎて、どんどん自我が芽生えて、言葉もさらに達者になってきた息子は、以前は注意してやめてくれたことも、最近はまっっったく聞く耳を持ちません。この悩みにはこんなアドバイスが書いてありました。

 『子どもが困ること、嫌なことをしたら「そういうことしたらママ困るな」「悲しいな」と、相手がどんなに小さい子であっても、きちんと言葉で伝えましょう。そして、口先だけでなく本当に「困る」「悲しい」という気持ちを表情や態度でも示しましょう。普段からこういう関わりを積み重ねていくと、そもそも「困ること」「悲しませること」をしない子になります。

 なるほど…!
 確かに「おもしろいね」や「おいしいね」などのプラスの感情の会話は日常でよくしますが、こういったネガティブな会話はあまり言葉でしてこなかったな…と思いました。会話以前に、すぐに大嵐モードに突入してしまうので…。
 言葉と表情でちゃんと伝えようと思いました。




もう1つ私が勉強になったのは、『満たされた子ほど人に優しくできる』ということ。

 著者は、子どもはみなひとつの「容れ物」を持っていて、それを“クッキー缶”に例えています。そのクッキー缶の大きさは生まれつき、小さい人もいれば、大きい人もいるとのこと。
 その缶の中に、親に優しくしてもらったり大切にしてもらったり、温かい声掛けやスキンシップなどのプラスの経験を貯めていくのだといいます。
 そして、大切なのは『誰かが「そのクッキーちょうだい!」と言った時に、どんな子だったらそのクッキーを分けてあげられるのか?』ということ。

それは、『満タンよりたくさんもらっていて缶からあふれている子』。

 友達に物を貸してあげたり、優しさを表したり親切にできるためには、そういうことを可能にするだけの対人関係の発達はもちろんだけど、そこにさらに心の余裕というものが必要になってくる。”大人の指示にちゃんと従うことができるか”ということも、同じく心に余裕があるかどうかなんだそうです。

 私が驚いたのは、なんとまあ…クッキー缶の大きさって人によって違うの?!ということ。少ないクッキーでも満足できる子もいれば、たくさんクッキーをあげているつもりでも足りてない子も。うちの息子はどでかい缶を両手で持ってそうだな〜…と思いました。
「そうかぁ〜…クッキーが足りてないのかもな〜…毎日噴火してるよりも、クッキーをもっとたくさん与えてあげることの方が大切だったんだな…」と読みながら反省しました。




 そして、本書の最後の方に『いくら子どもへの対処方法がわかったとしても、いざそれを実践しようとしたとき、その結果はそれをする大人の性格、状況などにより違ってきてしまうものです。』と書いてあります。
 本書を読んで頂ければわかるのですが、私の場合、優しさのクッキーだけでなく「毅然とした態度で子どもと向き合うこと」も大切だということがわかりました。




 保育士をしている著者が書かれていますので、いろんな場面においての子どもや親の分析が細かくてわかりやすく、論理立てて書いてある説明がとても納得させられます。この記事には一部の内容しか掲載していませんが、その他にも勉強になる項目がたくさん掲載してあります。

◎気持ちの共感を求める本というよりは、困った時のいろんな場面の対処法や解決のヒントを書いてくれている本でした。子どもへの対応の仕方に悩まれている方にぜひおすすめです。



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