トラウマについて知るべき大事なこと
トラウマについての研究は近年だいぶ進んできていて、様々なものがセラピーとして出てきている。私はフラワーエッセンスという分野で仕事をしてきて、フラワーエッセンスに関心が高い人はかなりの率でスピリチュアルなものへの関心も高い傾向にある。それだからかトラウマといえばヒプノセラピーと言う人をこれまで何人かみてきた。
そうか、一般的にはトラウマのケアはヒプノなんだあと選択の狭さに驚くが、それくらいトラウマの療法は一般的には知られていない。
トラウマの治療が必要な人
日常生活に支障がなく、人との関係も良好であればもちろんセラピーは必要ない。誰でも小さなものも含めるとトラウマ的な経験はあるにはあると思うけど、とくに日常が問題なく、気にならなければ通常の心理療法などで自分の内面の探求をしていけばよい。
ヒプノに行く人の中には仕事で悩んでいるとか人間関係がうまくいかない、病気や精神的な不調にあると過去生などに原因があるのでは・・というところから行くケースも多いだろう。それですっきりするならそれはそれでいいけれど、幼少期のトラウマや虐待経験、災害経験などに対して心身の不調がある場合は過去生の問題というより、原因がはっきりしているのでヒプノはおこなうべきではない。
トラウマの状態とは神経系とその関連身体システムが覚醒し、平常の恒常性がうまくとれない、コントロールできない状態にある。
簡単に書くと耐性領域からはみ出した過覚醒と低覚醒の状態がある。
過覚醒状態は・・・
感情的、侵害的、交感神経優位
ちょっとしたことですぐに感情的になる、他者の言動に敏感に反応してしまう、混乱しやすいなど。
低覚醒の状態は・・・
感覚がマヒ、解離、無表情、背側迷走神経優位
生きている感覚が薄い、感情がわからない、人や自分とつながれないなど。
このような人はヒプノに行くよりも心理療法家にまず相談するかトラウマの訓練を受けた専門家のところに行くのをオススメする。
ヒプノセラピストはトラウマの専門教育を受けていない人も多い。
心理療法家や心理職の人でやっている人もいるけれど、スピリチュアルな前世療法という形でやっている人は違う。
最近の心理療法や心理専門家の訓練はトラウマの専門教育を受けていない限りは自分はトラウマを癒すためのことはおこなわないという姿勢をたいてい取っていて、専門家のほうを紹介すると思う。
トラウマがある人にやってはいけないこととやるべきこと
深刻なトラウマ状態にある人にやっていけないことは、トラウマを受けたときの状況の話をさせることだ。これはすでに心理の専門家の教育ではやらないようにしているとは思うが、そうではない癒しの仕事に携わる人の中では知らない人も多い。毎回のようにその話をさせてしまう人もいるかもしれない。傾聴が大事だから、話をしてもらうことが大事だからとずっと繰り返し話をさせてしまう。
それは再トラウマ化につながる。
クライエントへの観察をおこない、状態が安定していないあるいは解離状態にある場合は話をさせることをただちにやめさせるのが必要になる。
そしてとくにトラウマの訓練を受けていないセラピストや癒しの仕事をおこなう人が相手におこなうのは心の探求を深めることではなく、それをやめる勇気をもつことと、体や現実に意識をもたらすよう働きかけることだ。(グラウンディングとか目の前に見えるものをひとつずつ言ってもらう、体の感覚につながるなど)、精神科での薬物療法によって安定させることもできる。
そしてゆっくり話しかけ、安全である感覚をもたらすためリソースを提供することもできる。
セラピストはトラウマについての理解を深め、どのような状態があるのか知り、自分自身も安定を保つため、トラウマについて取り組んだり、バウンダリーをクライエントとの間にしっかり持って巻き込まれないという姿勢が大事だ。
ひたすらクライエントの安全な感覚のための取り組みに徹してセッションをおこなうとよい。
フラワーエッセンス療法などトラウマの専門セラピーと併用しておこなってもらうようになる。トラウマを癒すというよりも、安定させるためのフラワーエッセンスを選んだり、セッションで安全な場を作るのがよい。難しいケースのクライエントの場合はスーパービジョンと並行して取り組むのもよい。一人で抱え込まない。
トラウマの療法にはどのようなものがあるのか
最新のトラウマ研究からなる神経系に働きかけるソマティックサイコセラピーは日本ではまだまだ少ない状況だ。
一番知られているのは
ソマティック・エクスピリエンス (SE)
で日本でもプラクティショナーが増えているかなと思う。
センサリーモーターサイコセラピー(SP)
ハコミ療法のほうから派生してきたトラウマ専門のセラピーだが、日本のサイトをみるとまだ日本でのトレーニングは始まったばかりで、プラクティショナー紹介のページがないのが残念。
海外にてトレーニングを受けているセラピストはいるようだ。
日本で一般的におこなっているトラウマ療法は以下のものがある。
認知行動療法
EMDR(眼球運動による脱感作&再処理)
こちらはされている方も多いかと思う。
トラウマといってもいろいろと複雑にからみあっているものもあり、話題となっている新興宗教にはまった親の子供たちが受けたトラウマもなかなか深刻なレベルだなと感じ、そんな人が誰かを信用してセラピーを受けるまでになるのもなかなか難しいとも思ったりする。
ただトラウマの周辺に関わる私たちは、そうした人に対しては巻き込まれないようにしたり、相手が安全でいられるようにできる範囲のことをするしかないが、状態を悪化させないよう再トラウマ化だけおこなわないことは気を付けたい。
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