見出し画像

強烈な自然界と人間の知恵との化学反応でもある「しなきダム」

【📝私の記事では、音声読み上げ機能を使っているかたにも伝わりやすくするために、あえてひらがなや絵文字で表記している箇所があります📝】

あがつま郡の中ではやんばダムがメジャーですが、他にもいくつかダムがあります。
ダム界ではちょっとマイナーかつ個性的な存在である「品木ダム」をご紹介します。

ダム湖と案内板の写真

草津の温泉街から東へ車で10分程、山の中にひっそりと。
品木ダムには、一般的なダムとは違う役割があるんです。
それは「中和のお手伝い」

中和って中学の理科で習ったかしらねー❓
わたしゃ、記憶にございませんが。
大雑把にいうと、性質のあい反するもの同士が混ざり合って、まろやかになるってことですかねえ❓

この付近の川の水は強酸性。
その酸性度は鉄釘を1週間で溶かしてしまう程。(pH2からpH3)
なぜかというと、水源である草津白根山からの湧き水や、近くにある草津温泉が硫黄を多く含んでいるから。

強酸性の川では、川の中に造ったコンクリート製の構造物もボロボロになってしまいます。
第一、飲み水や農業用水にも使えません。
下流にあるあがつま川にはこの強酸性の水が流れこみ、昔は魚も棲めない「死の川」なんて呼ばれていたそうです。

これをなんとかするために、1957年(昭和32年)、川の水を中和する事業が始まりました。
その方法は、中和工場をつくり、そこで酸性の川にアルカリ性の石灰を大量に投入し、化学反応させることで川の水のpH値を中性にするというもの。
中和工場の下流に品木ダムをつくって、
中和の際に生成された化合物を沈殿させています。
また、ダム湖のゆっくりとした流れの中では、中和をさらに進める効果もあるそうです。

ダムの断面図と中和の流れの写真

ダム湖の色が、濁ったきみどり色だったりエメラルドグリーンだったりと場所によって違うのは、その関係もあるのでしょうか❓

ついでといってはなんですが、普通に水力発電もやってます。

ダムの放流する側の写真

……とここまでダムの説明をかなり苦戦しながらも書き上げました。
頭を掻きむしりたくなるほど、理系の内容に拒絶反応を起こす私は、ダムの案内板やウィキペディア、ダム便覧に書いてあることをまず理解するところから始まりましたから💦

なのに、記事を完成させた後に、ものすごくわかりやすい良いページを見つけてしまいました🤩
最初っからこのページを読んでいればよかったーー‼️とほほ。

リンクを貼っておきますので、温泉の水が環境に及ぼす影響に興味があるかたは見てみてください。


さて、ダム湖の周りを半周さんぽ。
いろんな角度からダム湖を眺めながら、ゆっくり歩いても10分くらいでしょうか。

エメラルドの湖面に山が映っている写真

人っこ一人いません。
静かで野趣あふれています。
「うーん。今日はちょっとぉ……派手なダムの気分じゃないんだよねーー」って時には、もってこいのダムです。

手前から雪原、林、遠くの山々、空の写真

これは帰りの山道ですが、手前に見える枯れ木の林と、遠くの山々が携えた雪のまぶしさとのコントラストが美しく、清々しい気持ちになりました。