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【読書補助】古事記#2 別天つ神五柱から神代七世まで

注釈-2

別天つ神五柱


宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)
名義は、ウマシは良いものをほめた美称とされ、アシカビは葦の芽、ヒコは男性、ヂは祖父(おほぢ)、伯父(をぢ)に同じで、ヒコヂは男性の尊称や親称とされる。


神代七世


豊雲野神(とよくもののかみ)
「豊かな(=トヨ)雲(=クモ、ノ)」の意であり、雲を神格化した存在とされる。
『古事記』原文にはアクセントの注記があり、「雲」は音を上げて発音するため、神名は「豊雲、野」ではない。従って名義は「豊かな野で、雲の覆う野」と考えられる。

角杙神(つのぐひのかみ、つのぐいのかみ)
ツノは、薄・葦・真菰などの芽立ちをいうとする説や、角のように堅く突起している様をいうとする説がある。クヒは、地面に打ち込む杭のこととする説や、地中から植物が生えることとする説がある。※以下「妹」の字をあてた神々が登場するがこれらは兄弟の意、夫婦の意、男女対の女性側の意と様々な説がある。

妹活杙神(いもいくぐひのかみ、いもいくぐいのかみ)
活杙神の名義について、「活」は、活日(イクヒ)、生魂(イクタマ)などのイクと同じと考えて、生命力の象徴と見る説がある。クヒの名義については角杙神に同じ。

意富斗能地神(おほとのぢのかみ、おおとのじのかみ)
人間の住むべき居処の成立とする説、農耕の湿地の造成に模した大地の完成とする説、地上の始まりを担う男女の神の身体(神体)の完成を表すとする説などがある。

妹大斗乃弁神(おほとのべのかみ、おおとのべのかみ)
意富斗能地神と対偶をなす女神。

於母陀流神(おもだるのかみ)
於母陀流神の名義は、『日本書紀』の「面足尊」という表記から、神や人の容貌にまつわるもの、身体の完成を表していると考え、人体が完備することの神格化とする説がある。

妹阿夜訶志古泥神(いもあやかしこねのかみ)
於母陀流神において神の顔が整ったのを見て畏怖恐懼する意とする説や、岐美二神(イザナギイザナミ)への讃辞が神名となったとする説、完成した肉体に讃美の言葉をかけることで命と魂を宿らせる古代の観念の反映とする説がある。

参考文献

古事記 倉野憲司 校注 ISBN 9784003000113

引用サイト

國學院大學 古事記学センターウェブサイト
Wikipedia
goo辞書

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