水瓶座とアガペーとの関係
風の時代というので水瓶座について随分とりあげられていたけど、水瓶座について考えるのに過去、心理占星術の講座で知ったアガペーについて取り上げてみたいと思う。アガペーはキリスト教では神の愛をあらわすが、それと水瓶座はどんな風に関係しているのか。しかも、それは水瓶座15度という度数にも関わるので、探ってみたい。
西洋占星術ではホロスコープにあるアングルの感受点と言われる地点は非常に重要である。
アセンダント、アイシー、ディセンダント、エムシー。
これらから始まるハウスはアンギュラーハウスと呼ばれる。
一方でこのそれぞれの点の中間地点についての解釈がある。いわゆるミッドポイントにあたる。
松村潔さんの「占星術のシクミがわかる本」(シャングリラ・プレス) にそのエナジーポイントについての説明がある。それぞれは固定宮の真ん中の度数になるが、ディーン・ルディアは
超越的なエネルギーの働く場所だ。
と述べているそう。その4つのエナジーポイントは
牡牛座15度、獅子座15度、蠍座15度、水瓶座15度である。
ヨハネの黙示録に出てくる4つの獣をあてはめると
牡牛座・牛、獅子座・獅子、蠍座・鷹、水瓶座・天使となる。
この考えについて再び触れることになったのは心理占星術のクラスのときだった。そこではこの4つの地点は4つの愛に置き換えられていた。
牡牛座・ストロゲ・親子愛、獅子座・フィリア・友愛、蠍座・エロス・性愛、水瓶座・アガペー・神の愛
ちなみにケルトの暦と二十四節気を加えると
牡牛座15度立夏ベルティーン、獅子座15度立秋ルーナサ、蠍座15度立冬サーウィン、水瓶座15度立春インボルグにあたる。
最近では、スピリチュアルな界隈で獅子座15度ライオンズゲート、水瓶座15度エンジェルズゲートなどと呼ばれているけど。
それについて考えるとサインの輪は人の成長過程にもあてはまり、個人としての誕生が牡羊座なので、そこから成長し、学び、家族やルーツなど集団とつながり、さらに活動を広げ、他者と広く関わりながら、深めていき、社会へと発展し、自分が社会や世の中ではたす役割を全うしていくようなプロセスがある。
その中で水瓶座はポイントの最後の地点となる。獣じゃなくて天使ですものね。
水瓶座のもつアガペーとはどのようなものだろうか。
アガペーはそもそも無償の愛、見返りを求めない愛を示す。母親は子供を無条件に愛するとはいうけど、母親の愛はアガペーとは少し違うかもしれない。キリスト教でいう隣人への愛というのは血のつながった家族以外に向けられる愛だから。
家族以外の人間に対して見返りを求めずに愛の行為ができるのか。
それは広い意味で地球に住む家族という捉え方ができるかどうかにもかかっているのではないかなと思う。水瓶座は山羊座のもつローカルな社会を越えて垣根をもたない。わたしはあなた、あなたはわたしみたいな共同体意識がある。
共同体感覚という言葉を使っていたアルフレッド・アドラーはちなみに太陽水瓶座であった。
社会と関わり、社会に貢献することや自分たちの社会がよりよいものであることが個人の幸せでもあるという考えは実は水瓶座的なものである。
お正月にNHKの「100de名著・萩尾望都」を見ていた時に「アガペー」という言葉が出てきた。それは「トーマの心臓」の解説でヤマザキマリさんがおっしゃっていた。子供のときに「トーマの心臓」という漫画を夢中で読んでいたけど、深い意味はそのとき理解はできていなかった。
実はけっこう宗教的な面を含むお話だったのだ。
水瓶座の次に魚座となるけど、魚座は社会から少し離れて、神に仕えていく個人の自我をなくしていくような世界である。
マザー・テレサやジャンヌ・ダルクが神の声を聞いて、個人の意志をこえてそれに従い、行動していくのは傍からみたら、自己犠牲を伴っているように思われるが、彼女らにとっては従わずにいられない強い衝動があったのだろう。
私の興味は公転周期の長い土星が水瓶座の15度付近に近づくとどうなるかなということ。以前土星が水瓶座の15度を通過したのは29年前の1992年。日本ではバブルがはじけた年にもなる。そんな意味では社会の状態が大きく変わりつつある節目であった。派手に豪快にお金を使うことは少しずつ変化し、もっと内的なものに目が向けられていった頃かもしれない。
私がハーブやアロマセラピーを知り、ハマっていったのもこの頃だから。フラワーエッセンスの最初の本が日本で出版されたのは1994年。世界共通の癒しの波がやってきた頃である。これよりちょっと前からシャーリー・マクレーンの本が出版で話題を呼び、バーバラ・アン・ブレナンの「光の手」が1995年に出版されてスピリチュアルブームがブワーッときたのもこの頃。
天王星が水瓶座15度だったのは1999年のこと。終末説や2000年問題もあった頃。
もちろん自分のチャートや進行などでも固定宮の15度は大きな影響力がある。天王星は牡牛座にあり、今年15度付近までたどり着くのでそのあたりも何かありそう。
松村先生の本ではハウスに対応した説明がなされていて、ASCとICのミッドポイントは実際は人によってサインも度数も違ってくる。
そのポイントに進行やトランジット天体が通過するとき、あるいはそのポイントに天体を持つ人と出会うときどのような影響があったのか見てみるとよいらしい。
水瓶座の話にもどって、世の中はオンライン化が進み、オンライン講座ひとつでもいろんな国に住んでいる人が参加していることがよくある時代。
近所の人よりももしかしたら、話をよくするようになることもある。
水瓶座は個人的な関係性が濃いわけではないから、感情で動くというよりも、社会とわたしという関係で行動するようなところもある。それはもしかしたら家族や自分の個人的なつながりのある存在とはうまくいかなかったり、疎遠だったり、孤立していたりするからかもしれない。
ここでは太陽水瓶座の人がという意味ではなく、水瓶座のアーキタイプとしての話。
ここのところ水瓶座に天体が多いからか、社会全体が変わっていくためには個人は何をすべきかという方向もけっこうあるようにも思う。
「鬼滅の刃」で鬼と捨て身の覚悟で戦う主人公らは、ほぼ血縁家族がいない。鬼のいない世の中にするには、多くの人といっしょにやり遂げなければならない。一人の力だけでは無理で多くの人が声をあげれば社会は変えられるというのと同じで、水瓶座の15度の超越的なエネルギーというのはそういう働きがあるのではないだろうか。
そのためには最初に声をあげる人が必要である。
それは多くの人が実は無意識でもそうしたいと思っていたことを代弁する人のことでもあるから、大きく動くきっかけにもなるのではないだろうか。
個人が成し遂げたいことがあるが一人では社会は変えられない。そのためにいっしょに行動する相手は感情的な縛りはなく、必要な時に助け合える同士となるのだ。
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